再生不良性貧血(さいせいふりょうせいひんけつ)とは
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
再生不良性貧血は、骨の中心にある骨髄(こつずい)で血液のもとになる細胞がうまく作られなくなる病気です。骨髄で作られる赤血球・白血球・血小板のすべてが減少するため、貧血になったり、感染しやすくなったり、出血しやすくなったりします。
重要な事実
- 骨髄で血液が十分に作られなくなる病気です
- 赤血球、白血球、血小板のすべてが減ります
- 治療法があり、状態に応じて支持療法や根治治療が選ばれます
- まれな病気ですが、適切な管理で生活の質を保つことができます
再生不良性貧血はとてもまれな病気で、年間に10万人あたり2〜3人程度が発症すると言われています。
子どもから高齢者までどの年代でも発症する可能性がありますが、特に10代から20代と、60歳以上の方に多く見られます。
症状
- 大量の鼻血や止まらない出血がある
- 血を吐く、コーヒーのような黒いものを吐く
- 黒い便や血の混じった便が出る
- 突然の激しい頭痛や意識がもうろうとする
- 40度近い高熱や重症の感染症の症状がある
- ⚠急にあざが増えた、点状出血が広がった
- ⚠発熱が続いている、または悪寒がある
- ⚠強い疲労感で日常生活が送れない
- ⚠のどや口の中の痛み、口内炎が治らない
一般的な症状
- だるさや疲れが続く
- 顔色が青白い(顔色が悪い)
- 息切れや動悸がする
- あざができやすい
- 鼻血や歯ぐきの出血が止まりにくい
- 発熱や感染症にかかりやすい
- 皮膚に小さな赤い点(点状出血)が現れる
子供の症状
- 元気がない、遊びたがらない
- 顔色が悪く、貧血のような症状が出る
- 転んでできたあざができやすい、大きなあざになる
- 風邪や感染症を繰り返す
高齢者の症状
- 動くとすぐ疲れる、階段がつらい
- めまいやふらつきがある
- 軽い衝撃でもあざや血腫ができる
- 感染症が治りにくい、重症化しやすい
原因
主な原因
- 免疫の異常(自分の免疫が骨髄の造血細胞を攻撃してしまう)
- 抗がん剤や放射線治療の影響
- ベンゼンなどの化学物質への曝露
- 特定の薬の影響
- ウイルス感染(肝炎ウイルスなど)
- 妊娠に伴って発症することがある
- 原因が特定できないこともある(特発性)
- まれに遺伝的な要因による場合がある
リスク要因
- 特定の化学物質を扱う職業
- 過去に放射線治療や化学療法を受けた
- 自己免疫疾患の既往
- 家族歴がある場合(まれ)
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 原因不明の出血が続く
- 高熱や感染症の繰り返しがある
- 顔色が極端に悪く、立ちくらみがひどい
定期受診を予約すべき場合:
- 慢性的な疲労や息切れがある
- あざや点状出血をよく見つける
- 健康診断で血液検査の異常を指摘された
診断
医師は問診と身体診察を行った後、血液検査と骨髄検査(骨髄穿刺・生検)を行って診断します。血液細胞の数が減っていることと、骨髄の状態を直接確認します。
行われる可能性のある検査
- 血液検査(赤血球、白血球、血小板の数、網赤血球など)
- 骨髄穿刺(胸骨や骨盤から骨髄液を採取して調べる)
- 骨髄生検(骨髄組織の一部を採取して顕微鏡で調べる)
- 染色体検査(遺伝子や染色体の異常がないか確認)
- 血液中のウイルス抗体検査など
診察で予想されること
診断までの過程では、血液検査や骨髄検査など複数の検査を受けます。骨髄検査は局所麻酔をして行うため、強い痛みはほとんどありません。結果が出るまでに数日から1〜2週間かかることがあります。診断が確定したら、重症度に応じた治療計画が立てられます。
治療
再生不良性貧血の治療は、重症度や年齢、全身状態によって異なります。主に、輸血や感染対策などの支持療法、免疫を調整する薬による治療、骨髄移植(造血幹細胞移植)があります。
自宅でのセルフケア
- 感染症を予防するために、手洗いやうがいを徹底する
- 人混みや感染症が流行している場所を避ける
- ケガを防ぎ、出血に注意する
- 日々の体重や体温を記録し、変化を医療者に伝える
- 処方されたお薬は指示どおりに服用する
医療治療
治療には、不足している血液成分を補う輸血、感染症に対する抗生物質、免疫の異常を抑える免疫抑制療法、造血幹細胞移植などがあります。免疫抑制療法や移植は専門の血液内科医が中心となって行われます。治療薬の選択や移植の適応については、医師が患者さんごとの状況を詳しく評価して判断します。
手術が検討される場合
手術ではなく、造血幹細胞移植が根治を目指す治療法として行われることがあります。移植は入院して行う高度な治療で、ドナー(提供者)の有無や患者さんの年齢・状態によって適応が決まります。
この病気と共に生きる
日常生活では、感染や出血を防ぐことが中心になります。外出時はマスクを着用し、手洗いを徹底しましょう。体調に合わせて無理をせず、十分な休息をとることが大切です。
生活習慣のアドバイス
- 規則正しい生活と十分な睡眠を心がける
- バランスの良い食事を意識する
- アルコールは控える、または医師に相談する
- 禁煙する
- 予防接種は医師と相談して受ける(生ワクチンには注意が必要)
食事と運動
食事は感染や出血を避けるため、加熱したものを中心に、生ものを避けることが推奨されます。運動は、医師の許可を得て、散歩などの軽い運動から始めましょう。激しい運動やコンタクトスポーツは出血のリスクがあるため避けてください。
精神的健康と心の健康
慢性的な病気と向き合うことは精神的に負担がかかります。不安や抑うつ感を感じることは自然なことです。ひとりで抱え込まず、担当医や看護師、心理専門職に相談しましょう。
予防
再生不良性貧血の多くは免疫の異常によるもので、明確な予防法はありません。ただし、原因となる化学物質や放射線への曝露を避けることは、一部のリスクを減らす可能性があります。
ワクチン
感染症を防ぐために、インフルエンザや肺炎球菌などのワクチン接種について医師と相談しましょう。ただし、生ワクチン(麻疹・風疹など)は免疫力が低下しているときには接種できない場合があります。
検診プログラム
一般的に健康診断の血液検査で血球数の減少が指摘されることがきっかけになります。定期的な健康診断を受け、異常を指摘されたら早めに医療機関を受診しましょう。
合併症
治療しない場合
- 重症の貧血による心不全や失神
- 白血球減少による重症感染症(敗血症など)
- 血小板減少による脳出血や内臓出血
- 鉄過剰状態(輸血を繰り返す場合)
- 病気の経過中に骨髄異形成症候群や白血病に移行することがある
長期的な見通し
再生不良性貧血は重症になると命に関わることもありますが、治療法は進歩しています。若い方では造血幹細胞移植による根治も可能で、免疫抑制療法も多くの方で効果が期待できます。回復には時間がかかることがありますが、適切な治療とサポートがあれば、生活の質を保ちながら病気と向き合うことができます。希望を持って治療に取り組んでください。
サポートを探す
国際機関
- Aplastic Anemia & MDS International Foundation (AA&MDSIF)
地域の団体
- 難病情報センター(厚生労働省指定難病) · 日本
- 再生不良性貧血の患者会・支援団体(各地) · 日本
相談窓口
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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