多汗症(過剰な発汗)
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
多汗症は、体の必要量を超えて、たくさんの汗をかいてしまう状態です。暑い時や運動した時に汗をかくのは自然なことですが、多汗症では特に原因がなくても、手のひらや足の裏、わきの下などに大量の汗がでます。
重要な事実
- 日常生活に支障が出るほどの汗がでます
- 手のひら、足の裏、わきの下に多いです
- 治療法はいろいろあり、改善が期待できます
多汗症は決して珍しいものではありません。日本でも多くの人が悩み、医療機関を受診しています。
思春期から若い世代に多く見られますが、子どもや高齢者でも起こることがあります。女性の方が男性よりやや多い傾向にあります。
症状
- 突然の激しい頭痛、胸の痛み、息苦しさを伴う大量の発汗
- 意識がもうろうとし、呼びかけに反応しない
- 体の片側にだけ異常な汗やまひが出る
- ⚠発汗に加えて、高熱や悪寒がある
- ⚠汗が止まらず、めまいや強いのどの渇きがある
- ⚠急に汗が増え、食事や水分がとれない
一般的な症状
- 手のひらや足の裏に、水滴ができるほどの汗をかく
- わきの下の汗で服が濡れてしまう
- 気温や運動に関係なく汗が出る
- 肌が常に湿っていて冷たい
- 発汗のために筆記やタッチパネル操作などがしにくい
子供の症状
- 足の裏に汗が多く、靴下や靴がすぐに湿る
- 手のひらの汗で滑りやすい
- 汗をかくことを気にして、遊びや学校行事を楽しめないことがある
高齢者の症状
- 発汗量は少なくなる傾向がありますが、多汗症の場合は皮膚が弱り、細菌感染や皮膚炎を起こしやすくなります
- 汗をかきすぎることで脱水になりやすく、特に夏場は注意が必要です
- 認知症の高齢者などでは、汗の量が多くても本人がうまく伝えられないことがあります
原因
主な原因
- 緊張や不安で起こる原発性多汗症(特に原因の病気がない)
- 甲状腺の病気、糖尿病、更年期障害などの病気が原因で起こる続発性多汗症
- 薬の副作用による発汗
リスク要因
- 家族に多汗症の人がいる
- ストレスや緊張を感じやすい
- 高温・多湿の環境
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 突然、大量の汗が始まった場合
- 発汗に合わせて、胸の痛み、息苦しさ、めまいなどがある場合
定期受診を予約すべき場合:
- 汗が多いことで仕事や人間関係に支障がある場合
- 市販の制汗剤や生活の工夫で改善しない場合
- 発汗の他に、体重減少や動悸など気になる症状がある場合
診断
多汗症の診断は、まず医師が問診を行い、汗の量や部位、発汗のきっかけなどを確認します。身体の異変による続発性多汗症が疑われる場合は、血液検査などで原因を調べることもあります。
行われる可能性のある検査
- 問診(いつから、どの部位に、どれくらい汗をかくか)
- 視診(汗の状態や湿疹の有無を確認)
- 必要に応じて血液検査(甲状腺やホルモンの状態)
- 発汗の程度を調べる検査(でんぷんとヨウ素を使った色素法など)
診察で予想されること
診察では、実際に汗をかいている部分を見せてほしいと伝えられます。問診を中心に、症状に合わせた治療法が提案されます。必要に応じて専門医を紹介することもあります。
治療
治療は、まず生活の工夫や市販の制汗剤から始めます。それでも効果が不十分な場合は、医療機関で塗り薬や飲み薬、注射などによる治療を検討します。治療法は患者さんの症状や希望に合わせて決められます。
自宅でのセルフケア
- 通気性がよく、汗が目立ちにくい服を選ぶ
- 汗をよく吸うインナーやタオルを活用する
- デオドラント剤(制汗剤)を使う
- こまめに汗を拭き、シャワーで清潔に保つ
- カフェインや香辛料など、発汗を促すものを控えめにする
医療治療
医療機関で行われる治療には、塗り薬(体に塗る制汗作用のある薬)、飲み薬、微弱な電流を使って汗腺の働きを抑える治療、神経の働きを一時的に抑える注射などがあります。どの治療が適しているかは医師が判断しますので、必ず医師に相談してください。
手術が検討される場合
ほかの治療で十分な効果が得られない重症の場合、わきの下の汗腺を部分的に取り除く手術が検討されることがあります。手術には合併症や再発の可能性もあるため、医師と十分に話し合ったうえで決めることが大切です。
この病気と共に生きる
多汗症は恥ずかしいことではありません。自分に合った対処法を見つけて快適に過ごしましょう。気になる時は、替えの下着やタオルを持ち歩くだけでも安心感が違います。また、周りの人に理解してもらえるように、自分の症状を伝えてみることも助けになります。
生活習慣のアドバイス
- お風呂で汗を流し、皮膚を清潔に保つ
- ストレスをためないように、リラックスする時間を持つ
- 適度な運動を続け、汗の出方を整える
- 汗をかきやすい時間帯を避けて外出するなどの工夫をする
食事と運動
バランスのよい食事と適度な運動は健康の基本です。ただし、運動後は汗をかくのが正常です。多汗症の人は、運動中もこまめに水分補給をし、脱水にならないよう気をつけてください。カフェインやアルコールには発汗を促す作用があるため、気になる方は控えめにしましょう。
精神的健康と心の健康
多汗症のために、人前に出るのが不安になったり、自信を失ったりすることがあります。それはとても自然な気持ちです。しかし、医療機関で適切な治療を受けることで、症状は改善できます。つらい気持ちや悩みは一人で抱え込まず、医師やカウンセラーに話しましょう。万一、死にたい気持ちが強くなったときは、すぐに119番または信頼できる人に連絡してください。
予防
多汗症を完全に予防することはできませんが、生活の工夫や適切な治療で症状を抑えることは可能です。汗が気になる場合は早めに医師に相談しましょう。
合併症
治療しない場合
- 皮膚が常に湿っているため、細菌や真菌が増えやすくなり、皮膚炎やいぼができやすくなる
- 大量の汗で脱水や電解質のバランスが乱れることがある(特に高温環境で)
- 仕事や学業、人間関係に支障をきたす
- 心理的なストレスが強くなり、うつや社会不安につながることがある
長期的な見通し
多汗症の多くは適切な治療で症状をしっかり改善できる病気です。また、年齢とともに症状が軽くなることもあります。気になる症状がある方は、我慢せずに医療機関に相談しましょう。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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