内臓動脈瘤(ないぞうどうみゃくりゅう)
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
内臓動脈瘤とは、おなかの中の内臓(脾臓、肝臓、腎臓、膵臓など)に血液を送る動脈の一部が、風船のようにふくらんでしまう病気です。血管の壁が弱くなって、少しずつ大きくなることがあります。
重要な事実
- 多くは無症状で、健康診断やほかの病気の検査で偶然見つかることが多いです。
- 大きくなりすぎると破裂する危険があり、命にかかわることもありますが、早期発見・適切な管理で安全に過ごせる場合が多いです。
- 動脈瘤の大きさ・場所・症状によって、経過観察か治療かが決まります。
まれな病気です。特に脾臓にできる脾動脈瘤が最も多く、内臓動脈瘤全体の約半分を占めます。
主に中年から高齢の方に多く見られます。女性にやや多い傾向があります。妊娠中の方は血流の変化などの影響で脾動脈瘤ができやすいことがあります。
症状
- 突然、おなかや背中に激しい痛みが起こったとき
- 顔色が青白くなる、冷や汗、めまい、ふらつき、意識がもうろうとするなどのショック症状があるとき
- 痛みが休まることなく続き、立っていられないほどつらいとき
- ⚠数時間続くおなかの痛み
- ⚠原因不明の背中やわき腹の痛み
- ⚠痛みとともに吐き気や嘔吐があるとき
一般的な症状
- 無症状のことが大半です
- 時々、みぞおちやおなかの痛み、背部の違和感が起こることがあります
- 瘤が大きくなって周囲の臓器を圧迫すると、胃もたれや吐き気などの症状が出ることがあります
子供の症状
- 子どもでは非常にまれですが、血管が生まれつき弱い場合や、腹部のけがの後に見つかることがあります。
高齢者の症状
- 高齢者では症状が乏しく、腰や背中の痛み、食欲低下など、加齢に伴う不快な症状と区別しづらいことがあります。
原因
主な原因
- 動脈の壁が弱くなること(動脈硬化や、生まれつきの結合組織の弱さなど)
- 血管の壁に炎症が起こること(血管炎など)
- 腹部のけがや、細菌感染による血管の損傷
- 妊娠による血流の変化やホルモンの影響
リスク要因
- 脂質異常症(血中の脂質が基準値より高い状態)
- 膵炎などの炎症性疾患
- 動脈瘤の家族歴
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 急な激しい腹痛やショック症状がある場合は、すぐに救急車(119番)を呼んでください。
- 強い痛みが続く、または痛みがだんだん強くなる場合は、緊急で受診してください。
定期受診を予約すべき場合:
- 健康診断やほかの病気の検査で動脈瘤を指摘された場合は、専門医に相談してください。
- 腹部のエコーやCTなどで定期的な経過観察を続けることが大切です。
診断
多くは腹部エコーやCTなど、ほかの目的で行った画像検査の際に偶然見つかります。診断は画像検査で確定します。
行われる可能性のある検査
- 腹部エコー(超音波検査)
- CT(コンピューター断層撮影)
- MRI(磁気共鳴画像)
- 血管造影
診察で予想されること
まずは画像検査で動脈瘤の場所、大きさ、形、血流の状態を確認します。必要に応じて、循環器内科や血管外科、消化器内科などの専門医を紹介されます。
治療
治療は動脈瘤の大きさ、場所、症状、ほかの病気などをふまえて決めます。小さくて症状がない場合は、定期的に画像検査で経過を見ながら、血圧や生活習慣の管理を行います。大きくなっていたり、破裂のリスクが高い場合は、手術やカテーテル治療が検討されます。
自宅でのセルフケア
- 血圧を定期的に測り、高血圧を指摘されたら指示された治療を続ける
- 禁煙する
- 規則正しい生活と十分な睡眠をとる
- 急激な力みや腹部への衝撃を避ける
医療治療
血圧を下げる薬などで動脈瘤への負担を減らします(薬の名前や用法は医師の指示に従ってください)。感染や炎症が原因の場合は、その原因の治療を行います。
手術が検討される場合
動脈瘤が大きい場合、急速に大きくなっている場合、痛みなどの症状がある場合、破裂した場合は、外科的治療(瘤を取り除く、または血管を人工血管で置き換える)やカテーテル治療(血管内にコイルやステントを入れて血流を遮断する)を検討します。
この病気と共に生きる
動脈瘤が見つかっても、無症状で小さなものは日常生活を大きく制限する必要はありません。ただし、定期的な通院と画像検査による経過観察が欠かせません。
生活習慣のアドバイス
- 禁煙をしましょう
- 血圧を定期的に測り、正常に保つようにしましょう
- 重い荷物を持ち上げるなど、おなかに強く力を入れる動きは避けましょう
- 腹痛や背部痛など、体の変化を注意深くチェックしましょう
食事と運動
塩分を控えめに、野菜や果物をしっかりとり、バランスのよい食事を心がけましょう。運動はウォーキングなど軽い有酸素運動から始め、急に強度を上げないようにします。特に負荷の高い筋トレや腹部に圧力がかかる運動は、医師に相談してください。
精神的健康と心の健康
動脈瘤と聞くと不安になるのは自然なことです。心配なことや疑問は医師に遠慮なく聞き、納得して治療方針を決めることが大切です。
予防
すべての内臓動脈瘤を予防することはできませんが、高血圧や脂質異常症などの生活習慣病を管理し、禁煙することでリスクを減らせる可能性があります。
ワクチン
この病気に特化したワクチンはありません。
検診プログラム
特定の症状がなくても、腹部のエコーやCTで動脈瘤が見つかることがあります。家族歴などでリスクが高い方は、検診の際に医師に相談してみましょう。
合併症
治療しない場合
- 動脈瘤が大きくなりすぎて破裂すると、大量出血を起こし、命にかかわることがあります
- 瘤の中で血液の塊(血栓)ができ、それが剥がれて血管を塞ぐと、下流の臓器に障害が起きることがあります
- 瘤が周囲の臓器(胃や腸、神経など)を圧迫して、痛みや機能障害が出ることがあります
長期的な見通し
内臓動脈瘤は、早期に発見して適切に経過観察や治療を行えば、多くの場合予後は良好です。破裂のリスクが高くなった場合も、最新の外科治療やカテーテル治療により救命できる可能性が高くなっています。焦らず、医師と一緒に最善の方を選んでいきましょう。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年8月1日
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