男性不妊とは
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
男性不妊とは、子どもを望むカップルが1年以上、避妊せずに定期的な性交を続けているのに妊娠しない場合に、その原因が男性側にあることを指します。具体的には、精子の数が少ない、精子の動きがよくない、精子の形に問題があるなど、さまざまな原因があります。
重要な事実
- 不妊に悩むカップルの約半数で、男性側の原因が関係しています。
- 多くの場合、自覚症状がなく、検査によって初めてわかります。
- 年齢や生活習慣が精子の健康に影響することがあります。
- 治療法は進歩しており、多くの場合、妊娠の可能性を高める手段があります。
日本では、約10組に1組のカップルが不妊を経験すると言われ、そのうちの半数近くに男性側の要因が見られます。決して珍しいことではありません。
思春期以降の生殖年齢にあるすべての男性に起こり得ます。加齢とともに精子の質がゆっくりと低下するため、年齢が上がるほど影響が出やすくなります。
症状
- 突然、睾丸に激しい痛みが生じた場合
- 睾丸が急に腫れて、吐き気や発熱を伴う場合
- 睾丸を強く打った後、痛みが治まらない場合
- ⚠睾丸にしこりを触れる場合
- ⚠精液に血が混ざる場合
- ⚠排尿痛や頻尿など、尿路の症状が続く場合
一般的な症状
- 多くの場合、自覚症状はまったくありません。
- 性欲の低下や勃起しにくい、射精しにくいといったトラブル。
- 睾丸のしこりや痛み、陰嚢の腫れを感じることがあります。
原因
主な原因
- 精索静脈瘤(陰嚢の中の静脈が異常に太くなり、精子の質を低下させる)
- ホルモン分泌の異常(テストステロンなど生殖にかかわるホルモンの乱れ)
- 精巣や精路の感染症(おたふく風邪による精巣炎など)
- 遺伝子や染色体の異常
- 精子の通り道(精管)の先天的な閉塞や、過去の手術による閉塞
- 原因が特定できない場合もあります(特発性男性不妊)
リスク要因
- 喫煙や過度の飲酒
- 肥満や運動不足
- 長時間の入浴や締め付けの強い下着など、睾丸を高温にさらす習慣
- 強いストレス
- 一部の薬剤や化学物質、放射線への曝露
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 激しい痛みや急な腫れがある場合は、すぐに泌尿器科を受診してください。
- 睾丸のしこりや血精液がある場合は、できるだけ早く受診しましょう。
定期受診を予約すべき場合:
- 1年以上、避妊せずに妊娠しない場合
- パートナーに異常は見つからないのに妊娠しない場合
- 性機能に悩みがある場合
診断
問診、身体診察、精液検査を中心に診断が進みます。必要に応じてホルモン検査や超音波検査、遺伝子検査なども行われます。泌尿器科または不妊専門外来で相談できます。
行われる可能性のある検査
- 精液検査:精子の数、運動率、形を顕微鏡で調べます。
- 血液検査:生殖に関わるホルモンの値を調べます。
- 陰嚢の超音波検査:精索静脈瘤や精巣の状態を確認します。
- 尿検査・細菌検査:感染症の有無を調べます。
診察で予想されること
精液検査は、2〜3日間射精を控えてから行います。検査自体は約数十分で終わり、結果は数週間後にわかることが多いです。初めての受診では、これまでの健康状態や薬の使用歴、生活習慣などについて詳しく聞かれます。
治療
治療は原因によって異なります。生活習慣の改善だけで精子の質が改善することもあれば、手術や生殖補助医療(体外受精など)を検討することもあります。夫婦で一緒に治療方針を決めていくことが大切です。
自宅でのセルフケア
- 禁煙し、お酒を控えめにする
- 適正体重を維持する
- 適度な運動を習慣にする
- 十分な睡眠をとる
- ストレスをためないよう、リラックスできる時間を作る
- 陰部を高温にさらさない(長時間の入浴やサウナを避ける)
医療治療
ホルモン療法、感染症にに対する抗菌薬治療、精子の通り道の閉塞に対する手術などがあります。また、体外受精や顕微授精などの生殖補助医療も行われています。具体的な治療法は専門医と十分に相談し、効果やリスクを理解したうえで選びましょう。
手術が検討される場合
精索静脈瘤が見つかった場合や、精子の通り道が詰まっている場合は、外科的手術が検討されることがあります。
この病気と共に生きる
治療には時間がかかることもあります。焦らず、パートナーと気持ちを共有しながら、一歩ずつ進んでいきましょう。
生活習慣のアドバイス
- 睡眠をしっかりとる
- ストレスを上手に発散する
- 過度な運動や長時間のサイクリングなどを避ける
- タイトな下着よりも、通気性のよい下着を選ぶ
食事と運動
野菜や魚を中心としたバランスのよい食事と、ウォーキングなどの軽い有酸素運動は、精子の健康に良いとされています。過度な食事制限や激しい運動は逆効果になることもあるため、無理のない範囲で続けましょう。
精神的健康と心の健康
不妊治療は遠い道のりに感じられ、精神的な負担が大きくなることがあります。お互いを責めず、感情を押し殺さずに話し合うことが大切です。もし強い不安や抑うつ感があれば、カウンセラーや医療機関に相談してください。
予防
すべての男性不妊を予防できるわけではありませんが、健康的な生活習慣を続けることでリスクを下げられる可能性があります。特に喫煙と過度の飲酒は精子の質に悪影響を与えるため、見直すことがすすめられます。
ワクチン
おたふくかぜなどの感染症が精巣に影響を与えることがあります。おたふくかぜの予防接種は、将来の男性不妊リスクを下げるために役立つ可能性があります。
検診プログラム
症状がない場合、定期的な男性不妊のスクリーニング検査は通常行われません。子どもを望むようになったら、早めに夫婦で相談し、必要に応じて医療機関を受診しましょう。
合併症
治療しない場合
- 不妊による心理的なストレスや自己否定感
- パートナーとの関係の緊張
- 原因によっては男性ホルモンの低下による骨粗しょう症や筋力低下などの健康問題
長期的な見通し
男性不妊の多くは原因が特定でき、治療によって妊娠の可能性を高められます。生殖補助医療の進歩により、たとえ精子が少なくても顕微授精という方法で子どもを迎えられる可能性があります。希望を持ち、信頼できる医療機関で相談しながら治療を続けていくことが大切です。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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