深部静脈血栓症(DVT)
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
深部静脈血栓症(DVT)は、体の深いところにある静脈の中に血の塊(血栓)ができる病気です。多くは足(ふくらはぎや太もも)にできます。この血栓がはがれて肺の血管に詰まると、肺塞栓症という危険な状態になることがあります。
重要な事実
- DVTは足の深い静脈に血栓ができる病気です。
- 血栓が肺に飛ぶと、呼吸困難などの深刻な症状を起こすことがあります。
- 早く見つけて治療すれば、多くの場合は改善します。
決して珍しい病気ではありません。入院中や手術後、がん治療中、長時間の移動などで起こりやすくなります。
中高年や妊娠中の人、肥満の方、喫煙者、静脈瘤がある方などに多く見られます。また、病気やけがで長く動けない場合にも起こりやすくなります。
症状
- 急な息苦しさ
- 胸の痛み
- 血の混じったせき
- 意識がもうろうとする
- これらの症状がある場合は、すぐに119番に電話してください。
- ⚠足の片方だけが急に腫れてきた
- ⚠ふくらはぎに強い痛みや熱感がある
- ⚠このような場合は、同じ日に医療機関を受診してください。
一般的な症状
- 足(特に片足)の急な腫れ
- ふくらはぎや太ももの痛み・圧痛
- 皮膚が赤くなる、または熱っぽく感じる
- 足が重くだるい感じ
原因
主な原因
- 血流が滞ること(長く動かない、長時間同じ姿勢など)
- 血管の内側が傷つくこと(けがや手術、注射など)
- 血液が固まりやすくなること(がん、妊娠、薬の影響など)
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 足の腫れや痛みが突然現れた場合
- 足の症状が1日以内に急速に悪化した場合
- 息苦しさや胸の痛みを伴う場合は救急車を呼んでください。
定期受診を予約すべき場合:
- 足の張りやだるさが続く場合
- 血栓症を心配する家族歴がある場合
- 治療後の経過について相談したい場合
診断
診察と問診に加えて、超音波(エコー)検査で血栓の有無を確認します。必要に応じて血液検査も行います。
行われる可能性のある検査
- 超音波(エコー)検査
- 血液検査(Dダイマーなど)
- 血管造影検査(詳しい検査が必要な場合)
診察で予想されること
外来での検査が中心で、痛みを伴うことはほとんどありません。検査結果が出るまで時間がかかる場合もありますが、医師が説明をしてくれます。もし血栓が見つかれば、すぐに治療方針について話し合います。
治療
DVTの治療は、血栓が大きくならず、肺などに飛ばないようにすることが目的です。主に血液を固まりにくくする薬を使います。治療期間は数ヶ月から長くなることもあり、医師の指示に従って続けることが大切です。
自宅でのセルフケア
- 医師に勧められた場合、圧迫ストッキングを着用する
- 脚を心臓より高くして休む
- 医師の許可がある範囲で水分をとり、足を動かす
医療治療
治療薬として、血液を固まりにくくする薬(抗凝固薬)が使われます。最初は注射と飲み薬を併用することもありますが、具体的な薬の種類や量は医師が決めます。また、弾性ストッキングによる圧迫療法も行われます。妊娠中など特別な状況では、治療の効果と安全性を慎重に検討します。
手術が検討される場合
薬の治療が難しい場合や、大きな血栓がある場合には、カテーテルを使って血栓を取り除く処置や、外科手術が検討されることはありますが、多くの患者さんでは薬での治療で効果があります。
この病気と共に生きる
治療中は、飲み薬や注射を指示どおりに続け、定期的に血液検査や診察を受けることが大切です。足の症状の変化(腫れや痛み)を記録しておくと、医師に伝えやすくなります。
生活習慣のアドバイス
- 禁煙する
- 長時間同じ姿勢をとらない(移動中はこまめに足を動かす)
- 体重管理を意識する(必要に応じて)
食事と運動
特別な食事制限はありませんが、バランスの良い食事と適切な水分補給を心がけましょう。運動は医師と相談して行い、ウォーキングなどの軽い有酸素運動を無理のない範囲で続けることが勧められます。
精神的健康と心の健康
再発や肺塞栓症のリスクについて不安を感じることもあるかもしれません。その気持ちは自然なものです。気になることは医師や看護師、薬剤師に相談し、一人で抱え込まないようにしましょう。
予防
完全に予防することは難しい場合もありますが、リスクが高いときには予防策が有効です。手術後や入院中は、医師や看護師の指示に従って、なるべく早く体を動かすことが勧められます。旅行中はこまめに立ち上がって歩いたり、座ったまま足首を動かしたりしましょう。
ワクチン
該当するワクチンはありません。
検診プログラム
健康診断でDVTをさがす特別な検査は、通常は行われません。しかし、入院中や手術後などリスクが高い方には、医師が注意深く観察し、必要に応じて超音波検査などを行うことがあります。
合併症
治療しない場合
- 肺塞栓症(血栓が肺の血管に詰まる)
- 慢性の脚の腫れや痛み(血栓後症候群)
- 再発のリスク
長期的な見通し
DVTは、早く診断してきちんと治療すれば、多くの方は改善します。治療は数ヶ月続くことがありますが、医師の指示を守り、定期的に受診することが大切です。不安なことがあれば、いつでも医療者に相談してください。
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重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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