ポイツ・ジェガース症候群(PJS)とは?
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
ポイツ・ジェガース症候群(PJS)は、胃や腸に良性のポリープができやすく、唇や口の中、手足に黒っぽい色素斑(しみ)が現れる、まれな遺伝性の病気です。また、特定のがんが発生するリスクが一般人より高くなることが知られています。かかりつけ医と専門医が連携して、定期的に検査しながら長く付き合うことが大切です。
重要な事実
- 胃腸にポリープが複数できる
- 特有の色素斑が現れる
- 家族性があり、がんのリスクも高まる
非常にまれな病気で、正確な頻度は不明ですが、約5万人から20万人に1人程度とされています。
男女の差はなく、乳幼児期から色素斑が現れることもあります。原因となる遺伝子の変異を持つ場合は、家族に同じ症状の人がいることが多いです。
症状
- 突然に激しい腹痛が起きた
- くり返す嘔吐がある
- 血便や黒色便が出た
- おなかが張り、ガスや便がまったく出ない(腸閉塞を疑う)
- ⚠貧血が進み、顔色が悪い・立ちくらみが続く
- ⚠慢性的な腹痛や便の異常が続く
- ⚠ポリープによる出血が止まらない
一般的な症状
- 唇や口の中、手足の指に黒っぽい斑点(色素斑)
- おなかの痛み(腹部不快感)
- 便に血が混じる
- 貧血(めまい・疲れやすさ)
- 腸の重なり(腸重積)による強い腹痛
原因
主な原因
- 主な原因はSTK11遺伝子の変異です。
- この遺伝子は細胞の増殖を抑える働きがあり、変異があるとポリープやがんが発生しやすくなります。
- 遺伝子は親から子へ受け継がれることがありますが、家族歴がなくても突然変異で起こる場合があります。
リスク要因
- 家族にポイツ・ジェガース症候群の人がいる場合、その子どもに遺伝する可能性は50%です。
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 激しい腹痛や嘔吐がある
- 血便が出た
- 気を失いそうなほどの立ちくらみがある
定期受診を予約すべき場合:
- 唇などに色素斑が増えている
- 原因不明の貧血と言われた
- 家族にPJSの人がいるため、遺伝子検査や検診について相談したい
診断
医師による診察、家族歴の確認、ポリープの検査、遺伝子検査をもとに行われます。ポイツ・ジェガース症候群に詳しい消化器専門医や遺伝科の医師が診断します。
行われる可能性のある検査
- 遺伝子検査(血液などでSTK11遺伝子の変異を調べる)
- 上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)
- 大腸内視鏡検査(大腸カメラ)
- 小腸造影やカプセル内視鏡などによる小腸検査
- 便潜血検査・血液検査(貧血や炎症の確認)
診察で予想されること
診断後は、定期的に胃・小腸・大腸のポリープ検査を受けることになります。検査は専門の医療機関での実施となり、多くの場合、複数の科(消化器内科・小児科・遺伝相談など)が連携してサポートします。
治療
現在のところ、病気そのものを完全に治す治療法はありませんが、ポリープの定期検査・切除を行い、がんの早期発見を目指すことが治療の中心になります。
自宅でのセルフケア
- かかりつけ医と緊急時の連絡方法を決めておく
- ポリープによる腹痛や出血のサインを知っておく
- 未成年の場合は学校医や主治医と情報を共有する
医療治療
ポリープが見つかった場合は、内視鏡を使って切除することが一般的です。貧血がある場合は鉄分の補充や輸血が必要になることもあります。がんのリスクが高いため、定期的な画像検査や内視鏡検査を計画します。薬については、主治医が症状や年齢に合わせて処方します。
手術が検討される場合
ポリープが大きい、がん化が疑われる、腸閉塞や腸重積を起こしている場合には、外科手術が必要になることがあります。開腹手術や腹腔鏡手術などがあり、範囲や方法は医師と相談します。
この病気と共に生きる
PJSは生涯にわたって続く病気のため、定期検査は欠かせません。症状のない期間が長く続くこともありますが、急な腹痛や出血に備えて、普段から体調の変化をメモしておくと安心です。
生活習慣のアドバイス
- 禁煙をする
- お酒はほどほどにする
- 睡眠と休息をしっかりとる
食事と運動
バランスのよい食事と、無理のない範囲での運動を続けましょう。便通を整えるために水分と食物繊維を十分に取ることも大切です。ただし、おなかに負担をかける激しい運動は避けます。
精神的健康と心の健康
がんのリスクや遺伝のことへの不安から、気分が沈んだりイライラしたりすることがあります。不安な気持ちはひとりで抱え込まず、家族や医療者、専門のカウンセラーに相談することをおすすめします。必要に応じて精神科や心療内科のサポートも受けられます。もしつらい気持ちが強いときは、一人で抱え込まず、地域の精神保健福祉センターや相談窓口に連絡してください。緊急の場合は119番や、夜間の外来につながる救急相談センターを利用できます。
予防
遺伝子の変異そのものを防ぐことはできません。しかし、定期的な検診を受け、ポリープを早期に見つけて切除することで、合併症やがんのリスクを低くすることができます。
ワクチン
特別なワクチンはありませんが、健康を保つために定期予防接種(インフルエンザや肺炎球菌など)は受けておきましょう。
検診プログラム
ポリープの検査は症状がなくても定期的に行う必要があります。また、乳がん・膵臓がん・子宮頸がんなどのがん検診も推奨されています。詳細な検査計画は専門医と相談してください。
合併症
治療しない場合
- 腸閉塞や腸重積による激しい腹痛
- ポリープからの慢性出血による貧血
- 胃・小腸・大腸・膵臓・乳房などにがんが発生するリスク
長期的な見通し
早期から定期的に検査と治療を行えば、多くの場合は日常生活を健康に送ることができます。がんのリスクはありますが、検査で早期発見・早期治療を行うことで予後は大きく改善します。あわてず、医療者とともに長い目で管理していくことが大切です。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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