ハムストリングス損傷(肉離れ)とは
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
ハムストリングス(太ももの後ろ側にある筋肉の束)が、急に激しく伸ばされたり過度に収縮したりすることで起こる損傷です。筋肉の繊維が引き伸ばされて切れた状態を肉離れとも呼びます。
重要な事実
- 軽度の場合と重度の場合があり、完全断裂(ばんれつ)すると強い痛みや腫れが伴います。
- 多くはけがを負った直後にあまり動かさない、安静と冷却が回復の第一歩です。
- まだ医療機関を受診する前でも、動かすのがつらい場合は無理をしないでください。
はい、特にスポーツ活動中に起こりやすく、もっとも一般的なスポーツ外傷のひとつです。
サッカーやラグビー、陸上競技など、走ったりジャンプしたりする動作の多い人に多くみられますが、日常の軽い運動や階段の上り下りで起こることもあります。
症状
- 太ももの激しい痛みで立つことも歩くこともできない
- 骨が折れたような音や感覚があった
- 脈が弱くなる、意識が遠くなるような強いショック症状
- 傷口が大きく開いている、出血が止まらない
- ⚠歩くと激痛がある、または足の力が入らない
- ⚠腫れや血色の変化がみるみるひどくなる
- ⚠痛みで安静にしていても眠れない
一般的な症状
- 太ももの後ろに突然の鋭い痛み
- 痛みで足を動かしにくい
- 腫れや内出血(あざ)
- 触ると痛む、瞬間的にピキッと感じる
原因
主な原因
- 急なダッシュやジャンプで筋肉が急に収縮する
- 運動前の準備運動(ウォームアップ)不足
- 筋肉の柔軟性や筋力の低下
- 疲労がたまった状態での激しい運動
リスク要因
- 過去にハムストリングを痛めたことがある
- 運動前に十分なストレッチをしない
- 太ももの筋肉と対になる前ももの筋肉(大腿四頭筋)が強すぎると、バランスを崩しやすい
- 寒い季節や体が冷えた状態での運動
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 足をつくと激痛がある
- 足のしびれや動かせない感覚が続く
- 強い内出血や腫れが急速に広がる
定期受診を予約すべき場合:
- しばらく安静にしても痛みが続く
- 軽い運動で痛みが出やすい
- 再び同じ場所を痛めた
診断
医師が問診、触診(触って痛みを確認)、動作テストを行い、損傷の程度を評価します。
行われる可能性のある検査
- 超音波検査(エコー)
- MRI検査(より詳しく筋肉の損傷範囲を確認)
- X線検査(骨の異常や骨折を除外するために行うことがあります)
診察で予想されること
多くの場合は診察と問診でおおよその診断がつきます。必要に応じて画像検査を行い、損傷の程度に合わせて治療方針を決めます。
治療
治療の基本は、安静・冷却・圧迫・挙上(RICE処置)と、痛みが落ち着いたら段階的にリハビリを行い、筋肉をいったん休ませてから徐々に動かしていくことです。
自宅でのセルフケア
- 急性期(最初の24〜48時間)は氷や冷たいタオルで10~15分ずつ冷やす
- 弾性包帯などで軽く圧迫する
- 足を心臓より高く上げて休む
- 痛みが引いてきたら、無理のない範囲でゆっくり動かし始める
医療治療
整形外科では、炎症を抑える治療として物理療法、リハビリテーション、湿布などの消炎鎮痛薬が使われることがあります。いずれも医師の指示のもとで行われます。筋肉が完全に切れている場合は、固定や手術が必要になることもあります。
手術が検討される場合
完全断裂で、歩行や日常生活に支障が残ると考えられる場合や、スポーツで高いパフォーマンスを求める場合に、手術が検討されることがあります。実際の必要性は、年齢や活動レベルを考慮して整形外科医が判断します。
この病気と共に生きる
痛みが強い時期は、しばらくスポーツや走ることを休みましょう。仕事や家事でどうしても動く必要がある場合は、痛みの出ない範囲で行い、痛む姿勢は避けるようにします。
生活習慣のアドバイス
- 運動前は必ず準備運動をする
- 軽いジョギングやウォーキングで体を温めてから始める
- 睡眠や栄養を十分にとり、疲労を残さない
食事と運動
筋肉の修復にはたんぱく質を中心としたバランスの良い食事が大切です。運動習慣がある方は、筋力トレーニングやストレッチを続け、けがの予防に努めてください。
精神的健康と心の健康
思うように動けない期間が続くと、ストレスや不安を感じることもあります。焦らず、回復の段階に合わせて目標を立て、家族や友人に相談するなどして気持ちを支えましょう。
予防
ハムストリング損傷は、日頃からの筋力トレーニングと柔軟性の維持、それに運動前の十分なウォームアップで予防できる可能性が高いけがです。過去に痛めた人は、再発予防のためのリハビリを継続することが大切です。
ワクチン
このけがを直接予防するワクチンは現在ありません。けがの予防には、運動前のウォームアップと日常的なストレッチが効果的です。
検診プログラム
ハムストリング損傷は、特定の健康診断で見つけられる病気ではありません。けがの既往がある人は、スポーツ活動の前に関節の可動域や筋力をチェックしてもらうとよいでしょう。
合併症
治療しない場合
- 再発のリスクが高まる
- 筋肉の癒着や瘢痕組織により、太ももの柔軟性が低下する
- 慢性化して、走る・ジャンプする動作ができなくなることもある
長期的な見通し
多くのハムストリング損傷は、適切な休養とリハビリで回復し、スポーツや日常生活に戻ることができます。ただし、けがの程度や年齢、治療の開始の早さによって回復期間は異なります。焦らず、医師や理学療法士の指導に従うことが最も大切です。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
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最終更新: 2026年7月31日
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