真菌性副鼻腔炎(カビによる副鼻腔の炎症)
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
真菌性副鼻腔炎(しんきんせいふくびくうえん)は、鼻のまわりの骨の中にある「副鼻腔」という空間に、カビ(真菌)が増えて炎症を起こす病気です。細菌やウイルスによる副鼻腔炎とはちがって、カビが原因で起こります。症状は似ていますが、対応が異なるため、適切な診断が大切です。
重要な事実
- カビ(真菌)が原因で起こる副鼻腔の炎症です。
- 人から人へうつることはありません。
- 症状やタイプによって、手術が必要な場合とそうでない場合があります。
細菌やウイルスによる副鼻腔炎と比べると、あまり多くない病気です。ただし、アレルギー体質の方や、免疫力が低下している方では、もう少し見られることがあります。
免疫力が低下している方(糖尿病、ステロイド薬の使用、抗がん剤治療中など)、鼻茸(はなたけ)や慢性副鼻腔炎がある方、アレルギー体質の方、また湿気の多い環境に長くいる方に多くみられます。
症状
- 突然の視力の低下や物が二重に見える
- 目がはれ上がり、激しい痛みがある
- 強い頭痛に加えて、首が硬くなる・意識がぼんやりする
- 高熱が続く
- 顔の一部の感覚がなくなる
- ⚠症状が10日以上続く、または一度よくなってから再び悪化した
- ⚠熱があり、強い顔の痛みがある
- ⚠市販の鼻炎薬などで改善しない
一般的な症状
- 鼻づまりや鼻水(ねばりけのあることもある)
- 顔や目の周りの痛み・重い感じ
- においがわからない
- 鼻の中にカビの塊ができることもある
子供の症状
- 大人と似た症状が出ることが多い
- 長引く鼻づまりや、悪い臭いのする鼻水
- 程度が強い場合は、目の周りがはれたり、目が飛び出して見えることもある
高齢者の症状
- 鼻の症状が目立たず、ぼんやりしたり元気がないなど、全身の様子が変わることがある
- 発熱や頭痛、食欲の低下
- 持病の悪化のように見えることもある
原因
主な原因
- 副鼻腔にカビ(真菌)が入り込み、炎症を起こす
- 免疫力が弱っていると、カビが増えやすくなる
- 鼻の構造やアレルギーで副鼻腔の空気の通り道がふさがれる
リスク要因
- 慢性副鼻腔炎
- 鼻茸(はなたけ)
- アレルギー性鼻炎
- 糖尿病などの慢性疾患
- 免疫力を下げる薬(ステロイド薬、抗がん剤など)の使用
- 湿気の多い環境やカビの多いほこり
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 目のまわりの強い痛みやはれ
- 視力の異常、物が二重に見える
- 高熱や意識のぼんやり
定期受診を予約すべき場合:
- 鼻づまりや顔の痛みが10日以上続く
- 副鼻腔炎をくり返す
- においが戻らない
診断
診察では、鼻の中をカメラ(内視鏡)で観察し、症状や経過を確認します。カビが疑われる場合には、画像検査や組織の検査を行うことがあります。
行われる可能性のある検査
- 鼻内視鏡検査(鼻の穴から細いカメラを入れて観察)
- CT検査(X線を使って副鼻腔の状態を詳しく確認)
- MRI検査(必要に応じて、周囲への広がりを確認)
- 真菌培養検査(鼻の中の分泌物などを採取してカビを調べる)
- 生検(組織の一部を取って顕微鏡で調べる)
診察で予想されること
場合によっては、耳鼻咽喉科(じびいんこうか)の専門医を紹介されます。検査はほとんど痛みがなく、鼻の内視鏡検査は数分で終わります。組織を取る検査では、軽い出血や違和感があることがあります。
治療
治療法は、カビの種類や広がり方、あなたの体の状態によって異なります。非浸潤型(副鼻腔の内側にとどまるタイプ)と浸潤型(周りの組織に広がるタイプ)で対応が変わります。医師とよく相談して治療方針を決めましょう。
自宅でのセルフケア
- 鼻を生理食塩水(しお水)で洗う(処方された洗浄液を使う)
- 加湿器や蒸しタオルで鼻の中を潤す
- 顔を温めて痛みをやわらげる
- 水分を十分にとる
- 休養と睡眠をしっかりとる
医療治療
医師は、カビを抑える薬(抗真菌薬)を飲み薬や点滴で使うことがあります。炎症を抑えるステロイド薬や、アレルギー反応を抑える薬も使われることがあります。具体的な薬の種類や量は、症状や体の状態に合わせて医師が決めます。必ず医師の指示に従ってください。
手術が検討される場合
副鼻腔にカビの塊(真菌球)ができている場合は、内視鏡を使って鼻の中から取り除く手術が行われることがあります。浸潤型の場合も、感染した組織を取り除くために手術が必要になることがあります。
この病気と共に生きる
治療は長引くこともありますが、指示された薬の使用と通院を続けることが大切です。鼻洗浄や部屋の湿度管理など、毎日のケアを継続しましょう。
生活習慣のアドバイス
- 家の中の換気をよくし、カビやほこりを減らす
- タバコを吸わない(受動喫煙も避ける)
- アレルギーの原因になるものを避ける
- うがいや手洗いで感染症を予防する
食事と運動
バランスのよい食事と十分な水分を心がけましょう。無理のない範囲で体を動かし、免疫力を保つことも大切です。
精神的健康と心の健康
長く続く症状や再発は、気分を落ち込ませたり、不安にさせたりすることがあります。つらいときは一人で抱え込まず、医師や家族に話しましょう。
予防
完全に予防する方法はありませんが、リスクを減らすことはできます。アレルギーや糖尿病などの持病をきちんと治療し、カビの多い環境を避けることが大切です。
ワクチン
真菌性副鼻腔炎を予防するためのワクチンは現在ありません。
検診プログラム
特に決まった検診はありません。気になる症状がある場合は、早めに医療機関で相談しましょう。
合併症
治療しない場合
- 炎症が長く続く慢性副鼻腔炎になる
- 目の周りに感染が広がり、視力に影響することがある
- 髄膜炎(脳や脊髄を覆う膜の炎症)など、頭蓋内に感染が広がる危険がある
- 骨が侵されることがある
長期的な見通し
タイプや重症度によって異なりますが、適切な治療を受ければ、多くの方は改善します。再発しやすいタイプもありますが、きちんと通院し、ケアを続けることで、症状をうまくコントロールできます。不安なことは医師に相談しましょう。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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