尿酸結石とは?原因・症状・治療・予防
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
尿酸結石(にょうさんけっせき)は、尿の中に尿酸という物質が増えると、それが固まって石のようになる病気です。この石は、腎臓(じんぞう)や尿管(にょうかん)という尿の通り道にできることがあり、強い痛みや血尿の原因になります。わかりやすくいうと、おしっこの中の「あか」のようなものが固まって、小さな石になってしまうのです。
重要な事実
- 尿酸結石は腎臓結石の一種で、尿が酸性のときにできやすい石です。
- 水分不足や食事の内容が大きく関係しますが、体質やほかの病気が原因になることもあります。
- 適切な治療と生活習慣の見直しで、再発を予防できる可能性が高い病気です。
日本では、腎臓結石のうち約5〜10%が尿酸結石と報告されています。男性にやや多く、比較的よく見られる結石のひとつです。
中年の男性や、痛風、糖尿病、メタボリックシンドローム(内臓脂肪が多い状態)のある方に多いとされています。また、暑い環境で働く方や、水分をあまりとらない方にも見られます。
症状
- 強い痛みとともに、39度以上の熱が出ている(腎臓の感染が疑われる)
- まったくおしっこが出ない(完全に尿の通りがふさがっている可能性)
- 激しい痛みで動けない、または意識がもうろうとしている。このような場合は、ためらわずに119番に連絡してください。
- ⚠尿に血が混ざった(明らかな血尿)
- ⚠数時間にわたって続く強い痛みがある
- ⚠吐き気や嘔吐が続き、水分がとれない
- ⚠熱はないが、腰やわき腹の痛みがおさまらない。この場合は、当日中に泌尿器科の受診をおすすめします。
一般的な症状
- 腰やわき腹、下腹部の強い痛み(波のように強くなったり弱くなったりすることがあります)
- 血尿(おしっこに血が混じる)
- 吐き気や嘔吐(おうと)
- 排尿時の痛みや違和感
- おしっこが近い、または出にくい
子供の症状
- 子どもでは、腹痛や血尿、原因がはっきりしない不機嫌やぐずりなどの症状が出ることがあります。また、おしっこをするときに痛がることもあります。
- 小学校低学年より前の子どもでは、言葉で痛みを伝えられず、泣いたり食欲が落ちたりする場合もあります。
高齢者の症状
- 高齢者では、強い痛みをあまり感じず、熱やだるさ、食欲がない、ぼんやりするなど、尿路感染を伴う症状で見つかることがあります。
- おしっこの量が減る、出にくいといった変化にも注意が必要です。
原因
主な原因
- 水分不足で尿が濃くなり、尿酸が固まりやすくなる
- 尿が酸性に傾く(正常よりpHが低い)と尿酸結石ができやすくなる
- 尿酸値を上げる食品の取りすぎ(レバー、魚卵、干し魚、ビールなど)
- 痛風や高尿酸血症(血液中の尿酸が多い状態)など、もともとの体質や病気
リスク要因
- 水分をあまりとらない習慣
- 肥満、糖尿病、高血圧、メタボリックシンドローム
- 痛風の既往(痛風発作の経験がある)
- 尿酸値を上げる薬を飲んでいる(たとえば一部の利尿薬など。詳しくは医師に相談)
- 家族に腎臓結石や痛風の人がいる
- 暑い気候での運動や労働による発汗(汗で水分が失われる)
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 急に激しい腰やわき腹の痛みが出て、治まらない
- 血尿や発熱をともなっている
- 吐き気が強く、水分もとれない
- おしっこの出が急に悪くなった、または出ない
定期受診を予約すべき場合:
- 腰や下腹部の違和感が数日以上続く
- おしっこの色が赤い、またはにごっている
- 健康診断で血尿や尿の異常を指摘された
- 痛風と言われており、腎臓結石が心配になった
診断
医師が問診(話を聞く)、身体診察、尿検査、血液検査、画像検査などを組み合わせて診断します。石がすでに出てしまっている場合は、その石を調べて尿酸結石かどうかを確認することもあります。
行われる可能性のある検査
- 尿検査:血尿の有無や、尿酸の量、尿の酸性度(pH)を調べます。
- 血液検査:尿酸値、腎機能、電解質などを調べます。
- CT検査:石の場所、大きさ、数、尿の詰まりの有無を調べる最も詳しい画像検査です。
- 超音波(エコー)検査:おなかや背中から超音波を当てて、腎臓の状態や水のたまりを調べます。
- 排せつした石の分析:出た石がある場合は、成分を調べて尿酸結石かどうか確認します。
診察で予想されること
