脳動脈瘤(のうどうみゃくりゅう)について知っておきたいこと
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
脳動脈瘤とは、脳の中の血管の一部が、風船のように膨らんでしまう状態のことです。この膨らみは、たいていゆっくりとでき、破裂するまではほとんど症状が出ません。もし血管が破裂すると、脳の中に出血が起こり、命に関わることがあります。
重要な事実
- 多くの脳動脈瘤は破裂せず、一生気づかれないこともあります。
- 最も大切なのは、高血圧や喫煙など、破裂のリスクを上げる要因を減らすことです。
- 診断には、MRIやCTなどの画像検査が使われます。
脳動脈瘤は決して珍しいものではありません。いくつかの研究では、成人の約3%にみられるとされていますが、その多くは症状を出さずに経過します。
どの年齢の人にも起こりえますが、特に30〜60歳の成人に多く、女性の方がやや多いとされています。家族に脳動脈瘤やくも膜下出血の人がいると、見つかる可能性が高くなります。
症状
- 突然の雷に打たれたような激しい頭痛(経験したことのない最悪の頭痛)
- 吐き気や嘔吐を伴う意識障害(呼びかけに反応しない)
- けいれん発作
- 首が硬くなり、あごが胸につかない
- 突然の片まひや言葉の障害
- ⚠数日以上続く、だんだん強くなる頭痛
- ⚠視野の異常や物が二重に見える
- ⚠顔の片側や体の一部のしびれ
- ⚠原因不明のめまいやふらつき
一般的な症状
- 症状が出ない(破裂するまでは無症状のことがほとんどです)
- 大きな瘤が神経を圧迫する場合:物が二重に見える、顔のしびれ、言葉がもつれる
- 片側の頭痛や目の奥の痛み
原因
主な原因
- 血管の壁が弱くなることが原因とされますが、正確な理由は多くはわかっていません。
- 先天的に血管の壁が弱い人もいます。
- 高血圧や動脈硬化が、血管壁に負担をかけて瘤ができやすくすることがあります。
リスク要因
- 血圧が高い
- 家族(親や兄弟姉妹)に脳動脈瘤の人がいる
- 多発性囊胞腎など特定の遺伝性疾患
- 頭部のけが
- コカインなどの薬物使用(ただし日本ではまれです)
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 上記の緊急症状(特に突然の最大級の頭痛)は迷わず119番してください。
- 頭痛と一緒に、意識がぼんやりする、片まひがある、言葉が出ないといった症状があるときもすぐに救急車を呼んでください。
定期受診を予約すべき場合:
- 家族に脳動脈瘤やくも膜下出血の人がいる場合は、一度脳神経外科を受診して相談すると安心です。
- 高血圧や喫煙などリスク因子があり、頭痛やしびれが続く場合も医師に相談しましょう。
診断
脳動脈瘤は、突然の頭痛で救急搬送された際に行うCT検査や、脳ドックでのMRI検査で見つかることが多いです。
行われる可能性のある検査
- 脳ドック(MRI/MRA)
- 頭部CT検査
- CT血管造影
- デジタル減算血管造影(DSA)
診察で予想されること
画像検査で脳動脈瘤が見つかった場合、脳神経外科医がその大きさ・場所・形・患者さんの年齢や健康状態から、破裂のリスクを評価します。必要な場合は経過観察の間隔や治療方針について、わかりやすく説明してくれます。
治療
治療は常に必要というわけではありません。動脈瘤の大きさや場所、患者さんの年齢・全身状態、破裂のリスク(大きさ、形、増大傾向など)を総合して、経過観察か手術的治療が選ばれます。
自宅でのセルフケア
- 禁煙する
- 血圧を定期的に測り、高めなら医師に相談する
- 医師が処方した薬は指示どおりに飲む
- アルコールのとりすぎに注意する
- 頭部に強い衝撃を与えない
医療治療
経過観察の場合は、定期的に画像検査を行い、瘤の大きさの変化を確認します。必要に応じて医師が血圧を下げる薬やコレステロールの管理を検討します(薬の名前や量は医師が決めます)。手術治療には、心臓カテーテルのような細い管を使って瘤の中を詰める「コイル塞栓術」と、開頭して瘤の根元にクリップをかけて血流を遮断する「クリッピング術」があります。どちらも一長一短があるため、担当医と十分に話し合って決めます。
手術が検討される場合
動脈瘤が大きい、形が不規則、急速に大きくなっている、もしくは破裂して出血した場合には、手術や血管内治療が必要になる可能性があります。治療の緊急度は医師が判断します。
この病気と共に生きる
診断されたからといって、それまで通りの生活を大きく制限する必要はありません。ただし、血圧が高い人はしっかり管理し、激しいトレーニングや強くいきむ動作は医師に相談してください。
生活習慣のアドバイス
- 禁煙を続ける
- 睡眠を十分とる
- ストレスをためすぎない(好きなことを楽しむ時間をつくる)
- めまいや頭痛が続くときは無理をしない
食事と運動
塩分を控えめにし、野菜や果物をしっかりとる食事を心がけましょう。運動はウォーキングなど軽い有酸素運動が基本です。血圧を急に上げないことが大事なので、重いものを持ち上げるような負荷のかかる筋トレは避けてください。
精神的健康と心の健康
脳動脈瘤と聞くと不安になるのは自然なことです。特に「もし破裂したら…」という恐怖を抱えやすいですが、医療チームと相談しながら前向きに生活することができます。眠れない、気分が沈むといった場合は、医師や看護師、心理士に話してみましょう。
予防
脳動脈瘤自体ができるのを完全に予防する方法はありません。しかし、高血圧、喫煙、過度の飲酒など、破裂のリスクを高める要因を改善することで、破裂を防ぐことはできます。厚生労働省も、生活習慣の改善が脳血管疾患の予防に重要だとしています。
ワクチン
この病気を予防するためのワクチンは現在ありません。
検診プログラム
日本では一般の健康診断で脳動脈瘤の検査は必須ではありません。ただし、家族に脳動脈瘤やくも膜下出血がいる人など、リスクが高い人は脳ドック(MRI検査)を試めることができます。保険適用かどうかは医療機関で確認しましょう。
合併症
治療しない場合
- 破裂するとくも膜下出血を起こし、激しい頭痛と共に意識障害や命の危険があります。
- 破裂後の後遺症として、麻痺(片まひ)、言葉の障害、記憶障害、認知機能の低下が残ることがあります。
長期的な見通し
良い知らせとして、脳動脈瘤のすべてが破裂するわけではありません。小さく安定した瘤は経過観察だけで何年も変わらずにすむこともあります。治療が必要な場合も、現代の医療では高い確率で対応できます。あなたの状態は必ず専門医チームが一緒に考えてくれます。どうぞ一人で抱え込まず、医師に相談し続けてください。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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