リウマチ熱
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
リウマチ熱とは、のどなどの細菌感染(溶連菌感染症)の後に起こることがある炎症性の病気です。体の免疫反応が誤って自分の組織を攻撃し、関節、心臓、皮膚、脳などに炎症を起こします。
重要な事実
- 主に5歳から15歳の子どもに起こります
- のどの感染を適切な治療で治せばほぼ予防できます
- 心臓に後遺症(リウマチ性心疾患)が残ることがあるため、定期的な診察が大切です
日本では非常にまれな病気です。抗菌薬が普及した先進国ではほとんど見られなくなりましたが、発展途上国では今も多くの患者さんがいます。
主に5歳から15歳の子どもです。特に、のどの溶連菌感染症を治療せずに放置した場合に起こりやすくなります。大人ではまれです。
症状
- 呼吸が苦しい、息ができない
- 激しい胸の痛み
- 意識がもうろうとする
- けいれん発作
- ⚠関節の強い痛みと赤く腫れがある
- ⚠高熱が続く
- ⚠心拍が速い、脈が飛ぶ感覚がある
- ⚠皮膚に赤い発疹が広がってくる
一般的な症状
- 関節の痛みや腫れ(特にひざや足首など大きな関節)
- 胸の痛みや動悸
- 皮膚の下にできる硬いしこり(皮下結節)
- 体幹や手足に現れる赤い輪のような発疹(輪状紅斑)
- 自分の意思とは無関係に体が動く不随意運動(小舞踏病)
子供の症状
- 子どもの場合も症状は同じですが、小さな子どもでは関節痛を言葉でうまく伝えられず、不機嫌や疲れやすさとして現れることがあります。
高齢者の症状
- 大人ではほとんど起こりませんが、海外ではまれに関節痛が主症状として現れます。日本では他の病気の可能性も検討します。
原因
主な原因
- A群溶血性レンサ球菌(溶連菌)という細菌によってのどに感染症(溶連菌咽頭炎)を起こした後、治療が不十分だと、免疫反応が自分の体を攻撃してしまうことが原因です。感染から約2〜3週間後に発症します。
リスク要因
- 5〜15歳の子ども
- のどの痛み・発熱があるのに受診せず放置する
- 集団生活(学校・保育園など)で溶連菌に感染している人と接触する
- 過去にリウマチ熱にかかったことがある
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- のどの痛みに加えて、発熱、発疹、関節痛がある場合
- リウマチ熱の既往がある人が再び同じような症状が出た場合
定期受診を予約すべき場合:
- のどの痛みや発熱が続く場合
- 関節の痛みや腫れが気になる場合
診断
医師が症状と身体の診察を行い、のどから溶連菌の検査(迅速抗原検査や培養)、血液検査、心電図、心エコーなどを行って総合的に診断します。また、最近のど感染症になったかを問診します。
行われる可能性のある検査
- のどをこすって行う細菌検査(迅速抗原検査・培養)
- 血液検査(炎症反応、ASO・ASK抗体値など)
- 心エコー(心臓の超音波検査)
診察で予想されること
診断には「リウマチ熱の診断基準」を用います。症状と検査結果を組み合わせて慎重に判断します。診断が難しい場合は心臓の専門医や小児科専門医に相談しながら進めます。
治療
治療の目的は、炎症を抑え、心臓の合併症を予防することです。急性期は安静を保ち、医師の処方した薬による治療を行います。
自宅でのセルフケア
- 安静と十分な睡眠をとる
- 水分をこまめに補給する
- のどの痛みがあるときはうがいをし、刺激物を避ける
- 医師が許可するまで激しい運動をしない
医療治療
溶連菌を体から除くための抗菌薬、炎症を抑える抗炎症薬、関節の痛みを和らげる薬などが処方されます。心臓の炎症が強い場合は、医師がステロイド薬などの使用を検討することもあります。
手術が検討される場合
心臓の弁に重度の後遺症が残った場合、数年後に弁膜症の手術(弁形成術・弁置換術)が必要になることがあります。急性期で緊急に手術が必要になることはまれです。
この病気と共に生きる
診断後は、炎症が落ち着くまで数週間から数ヶ月、心臓に負担をかけないように静かに過ごします。学校や仕事への復帰は医師と相談しながら進めます。
生活習慣のアドバイス
- 決まった時間に十分な睡眠をとる
- ストレスをためない
- 禁煙し、家族も禁煙に協力する
- 処方された薬は指示に従って服用する
食事と運動
栄養バランスのよい食事をとり、塩分は摂りすぎないようにします。急性期は医師が許可するまで激しい運動を避け、回復後は無理のないウォーキングから始めましょう。
精神的健康と心の健康
長期間の安静や再発の不安は、気分の落ち込みや不安につながることがあります。自分の気持ちを家族や医療者に話し、必要であればカウンセリングを利用してみましょう。
予防
はい、予防できます。のどに溶連菌感染症を起こした場合、早めに医療機関を受診して適切な治療を受けることで、リウマチ熱をほぼ予防できます。のどの痛みと発熱があるときは放置せず受診しましょう。
ワクチン
現在、リウマチ熱を直接予防するワクチンはありませんが、手洗い・うがいなどの感染対策が有効です。
検診プログラム
日本では特別な集団検診はありませんが、小児の心臓検診で心雑音を指摘されることがあります。気になる場合は専門医に相談してください。
合併症
治療しない場合
- リウマチ性心疾患(心臓の弁が傷つき、弁膜症などの後遺症が残る)
- 慢性の関節のこわばり
- 不随意運動の後遺症
長期的な見通し
適切な治療を行えば、多くの子どもは後遺症なく回復します。たとえ心臓に後遺症が残っても、継続して医療機関を受診し、心臓をいたわる生活を続ければ、学校生活や仕事を安心して送ることができます。再発を防ぐことが最も重要です。
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重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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