診察室では、痛みの場所やきっかけ、飲んでいる薬、食事や水分の量、病気の歴などを聞かれます。痛みが強い場合は、まず痛みを和らげる処置が行われてから検査をすることもあります。検査結果によって、結石の大きさや場所に合わせた治療方針が決まります。
治療
治療の基本は、水分をしっかりとって尿を増やし、石を出しやすくすることです。あわせて、痛みを和らげる治療や、尿をアルカリ性に保つ薬、石の通り道を広げる薬などが使われることがあります。石が大きくて自然に出ない場合や、痛み・感染が強い場合は、砕石術などの処置が検討されます。
自宅でのセルフケア
- 水分を1日2~2.5リットルを目安に、こまめに飲む(心臓や腎臓に病気がある場合は医師の指示に従う)
- 激しい痛みがあるときは無理に動かず、安静にする
- 痛みのときは、お風呂で温まると気持ちが楽になることがありますが、熱がある場合は無理をしない
- 塩分の多い食事や、尿酸を上げやすい食べ物(プリン体の多い食品)を控えめにする
医療治療
尿酸結石の治療では、尿を酸性からアルカリ性に近づける薬や、尿酸の生成をおさえる薬などが使われることがあります。また、尿管の通りをよくする薬や、吐き気を抑える薬が処方される場合もあります。薬は症状や結石の状態に合わせて医師が選びますので、必ず処方どおりに使用しましょう。
手術が検討される場合
石が大きく、自然に排出できない場合や、強い痛み・感染・腎機能の低下がある場合は、体外から衝撃波で石を砕く治療(体外衝撃波結石破砕術)や、内視鏡を使って石を砕いて取り出す手術が検討されます。治療法は石の場所や大きさによって医師が提案します。
この病気と共に生きる
尿酸結石は再発しやすい病気です。治療が終わったあとも、水分補給と食生活の見直しを続けることが、再発を防ぐいちばんのポイントになります。症状がなくても、定期的に泌尿器科でチェックを受けると安心です。
生活習慣のアドバイス
- ジュースやお茶だけでなく、水や麦茶などで1日2~2.5リットルを目安に水分をとる
- 尿酸を増やしすぎない食事を心がける(レバー、魚卵、干し魚、いわし、ビールなどは控えめに)
- 野菜や果物をしっかり食べる(尿をアルカリ性に保ちやすくします)
- 適度な運動を週に数日行う(汗をかくときは水分補給を忘れずに)
- アルコール、特にビールは尿酸を上げやすいため、飲む量に注意する
食事と運動
食事は、尿酸のもとになるプリン体を多く含む食品をとりすぎないことが大切です。和食の出汁(だし)に使う煮干しや干ししいたけ、魚卵、レバーなどはプリン体が多いため、量に気をつけましょう。その一方で、牛乳や卵、緑黄色野菜などは尿酸を上げにくいとされています。運動は、肥満対策として有効ですが、激しく汗をかく運動は脱水を招き結石を悪化させることもあるため、十分な水分補給をしながら行いましょう。
精神的健康と心の健康
結石による痛みはとても強いため、繰り返す発作に不安や疲れを感じる方も少なくありません。つらい気持ちは無理に我慢せず、家族や友人、医療者に話してみましょう。不安なことがあれば、診察のときに気軽に相談してください。
予防
尿酸結石は、水をたくさん飲み、尿酸を上げすぎない食事を心がけることで、再発を大きく予防できる可能性があります。特に、尿を薄く保つことが重要で、1日の尿量を2リットル以上にすることが目標とされています。
検診プログラム
痛風や高尿酸血症、肥満などのリスクがある方は、健康診断の尿検査や血液検査の結果をこまめに確認し、尿酸値の高さや血尿を指摘されたら早めに泌尿器科を受診しましょう。特に結石の既往がある方は、無症状でも定期的な画像検査で経過を観察することがあります。
合併症
治療しない場合
- 結石が尿管をふさぎ、尿が腎臓にたまる水腎症(すいじんしょう)を起こす
- 腎臓の機能が低下する(長期間放置した場合)
- 尿路感染症を合併し、発熱や腎盂腎炎(じんうじんえん)という重い感染症になる
- 激しい痛みや吐き気が繰り返し起こり、日常生活に支障が出る
長期的な見通し
尿酸結石は、適切な治療と生活習慣の改善によって、多くの場合うまくコントロールできます。結石は再発しやすいですが、泌尿器科での定期的なチェックと、毎日の水分・食事を意識することで、リスクを大きく減らせます。焦らず、医師と一緒に長期の管理をしていきましょう。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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