大腿骨骨折(股関節の骨折)について
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
大腿骨骨折(だいたいこつこっせつ)とは、太ももの骨の根元(股関節の近く)が折れてしまうけがです。特に、お尻の横の出っ張りから股関節の中までを含む部分を指します。多くは高齢者が転んだときに起こります。
重要な事実
- 転倒が最も多い原因です。
- 骨粗しょう症で骨がもろくなると、軽い衝撃でも折れることがあります。
- 早期の手術とリハビリが、元の生活に戻るために重要です。
はい、高齢者ではよくある骨折です。日本では、75歳以上の女性を中心に、年間およそ20万人がこの骨折になると推定されています(厚生労働省の資料に基づく一般的な情報です)。
高齢者、特に骨粗しょう症の女性に多く見られます。若い人では、交通事故や高いところからの転落など、強い力が加わって起こることがあります。
症状
- 脚を全く動かせないほどの激しい痛み(すぐに119番に電話を)
- 足の指の感覚がない、または脚が冷たい(すぐに119番に電話を)
- 意識がもうろうとする、けいれんがある(すぐに119番に電話を)
- ⚠「立てない」程度の痛みがある(同じ日に整形外科を受診)
- ⚠脚に腫れや変形がある(同じ日に整形外科を受診)
- ⚠転んでから痛みが続き、歩くと悪化する(同じ日か翌日には受診)
一般的な症状
- 太ももの付け根に強い痛みがある
- 立ったり歩いたりできない
- 脚を動かすと痛みが増す
- 脚の向きが外側に向くなど、形が変わって見える
原因
主な原因
- 転倒(つまずく、滑る、高い所から落ちる)
- 骨粗しょう症による骨の強度の低下
- 交通事故などによる大きな衝撃
リスク要因
- 加齢による骨量の減少
- 女性であること(特に閉経後)
- 骨粗しょう症の診断歴
- 過去に骨折したことがある
- 視力の低下やめまい、歩行のふらつき
- 眠気やふらつきを起こす可能性のある薬を服用している
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 転倒後、強い痛みで動けない場合(ためらわずに119番または救急外来へ)
- 脚を動かすと激痛が走る場合
- 脚の変形や腫れが明らかな場合
定期受診を予約すべき場合:
- 転倒後、痛みはあるが立てる場合
- 数日痛みが続く、または痛みが強くなってきた場合
- リハビリ中に新しい痛みが出た場合
診断
医師は、ケガの状況や症状を聞き、脚の動きや痛みの場所を確認します。そのうえで、レントゲン撮影を行います。レントゲンで骨折がはっきりしない場合も、CTやMRIで詳しく調べることがあります。
行われる可能性のある検査
- レントゲン撮影(骨のずれや骨折線を確認)
- CT(骨の立体的な形を詳しく確認)
- MRI(骨折の見えにくい部分や周りの筋肉・血管を確認)
- 血液検査(全身状態や感染の有無を調べる)
診察で予想されること
検査は衣服のままできることが多いですが、カーディガンやジャケット、ネックレスなどは外していただく場合があります。痛みが強い場合は、医師と相談して鎮痛処置をしてから検査を行います。結果が出たら、治療方針についてわかりやすく説明されます。
治療
大腿骨骨折の治療の中心は、手術とリハビリです。折れたままの状態で長くベッドにいると合併症のリスクが高まるため、多くの場合、手術を行って骨を固定します。術後は医師や理学療法士の指導のもと、早期からリハビリを開始します。
自宅でのセルフケア
- 医師の指示があるまでは、骨折した脚に体重をかけない
- ベッドの上では、足首や膝の運動を(医師の許可を受けて)行う
- 歩行器や杖を使う時期は、安全な環境で練習する
医療治療
手術の際には、血栓を予防する薬や感染を防ぐ抗生物質が使われることがあります。また、痛みに対して点滴や内服の痛み止めが使用されます(具体的な薬は医師が状況に合わせて処方します)。骨を強くする治療(骨粗しょう症治療)も、医師と相談して行われます。
手術が検討される場合
多くの場合、骨折後48時間以内の手術がすすめられます。ただし、高齢の方や持病がある方は、手術前に全身状態を整えることが優先されることもあります。手術時期は担当医が判断します。
この病気と共に生きる
退院後も、リハビリのプログラムに沿って歩行練習・筋力トレーニングを続けます。最初は歩行器や杖が必要ですが、多くの人は徐々に自分の脚で歩けるようになります。焦らずに続けることが大切です。
生活習慣のアドバイス
- 毎日少しずつ歩く(無理のない範囲で)
- 家の中の段差や障害物を取り除き、手すりを設置する
- 定期的に整形外科やリハビリテーション科でフォローアップを受ける
食事と運動
骨の健康を保つために、カルシウム(乳製品・小魚・豆腐)やビタミンD(魚・卵など)を意識した食事をとりましょう。運動は、理学療法士の指導のもとでバランス練習や下肢の筋力トレーニングを行います。
精神的健康と心の健康
骨折後は、動けなくなったことで気分が落ち込むことがあります。これは自然な反応です。リハビリの進みは個人差があります。自分のペースを大切にし、気持ちのつらさは家族や医療者に話してください。
予防
完全に防ぐことはできませんが、転倒を防ぐことが最大の予防です。家の照明を明るくする、段差をなくす、運動でバランス力を保つなどが効果的です。また、骨粗しょう症の検査や治療も予防につながります。
ワクチン
特にこの骨折に直接効く予防接種はありませんが、高齢者は肺炎やインフルエンザの予防接種を受けることで、感染症による体調不良で活動量が落ちるのを防ぎ、結果的に転倒リスクを下げることにつながる可能性があります。医師と相談しましょう。
検診プログラム
骨密度検査(骨の強さを測る検査)は、骨粗しょう症の診断に使われます。特に閉経後の女性や、過去に骨折した方は、医師に相談して検討してみましょう。
合併症
治療しない場合
- ベッド上での安静が長引き、筋力低下が進む
- 血の固まりが血管に詰まる血栓症のリスクが高まる
- 骨がつかないままになり、歩行機能が戻らないことがある
- 床ずれ(褥瘡)や肺炎など、寝たきりによる合併症
長期的な見通し
適切な手術とリハビリを行えば、大半の人は再び歩けるようになります。回復には数か月かかることもありますが、近年の医療の進歩により、自宅や施設での生活を続けられる方が増えています。あきらめずにリハビリを続けることが大切です。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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