つわり(妊娠中の吐き気・おう吐)
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
つわりとは、妊娠の初期(多くは妊娠5〜6週ごろから)に起こる、吐き気やおう吐などの症状のことです。妊娠中のホルモン変化や体の状態が影響していると考えられています。多くの場合、妊娠12〜16週ごろには自然に治まってきます。
重要な事実
- つわりは妊娠中の正常な反応とされていますが、生活やからだに大きな影響をおよぼすことがあります。
- 症状は人によってかなり異なり、軽い吐き気だけで済む人もいれば、何度もおう吐する人もいます。
- 水分がとれない・体重が減るほどひどい場合には、医療機関の受診が必要です。
はい、とてもよくある症状です。妊娠した女性の約70〜80%が、吐き気やおう吐をある程度経験すると言われています。
妊婦さんに起こる症状です。初めての妊娠、多胎妊娠(双子など)、以前に乗り物酔いや頭痛を起こしやすい人、家族につわりの人がいる場合などは、症状が出やすいとも言われています。
症状
- おう吐が止まらず、水も飲めない
- 尿がほとんど出ない、または少量の濃い尿しか出ない
- 立ちくらみやふらつきがあり、立っていられない
- 意識がもうろうとする
- 激しい腹痛がある
- 吐いたものに血液が混じっている
- ⚠1日以上、水分をとっても吐いてしまい、体が非常にだるい
- ⚠体重が妊娠前と比べて5%以上減った
- ⚠何週間もつわりが続き、日常生活が送れない
- ⚠吐き気やおう吐にともなって、発熱や強い腹痛がある
一般的な症状
- 吐き気がする
- 実際に吐いてしまう
- においに敏感になり、食べ物のにおいなどで気分が悪くなる
- 特定の食品や飲み物を見るだけで吐き気を感じる
- よだれが増える
- 全身の倦怠感(だるさ)や疲れやすさ
子供の症状
- この症状は妊婦さんにのみ起こるため、子どもには当てはまりません。
高齢者の症状
- この症状は妊婦さんにのみ起こるため、高齢者には当てはまりません。
原因
主な原因
- 妊娠によって分泌されるホルモン(hCGやエストロゲンなど)の増加
- 胃腸の動きがゆっくりになる
- においに対する嗅覚(きゅうかく)が敏感になる
- 精神的・身体的なストレス
- からだのビタミン不足や脱水が重なると、症状が強くなることがある
リスク要因
- 初めての妊娠
- 双子や三つ子など多胎妊娠
- もともと乗り物酔いしやすい体質
- 片頭痛(へんずつう)持ち
- 母親や姉妹につわりが重かった人がいる
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 水も飲めず、おう吐が続いてぐったりしている
- 尿の回数や量が明らかに減っている
- 立っていられないほどのめまいやふらつきがある
- 激しい腹痛がある
定期受診を予約すべき場合:
- つわりが長引いて食事や水分を十分にとれない
- 日常生活に支障が出てつらい
- 体重が減ってきた
- 妊娠中の経過や赤ちゃんのことを心配している
診断
つわりは、お話を聞くこと(問診)と、必要に応じて身体のチェックや尿検査・血液検査を行って診断されます。妊娠の経過を確認するために、超音波検査(エコー)を行うこともあります。
行われる可能性のある検査
- 尿検査(ケトン体や脱水の有無を確認)
- 血液検査(電解質・肝機能などの異常がないかを確認)
- 超音波検査(赤ちゃんの発育や多胎妊娠の有無を確認)
診察で予想されること
診察では、症状の始まりや程度、水分・食事がどのくらいとれているか、体重の変化などを詳しく尋ねられます。重症と判断された場合は、入院して点滴などの治療が行われることもありますが、多くの妊婦さんは自宅での管理で改善します。
治療
治療の基本は、からだに水分と栄養を補い、吐き気を楽にすることです。軽〜中等度であれば、生活の工夫で症状が和らぎます。重症の場合には、医療機関での点滴や、医師が安全と判断した薬による治療が行われます。
自宅でのセルフケア
- 一度にたくさん食べるのではなく、少しずつ何度も食べる
- 脂肪分が少なく消化のよいものを選ぶ
- 冷たいものやすっぱいもの(レモン水など)が飲みやすい場合がある
- 調理のにおいを避けるため、換気をしたり冷たい食事にする
- 十分に休息し、無理をしない
- 食後すぐに横になるのは避ける
- つわりのときにお茶などのカフェインをとりすぎない
医療治療
症状が強く日常生活に支障がある場合には、医師が妊娠中にも安全に使える薬やサプリメントを検討します。また、脱水や栄養不足を改善するため、点滴やビタミン剤の投与が行われることもあります。自己判断での薬の使用は避け、必ず医師や薬剤師に相談してください。
手術が検討される場合
つわりに対する手術はありません。
この病気と共に生きる
つわりは「経過をながく見守る」ことも大切です。つらい時期は短期間で終わることが多いですが、生活の工夫や周囲の理解があれば、かなり楽になります。
生活習慣のアドバイス
- 食べられる時間帯を見つけ、その時間に少しずつ食べる
- 寝る前に軽食をとると朝の吐き気が和らぐことがある
- においに敏感な場合、マスクや換気を工夫する
- パートナーや家族に「つわりが大変な時期」と伝えて手伝ってもらう
- 仕事や家事は、できる範囲で参加する
食事と運動
食事は、食べたいものを食べたいときに少量ずつ食べるのが基本です。無理に栄養を完璧にとろうとしなくても大丈夫です。運動は、無理のない範囲で軽い散歩などからだを動かすことが気分転換になりますが、体調が悪いときは休んでください。
精神的健康と心の健康
つわりが長引くと、「いつまで続くのだろう」「赤ちゃんに影響があるのではないか」と不安になったり、周囲に気を使うことでストレスを感じることがあります。つらさを一人で抱え込まないことが大切です。
予防
つわりを完全に予防する方法はありません。しかし、妊娠前からバランスのよい食事や規則正しい生活を心がけ、妊娠初期に無理をしないことで、症状を軽くすることができる可能性があります。
合併症
治療しない場合
- 脱水症状(口の渇き・尿量減少・めまいなど)
- 電解質異常(血液中のカリウムやナトリウムなどのバランスが崩れる)
- 体重減少や栄養不足
- 重症化すると「妊娠悪阻(にんしんおそ)」という状態になることがある
長期的な見通し
つわりは多くの場合、妊娠12〜16週ごろには自然に落ち着きます。つらい時期を乗り越えれば、赤ちゃんの成長に大きな影響を与えることはほとんどありません。適切なケアと治療を受けることで、ほとんどの症状は改善します。
サポートを探す
外部リンクは第三者のウェブサイトを開きます。Ruqelo は外部コンテンツについて責任を負いません。団体名の掲載は推奨を意味するものではありません。
必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
関連する疾患
情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
免許を持つ医療者のアドバイスを補うために使い、代わりにはしないでください。
症状が重篤、悪化、または緊急の場合は、地域の救急番号に電話するか、緊急医療を受けてください。