停留精巣(テストが降りていない状態)
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
停留精巣とは、赤ちゃんの精巣(テスト)がおなかのの中から陰嚢(たまに入っている袋)に下りずに、とどまっている状態のことです。通常は生まれる前に下りてきますが、それを確認して治療していく病気です。
重要な事実
- 精巣はおなかの中で作られ、生まれる前か生まれてから数か月で陰嚢に下りてきます。
- 約80%の赤ちゃんでは、生後6か月までに自然に下りてきます。
- 6か月を過ぎても下りていない場合は、手術で精巣を正しい位置に移動します。
- 手術は安全で、多くの場合、将来の健康に影響はほとんどありません。
はい。満期で生まれた赤ちゃんの約1〜2%、早産の赤ちゃんでは30%にみられる、よくある状態です。
主に男の赤ちゃんにみられます。片側だけの場合が多く、右側に多いとされています。
症状
- 突然の強い陰嚢の痛み
- 陰嚢の赤みや腫れを伴う吐き気・嘔吐
- 触られるのを嫌がるほどの激しい痛み(精巣捻転の可能性)
- ⚠陰嚢の持続する痛みや腫れ
- ⚠精巣そのものが急に腫れてきた
- ⚠陰嚢の皮膚が赤く熱を持っている場合
一般的な症状
- 陰嚢が空っぽで小さく見える、または触っても精巣がない。
- 精巣が足のつけ根のそけい部に触れることができる。
- しばらくすると精巣が下りてくることもある(移動性精巣)。
子供の症状
- ふだんは特に痛みはありません。
- 思春期になっても下りていない場合は、おなかや足のつけ根にしこりとして気づくことがあります。
- 陰嚢が左右で非対称に見えます。
高齢者の症状
- 成人では通常すでに治療済みですが、まれに未治療のままの人がいます。
- 特に症状はありませんが、ときに足のつけ根にしこりや違和感があります。
原因
主な原因
- 正確な原因は不明ですが、おなかの中のホルモンの働きや精巣の引っ掛かりなどが関係します。
- 早産や低出生体重だと精巣が下りてくる途中で生まれてしまうことがあります。
- 精巣を引っ張る靭帯が十分に働かないなどの物理的な原因も考えられます。
リスク要因
- 早産で生まれる(特に在胎週数が短いほどリスクが高い)
- 低出生体重
- 家族(父親、兄弟)に停留精巣の人がいる
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- お子さんが突然激しく泣いて、触られるのを嫌がるほどの痛みが続く場合
- 陰嚢が赤く腫れ上がり、熱を持っている場合
- 発熱を伴う陰嚢の痛みがある場合
定期受診を予約すべき場合:
- 生まれたときの健診で陰嚢に精巣が確認できない場合
- 生後1か月健診でまだ精巣が下りていない場合
- 生後3〜6か月を過ぎても精巣が下りていない場合
- 月齢が進むにつれて精巣の位置や感じ方がおかしいと思った場合
診断
診断は主に診察で行います。医師が陰嚢や足のつけ根をやさしく触って、精巣の位置や大きさを確認します。
行われる可能性のある検査
- 視診・触診(陰嚢の中を直接目で見て、指で触って確認します)
- 超音波検査(おなかやそけい部の中の精巣を画像で確認します)
- 必要に応じてホルモン検査や腹腔鏡検査が行われることもあります
診察で予想されること
診察室では、お子さんを膝の上に抱っこして、足を少し開いた姿勢で診察します。寒いと精巣が引き上がって見つけにくくなることがあるので、暖かい部屋でゆっくり時間をかけて行います。痛みはありません。
治療
治療は、まず自然に下りてくるのを待ちます。生後3〜6か月を過ぎても下りていない場合は、手術を行います。早く治療するほど、将来の精巣の働きを守るうえで有利とされています。
自宅でのセルフケア
- おむつ替えや入浴のときに、陰嚢の状態をやさしく観察しましょう。
- 陰嚢や足のつけ根を強くこすったり圧迫したりしないようにします。
- 寒い時期は、精巣が上がって見つけにくくなることがありますが、心配いりません。
医療治療
医療機関では、ホルモン注射を使う方法もありますが、効果は限定的で、現在は標準的には行われません。第一選択は、精巣を陰嚢に固定する手術(精巣固定術)です。薬や自己流の処置は行わず、必ず医師の指導を受けてください。
手術が検討される場合
生後6か月〜1歳の間に、全身麻酔で手術を行います。手術は30分〜1時間程度で、おなかに小さな傷がつきます。多くの場合、日帰りまたは1泊で終わります。
この病気と共に生きる
治療を受けるまでは、ふだん通りの生活でかまいません。おむつ交換や入浴のついでに、陰嚢の状態をチェックします。気になる場合は、かかりつけの小児科に相談しましょう。
生活習慣のアドバイス
- 生後6か月までは自然に下りてくるのを待つため、定期健診を欠かさず受けましょう。
- 手術後は、一時的に股を広げる動作を控えるよう指示されることがあります。
- 中学生以降は、毎月1回、入浴時に自分の精巣を触ってチェックする習慣をつけましょう。
食事と運動
特別な食事制限はありません。バランスよく食べて、健康的な生活を心がけましょう。運動も、問題なく行えます。
精神的健康と心の健康
「おなかに入ったままだと何か悪いのでは」「将来子どもが作れないのでは」と心配になる保護者も多いです。しかし、ほとんどは治療で正常に近い状態になります。ひとりで抱え込まずに、医療者に質問しましょう。
予防
停留精巣は予防することはできませんが、生まれたときから定期的に精巣の位置を確認することで、必要な治療を遅らせずに受けることができます。
ワクチン
停留精巣を予防するためのワクチンはありません。
検診プログラム
新生児健診や1か月健診で必ず確認されているので、指摘がなければ安心してよいですが、気になる場合はいつでも医療者に聞いてください。
合併症
治療しない場合
- 精巣がおなかの中の体温の高い場所にあると、精子を作る働きが損なわれることがあります。
- 未治療のままでは、将来精巣がんになるリスクが高くなります。
- 精巣がつまった腸に引っかかり、痛みや腫れを起こすこともあります。
- 精巣が捻じれる精巣捻転を起こすリスクもあります。
長期的な見通し
早期に適切な治療を受ければ、多くの場合、精巣の働きはほぼ正常に保たれます。手術の成功率は95%以上と高く、がんや不妊のリスクも大きく減らせます。治療後も定期的にチェックしていけば、安心して生活できます。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年8月1日
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