冠動脈スパズム(冠攣縮)について
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
冠動脈スパズムは、心臓に血液を送る血管(冠動脈)が一時的にけいれんするように細くなり、心臓へ十分な血液が届かなくなる状態です。そのため、胸の痛みや圧迫感などの症状があらわれることがあります。
重要な事実
- 「冠攣縮(かんれんしゅく)」とも呼ばれ、安静時に症状が出やすいのが特徴です。
- 喫煙やストレス、過度の飲酒などがきっかけとなることがあります。
- 適切な治療を続ければ多くの場合、症状をうまくコントロールできます。
日本人を含むアジア人に比較的多いとされていますが、正確な患者数ははっきりわかっていません。
40歳から60歳代の男性に多いとされますが、女性や若い方、高齢者でも起こることがあります。
症状
- 胸の痛みが5分以上続く、または10分以上おきに繰り返す場合は、すぐに119番に電話してください。
- 胸の痛みに加えて、冷や汗、吐き気、強い息切れ、意識が遠くなる感じがある場合は、すぐに119番に電話してください。
- 痛みが治まらず、どんどんつらくなる場合も、ためらわずに119番に電話してください。
- ⚠胸の痛みが初めてあらわれた場合は、その日のうちに受診してください。
- ⚠胸の痛みの回数や強さが増えてきた場合は、早めに医師の診察を受けてください。
- ⚠痛みは落ち着いているけれど、心配な症状が続く場合は、当日中に医療機関へ連絡しましょう。
一般的な症状
- 胸の痛みや圧迫感(特に夜間や早朝、安静にしているとき)
- 痛みが数分間続き、自然に治まることがある
- あご・首・左肩・背中などへの痛み
- 息切れ、冷や汗、めまい
原因
主な原因
- 冠動脈そのものが一時的にけいれんして細くなること
- 血管の内側を覆う細胞の働きが乱れること(血管内皮機能障害)
- 自律神経のバランスが崩れること
リスク要因
- 過度の飲酒
- 強いストレスや睡眠不足
- 寒さによる刺激
- 高血圧、脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 突然の強い胸の痛みがあり、数分以上続く場合
- 胸の痛みが増えたり、長くなったりしている場合
定期受診を予約すべき場合:
- 胸の痛みや圧迫感を繰り返す場合
- 安静にしているのに胸の症状が出る場合
- 健康診断で心電図の異常を指摘された場合
診断
医師が問診で症状の特徴を詳しく聞き取り、心電図や血液検査などを行います。必要に応じて、発作を再現して診断する検査が行われることもあります。
行われる可能性のある検査
- 心電図(症状があるときや安静時に記録)
- ホルター心電図(24時間携帯して心臓のリズムを記録)
- 血液検査(心筋のダメージや動脈硬化のリスクを調べる)
- 冠動脈造影検査(血管の中の状態を直接調べる)
- 薬を使った負荷検査(医師の管理のもとで症状を再現する検査)
診察で予想されること
受診したら、いつから症状があるか、どんなときに痛むか、どのくらい続くかを伝えましょう。検査は日帰りでできるものもあれば、入院が必要なものもあります。結果は医師から説明があり、治療方針を一緒に決めていきます。
治療
治療の目標は、冠動脈のスパズムを起こりにくくして、心筋梗塞などの重い合併症を防ぐことです。生活習慣の改善とお薬による管理が治療の中心になります。
自宅でのセルフケア
- 禁煙する
- ストレスを上手に発散する
- 十分な睡眠と休息をとる
- 寒い日はマフラーや防寒着で体を温める
- 飲酒は控えめにする
医療治療
血管を広げるお薬や、スパズムを予防するお薬が処方されることがあります。お薬の種類や量は人によって違います。医師の指示に従って飲み続けることが大切です。自己判断で市販薬を使ったり、処方を中断したりしないでください。
手術が検討される場合
お薬で十分にコントロールできない場合など、ごくまれに、カテーテルを使って血管を広げる処置や手術が検討されることがあります。必要になった場合は、医師が詳しく説明してくれます。
この病気と共に生きる
日頃の症状を記録しておくと、発作のきっかけやパターンがつかみやすくなります。医師の指示どおりにお薬を服用し、定期的に受診しましょう。もし発作のような症状が出たら、無理をせずに休み、長引く場合はすぐに救急連絡をしてください。
生活習慣のアドバイス
- 禁煙を続ける
- バランスのよい食事をとる
- 医師に相談しながら適度な運動をする
- ストレスをためないリラックス方法を見つける
- 十分な睡眠時間を確保する
食事と運動
塩分や脂肪を控えめにし、野菜や果物、魚などをしっかりとりましょう。運動は医師の許可を得てから、ウォーキングなどの軽い有酸素運動から始めるのがおすすめです。激しすぎる運動はかえって発作のきっかけになることがあるため注意しましょう。
精神的健康と心の健康
胸の痛みが繰り返すと、不安や恐怖を感じることがあるかもしれません。つらい気持ちを一人で抱え込まず、医師や家族、友人に話してください。心の健康が気になる場合は、心の専門家に相談することも一つの方法です。
予防
完全に防ぐ方法はありませんが、喫煙や過度の飲酒、ストレス、寒さなどのきっかけを避けることで、発作を起こりにくくすることができます。動脈硬化の予防も大切です。
合併症
治療しない場合
- 心筋梗塞(心臓の血管が完全に詰まること)
- 重い不整脈(脈が乱れること)
- まれに、突然の心停止を起こすことがあります
長期的な見通し
多くの場合、お薬と生活習慣の改善で症状をうまくコントロールできます。適切な管理を続ければ、安心して日常生活を送ることができる病気です。医師と一緒に長く付き合っていくことを考えていきましょう。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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