卵円孔開存(PFO)とは? – 心臓の小さな穴について知ろう
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
卵円孔開存(らんえんこうかいぞん、PFO)は、心臓の右と左の上の部屋(心房)の間にある小さな穴が、生まれた後も閉じずに残っている状態です。この穴は胎児のときに必要なもので、生まれると自然に閉じることがほとんどです。PFOがある方の多くは、まったく症状がなく、健康診断や別の検査で偶然見つかることが多いです。
重要な事実
- 約4人に1人がPFOを持っているといわれます。
- 多くの場合、症状もなく、治療の必要もありません。
- まれに、脳卒中や片頭痛との関連が指摘されています。
- 診断は心臓の超音波検査(心エコー)で行われます。
はい、とてもよく見られる状態です。約4人に1人に認められます。多くの場合は生涯にわたって問題を起こしません。
PFOはすべての年齢で見られますが、症状が出るのはほとんどが成人になってからです。特に、原因不明の脳卒中を起こした方や、片頭痛(特に前兆のある片頭痛)がある方で検査され、見つかることが多いです。
症状
- 突然、顔がゆがむ、片方の手足に力が入らない
- 言葉がうまく話せない、相手の言葉が理解できない
- 片方の目が見えない、物が二重に見える
- 激しい頭痛を伴うめまいや、意識の変化
- ⚠片頭痛が頻繁に起こる、特に前兆(目の前がチカチカする、しびれなど)を伴うもの
- ⚠原因不明の立ちくらみや失神を繰り返す
- ⚠動悸や息切れが続く
一般的な症状
- 多くの場合、まったく症状がありません。
- もし症状があっても、動悸、息切れ、疲れやすさなど、心臓の病気に共通するものになります。
原因
主な原因
- 胎児の心臓にあった血液のバイパス(卵円孔)が、生まれた後に閉じないことを原因とする先天性の状態です。
- 遺伝や環境など、明確な原因はわかっていません。
リスク要因
- 深部静脈血栓症(脚の静脈に血の塊ができる病気)
- 長時間の飛行機や自動車での移動など、血の塊ができやすい状況
- 家族にPFOがいること(ただし、遺伝性ははっきりしていません)
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 脳卒中のような症状(片まひ、ろれつが回らない、視野の異常)が突然現れたら、すぐに119番に電話してください。
- 胸の痛みが続く、強い息苦しさがある場合も、救急車を呼びましょう。
定期受診を予約すべき場合:
- 検診で心雑音を指摘された
- 原因不明の片頭痛や失神を繰り返す
- 家族がPFOと診断されているが、症状が気になる
診断
PFOは、心臓の超音波検査(心エコー)で見つかることが一般的です。特に、脳卒中を起こした後や、頭痛の原因を調べるときに検査されます。
行われる可能性のある検査
- 心エコー(心臓の超音波検査): 胸や食道から心臓を観察します。
- バブルテスト(生理食塩水で微細な泡を作り、穴の有無を確認します)
- 経食道心エコー(のどから細い管を入れ、心臓を詳しく見ます)
診察で予想されること
循環器科を受診し、問診と心エコーなどの検査を行います。結果は通常、その場または数日でわかります。PFOと診断されても、多くの方はそのまま経過観察となります。専門医が、あなたの年齢やほかの病気、症状にあわせて、適切な方針を説明してくれます。
治療
治療が必要かどうかは、脳卒中を起こしたことがあるか、血の塊ができやすい状態かなどによって決まります。日本の診療ガイドラインでは、症状のないPFOに対しては積極的な治療をしない方針が基本です。もし治療が必要な場合は、薬での治療や、カテーテルを使って穴をふさぐ治療が行われます。
自宅でのセルフケア
- 禁煙や減酒、バランスのよい食事を心がけましょう。
- 長時間同じ姿勢で座り続けるときは、こまめに足を動かしましょう。
- 持病(高血圧、糖尿病、脂質異常症)がある場合は、きちんと管理しましょう。
医療治療
脳卒中を起こしたことがある方には、血液を固まりにくくする薬(抗血栓薬)や、血小板の働きを抑える薬(抗血小板薬)が検討されます。薬の種類や飲む期間は、医師があなたの状態に合わせて決定するため、自己判断でやめないことが大切です。
手術が検討される場合
カテーテル閉鎖術(先端に小さな傘のような器具をつけた管を脚の付け根から入れ、穴をふさぐ治療)が行われることがあります。これは全身麻酔は使わず、多くの場合、日帰りまたは数日間の入院で行われます。手術が必要かどうかは、脳卒中の原因などを考えて慎重に判断されます。
この病気と共に生きる
PFOがあっても、ほとんどの方は普段の生活や運動に制限はありません。心配な場合は、主治医に具体的な運動の目安を確認してください。
生活習慣のアドバイス
- 軽い有酸素運動(歩く、水泳など)を週に数回行いましょう。
- 水分を十分にとって、血液がどろどろになるのを防ぎましょう。
- 睡眠をしっかりとって、ストレスをためないようにしましょう。
食事と運動
特別な食事制限はありませんが、日本食を中心としたバランスのよい食事が理想的です。適度な運動は血の塊ができるのを防ぐ効果も期待できます。ただし、激しいスポーツやダイビング(潜水)をする場合は、事前に医師に相談してください。
精神的健康と心の健康
「心臓に穴がある」と聞くと不安になるかもしれません。しかし、PFOのほとんどは無害で、多くの人が何の支障もなく日常生活を送っています。強い不安や抑うつを感じる場合は、ひとりで抱え込まず、医師や家族、あるいは地域の相談機関に話してください。緊急時は救急(119番)や精神科の救急相談窓口を利用できる場合がありますが、お住まいの地域の案内を確認してください。
予防
PFOそのものは生まれつきの状態なので予防はできません。しかし、血の塊ができないように生活習慣を整えることで、PFOに関連する脳卒中などの合併症は予防できます。
検診プログラム
症状や脳卒中のない人に、PFOを見つけるための定期検診は推奨されていません。
合併症
治療しない場合
- 脳卒中(若年者の原因不明の脳卒中で、PFOが関連する場合があります)
- 一過性脳虚血発作(TIA)という、一時的な脳の血流不足
- まれに、血の塊や空気が血液中に入ることで起こる症状(けいれんや片頭痛の悪化など)
長期的な見通し
PFOのほとんどは無症状で、治療をしなくても生涯にわたって問題になりません。治療が必要な方でも、現代の医療できちんと対応すれば、多くの方は健康な日常生活を送ることができます。心配なことは専門医に相談し、適切な経過観察を続けましょう。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年8月1日
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