線維筋性異形成(FMD)についてのわかりやすい解説
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
線維筋性異形成(FMD)は、動脈の壁が正常ではなくなる病気です。そのために動脈が細くなったり、ふくらんだり、裂けたりすることがあります。主に腎臓や脳に血液を送る動脈に起こります。高血圧や頭痛、めまいなどの症状を引き起こすことがあります。
重要な事実
- FMDは動脈の壁の病気です。
- 30〜50歳の女性に多く見られますが、誰にでも起こる可能性があります。
- 原因はまだはっきり分かっていません。
- 適切な治療と定期検診によって、多くの人は安定した生活を送れます。
- 動脈硬化とは別の病気です。
FMDはまれな病気です。どのくらいの頻度で起こるのかは正確には分かっていませんが、高血圧の原因のうち約1〜2%を占めると考えられています。
30〜50歳の女性に最も多く見られますが、男性、子ども、高齢者にも起こることがあります。診断されていない人も多いといわれています。
症状
- 突然の強い頭痛
- 片側の手足が動かない、しびれる
- 顔のゆがみ
- ろれつが回らない、言葉が出ない
- 視野が欠ける、物が二重に見える
- 胸や背中、お腹に突然の激しい痛み
- 意識を失う・意識がもうろうとする
- ⚠血圧がかなり高いままでる
- ⚠頭痛が続く、またはどんどん強くなる
- ⚠めまいやふらつきが頻繁に起こる
- ⚠新しい症状が出てきた
一般的な症状
- 高血圧(特に若い人で見られる高血圧や、薬でなかなか下がらない高血圧)
- ズキズキと拍動するような頭痛
- 耳の中で自分の脈拍が聞こえる(拍動性耳鳴り)
- 背中やわき腹の痛み(腎臓への血流が関係している場合)
- 集中力の低下や疲れやすさ
子供の症状
- 子どもでは、原因がはっきりしない高血圧が見られることがあります。
- 頭痛、めまい、疲れやすさなどがサインになることもあります。
- 学校検診などで血圧が高いと指摘されて見つかる場合もあります。
高齢者の症状
- 高齢者では動脈硬化と似た症状が出ることがあります。
- 血圧が高い、めまい、ふらつきなどが続く場合に、検査で見つかることがあります。
- 老化によるものと思い込まず、気になる症状があれば相談することが大切です。
原因
主な原因
- 原因はまだはっきりと分かっていません。
- 動脈の壁が作られる過程で、何らかの乱れが起こるのではないかと考えられています。
- 遺伝的な要素やホルモンの影響が関係している可能性があります。
リスク要因
- 女性であること(特に30〜50歳)
- 家族にFMDや似た血管の病気の人がいること
- 喫煙が関係している可能性があること
- 高血圧があること
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 頭痛やめまい、視野の異常など、気になる症状が急に出た場合は、すぐに医療機関を受診してください。
- 家庭で測る血圧が高く、気分も悪い場合は、その日のうちに医師の診察を受けましょう。
定期受診を予約すべき場合:
- 若い人や妊婦さんで高血圧が見られた場合は、早めに医師に相談してください。
- 原因が分からない頭痛や耳鳴りが続く場合は、かかりつけ医に相談しましょう。
- FMDと診断された人は、定期的な受診と検査を続けましょう。
診断
まず医師が問診と診察を行い、血圧を測ります。その後、血管の状態を詳しく調べるための画像検査を行います。ほかの病気と区別するために、いくつかの検査を組み合わせることが一般的です。
行われる可能性のある検査
- 血圧測定(両腕や足でも測ることがあります)
- 血液検査、尿検査
- 腹部の超音波(エコー)検査
- CT検査(造影剤を使うCT血管造影など)
- MRI検査(MRAという血管のMRIも含みます)
- 必要に応じて、カテーテルを使った血管造影検査
診察で予想されること
検査の多くは外来で受けられます。造影剤を使う場合は、事前に説明があります。検査中に痛みを感じることはほとんどありません。結果が出るまでに数日かかることもありますが、医師が結果をきちんと説明してくれます。
治療
FMDの治療の目標は、血圧をコントロールして、血管のトラブルや脳・心臓・腎臓への負担を防ぐことです。症状や血管の状態に合わせて、薬による治療や、場合によっては手術が検討されます。
自宅でのセルフケア
- 家庭で血圧を定期的に測る
- 医師に処方された薬は指示どおりに飲む
- 喫煙をしている場合は禁煙に取り組む
- 塩分をとりすぎない
- ストレスをためすぎない
- 毎年の定期検査を欠かさない
医療治療
血圧を下げる薬(降圧薬)が治療の中心になることが多いです。薬の種類や量は、患者さん一人ひとりの状態に合わせて医師が決めます。動脈の細くなり方が強い場合は、カテーテルで血管を広げる治療(血管形成術)が行われることもあります。どの治療が合っているかは、専門の医師が慎重に判断します。
手術が検討される場合
血管の細くなり方が強く、薬の効果が十分でない場合や、動脈のふくらみ(動脈瘤)や裂け(解離)がある場合には、カテーテル治療や外科手術が検討されることがあります。
この病気と共に生きる
FMDは長く付き合っていくことがある病気ですが、多くの人は治療を続けながら普段どおりの生活を送っています。自分の体調や血圧の変化に注意し、定期的に医師の診察を受けることが大切です。
生活習慣のアドバイス
- 家で血圧を測る習慣をつける
- 塩分を控えたバランスのよい食事
- ウォーキングなど無理のない範囲で体を動かす
- 禁煙し、お酒はほどほどにする
- 十分な睡眠と休息をとる
食事と運動
減塩を中心とした、野菜や果物を取り入れたバランスの良い食事がすすめられます。運動は、ウォーキングや軽い体操などから始めましょう。激しい運動をしたい場合は、事前に医師に相談してください。
精神的健康と心の健康
FMDという病気の診断には、不安や驚きを感じる方も多いです。頭痛や血圧の症状が続くと、気分が沈むこともあります。そうした気持ちは自然なことです。ひとりで抱え込まず、家族や医師、カウンセラーなどに話してみましょう。
予防
FMDそのものを予防する方法はまだ分かっていません。しかし、高血圧をきちんと管理し、定期検診を受けることで、脳卒中や腎臓の合併症などのリスクを下げることができます。
ワクチン
FMDに特別な予防接種はありません。一般的な予防接種については、かかりつけ医と相談してください。
検診プログラム
FMDを健康診断で見つけるための特別なスクリーニング検査はないのが現状です。しかし、若い人の高血圧や原因不明の頭痛などをきっかけに、医療機関での検査で診断されることがあります。
合併症
治療しない場合
- 高血圧が続き、心臓や腎臓に負担がかかる
- 腎動脈が細くなり、腎臓の働きが低下する
- 脳の血管に問題が起きて、脳卒中を起こしやすくなる
- 動脈の壁が裂ける(動脈解離)ことがある
- 動脈の壁にふくらみ(動脈瘤)ができ、破れることがある
長期的な見通し
適切な診断と治療を受ければ、多くの人は合併症を防ぎ、安定した生活を送ることができます。定期的に医師と一緒に体調を管理していくことで、生活の質を保つことができます。希望を持って、前向きに治療に取り組むことが大切です。
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情報源とガイダンス
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最終更新: 2026年7月31日
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