腎性高血圧(腎臓が原因の高血圧)
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
腎性高血圧(じんせいこうけつあつ)とは、腎臓の病気や腎臓に血液を送る血管の異常が原因で起こる高血圧です。腎臓は血圧を調整するはたらきを持っているため、腎臓にトラブルがあると体の血圧が上がってしまいます。
重要な事実
- 腎臓と血圧は深い関係にあります。腎臓の病気と高血圧は、どちらか一方があると、もう一方を悪化させることがあります。
- 初期には症状がほとんどないため、健康診断や他の病気の検査で見つかることが多いです。
- 早めに治療を始めることで、腎臓の働きを守り、心臓や血管への負担を減らせます。
高血圧全体のうち、腎臓が原因で起こる「二次性高血圧」の一つです。薬で治りにくい高血圧や、若い方の高血圧では、腎臓の病気が隠れていることもあります。
慢性腎臓病(CKD)や糖尿病、動脈硬化のある方、腎動脈が細くなる「腎動脈狭窄症」のある方に多く見られます。また、高齢になるほど腎臓の働きは低下しやすく、注意が必要です。
症状
- 突然の激しい頭痛
- 胸の痛みや圧迫感
- 息苦しさ
- 言葉が話しにくい
- 片方の手足の力が入らない
- 視界がかすむ、一部分が見えない
- 意識がもうろうとする
- けいれん
- ⚠足や顔が急にひどくむくむ
- ⚠尿の量が極端に減る
- ⚠血尿が出る
- ⚠家庭で測った血圧が非常に高い
一般的な症状
- 自覚症状がないことがほとんどです。
- 頭が重い、頭痛
- 疲れやすい
- 足やまぶたのむくみ
原因
主な原因
- 慢性腎臓病(CKD)など、腎臓の働きが低下する病気
- 腎臓に血液を送る血管が細くなる「腎動脈狭窄症」
- 糖尿病や動脈硬化が原因で腎臓が傷つくこと
- 腎臓から出る血圧を上げるホルモン(レニン)などが過剰にはたらくこと
リスク要因
- 慢性腎臓病(CKD)
- 高血圧の家族歴
- 塩分の多い食事
- 動脈硬化
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 血圧が高いだけでなく、めまいやふらつき、頭痛など気になる症状がある場合は、早めに医療機関を受診してください。
- 急に血圧が上がった日や、体調がすぐれない日は、かかりつけ医に相談しましょう。
定期受診を予約すべき場合:
- 健康診断で血圧が高いと言われた
- 自宅で測る血圧が何度も高い
- 腎臓病と診断されているが、血圧の管理について相談したい
- 血圧の薬について不安や疑問がある
診断
腎性高血圧の診断では、血圧の測定に加えて、腎臓の働きや血管の状態を調べるための検査を行います。問診(症状や持病、家族歴などの質問)もとても大切です。
行われる可能性のある検査
- 血圧測定
- 血液検査(腎機能や電解質などを調べます)
- 尿検査(たんぱく尿や血尿を調べます)
- 腹部エコー(超音波)検査(腎臓の大きさや形を確認します)
- 必要に応じて行う腎動脈の画像検査(CTやMRIなど)
診察で予想されること
診察では、いつから血圧が高いのか、どんな症状があるのか、飲んでいる薬や生活習慣についても聞かれます。検査結果を待ってから診断されることもあります。医師から結果の説明を受け、治療方針を相談しましょう。
治療
治療の基本は、血圧をしっかりと下げて、腎臓の負担を減らすことです。腎臓自体の病気があれば、その治療も併せて行います。生活習慣の見直しと薬物療法を組み合わせるのが一般的です。
自宅でのセルフケア
- 毎日決まった時間に血圧を測り、記録する
- 塩分を控え、薄味を心がける
- 野菜や果物を適量とり、栄養バランスを整える
- 医師と相談しながら、無理のない範囲で運動をする
- 禁煙を徹底する
- 十分な睡眠と休息をとる
- ストレスをため込まない
医療治療
医師が必要と判断した場合、血圧を下げる薬が処方されます。腎臓を守るはたらきが期待できる薬が選ばれることもあります。薬の種類や量は、腎機能や年齢、ほかの病気に合わせて慎重に調整されます。処方された薬は指示どおりに飲み、自己判断でやめたり量を変えたりしないでください。
手術が検討される場合
腎動脈が強く細くなっている場合には、血管を広げる「カテーテル治療」や手術が検討されることがあります。ただし、これはすべての方に当てはまるわけではなく、専門医が詳しい検査を行ったうえで判断します。
この病気と共に生きる
腎性高血圧は、長く付き合うことが多い病気です。毎日無理なく続けられることが大切です。血圧手帳やアプリを活用して記録を続け、通院を欠かさず、医師とコミュニケーションを取りながら治療していきましょう。
生活習慣のアドバイス
- 毎日同じ時間に血圧を測る
- 規則正しい生活を送る
- 睡眠をしっかりとる
- ストレスを上手に発散する
- お薬を忘れずに飲む
食事と運動
食事は、塩分を控えめにし、タンパク質やカリウムのとり方については、腎臓の状態によって医師や管理栄養士のアドバイスを受けることが大切です。運動は、ウォーキングなど軽い有酸素運動を医師に相談しながら続けるとよいでしょう。
精神的健康と心の健康
高血圧と診断されると、気が重くなることもあるかもしれません。しかし、しっかり治療すれば多くの場合、コントロール可能です。不安や気分の落ち込みが続く場合は、我慢せずに医師や看護師、薬剤師に相談しましょう。
予防
腎性高血圧を完全に防ぐことは難しい場合もありますが、血圧を正常に保ち、腎臓に負担をかけない生活を続けることで、腎臓の病気の進行や高血圧の発症を抑えられる可能性があります。厚生労働省は、野菜や果物の摂取、減塩、禁煙など生活習慣の改善を推奨しており、これらは腎臓と血圧の健康にも役立ちます。
検診プログラム
健康診断で血圧、尿検査、血液検査を受けることは、早期発見に役立ちます。特に慢性腎臓病(CKD)のリスクがある方は、定期的に腎機能のチェックを受けましょう。
合併症
治療しない場合
- 腎臓の働きがさらに低下し、腎不全になる可能性があります
- 心筋梗塞(心臓の血管がつまること)や脳卒中のリスクが高まります
- 心臓に負担がかかり、心不全を起こしやすくなります
- 目の中の血管が傷つき、視力が低下することがあります
長期的な見通し
腎性高血圧は、治療を続け、血圧をしっかりコントロールすることで、腎臓の働きを長く保てることが期待できます。医療の進歩により、以前よりずっと良い状態を維持できる方が増えています。医師とよく相談しながら、前向きに治療を続けていきましょう。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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