難聴(聞こえにくさ)について
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
難聴とは、音が聞こえにくい、またはほとんど聞こえない状態をいいます。音は耳の外側から鼓膜、中耳、そして内耳の神経を通って脳に伝わります。このどこかに問題があると難聴が起こります。一時的なものと、長く続くものがあります。
重要な事実
- 難聴には、生まれつきのものと、年齢や病気・けがで起こるものがあります。
- 多くの場合、補聴器や周囲の工夫で生活しやすくなります。
- 突然起こる難聴は、すぐに医療機関を受診することが大切です。
- 聞こえが悪いと、人との会話が減り、心の健康にも影響することがあります。
はい。難聴はとても身近な症状で、年齢を重ねると誰でもある程度起こりえます。軽度から中等度の難聴は、特に成人から高齢者に多く見られます。
すべての年齢で起こり得ます。高齢者に最も多く、男性の方がやや多いとされます。小さな子どもや働き世代では、感染症や大きな音(騒音)が原因になることもあります。
症状
- 突然、片耳または両耳がまったく聞こえなくなった
- 難聴に加えて、強いめまい・顔の麻痺・手足のしびれ・呂律が回らないなどの症状がある
- 頭を強く打った後に聞こえにくくなった
- 耳から血や大量の液体が流れ出た
- ⚠突然(数日以内)に耳が聞こえにくくなった
- ⚠片耳だけ聞こえにくい、またはいつもと違う聞こえ方をする
- ⚠耳の強い痛み・発熱・耳だれがある
- ⚠外耳道に物が入った、強い耳鳴りが続く
一般的な症状
- 相手の話が聞こえにくい、聞き返すことが増える
- テレビの音量を大きくしないと聞こえない
- 耳鳴り(実際には音がないのにキーン・ジーンと聞こえる)がする
- 複数の人が話す場面で会話が聞き取りにくい
- 電話の声が聞き取りにくい
子供の症状
- 声をかけても反応しない、振り向かない
- 言葉の発達が遅いと感じる
- テレビを近くで見る、音を大きくしたがる
- 呼びかけに気づかない、ぼんやりしているように見える
高齢者の症状
- 話についていけないと感じて、会話を避けることがある
- 聞こえなかったことを「年だから」と我慢している
- 呼びかけに気づかない、返事が遅れる
- 新しい補聴器を嫌がる、使い慣れない
原因
主な原因
- 年齢による聞こえの変化(加齢性難聴)
- 大きな音(騒音)に長くさらされる、または爆発音などを一度聞く
- 耳垢がつまり聞こえにくくなる
- 中耳や内耳の感染症(中耳炎など)
- 耳の骨の異常や音を伝える器官の病気(耳硬化症など)
- 特定の病気(メニエール病、自己免疫疾患、腫瘍など)
- 特定の薬剤(服用中の薬の副作用)
リスク要因
- 大きな音のする職場やライブ・イヤホンでの大音量の音楽
- 家族に難聴の人がいる
- 糖尿病・高血圧などの生活習慣病
- 耳かきなどの習慣による外傷
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 突然の難聴(特に片耳)
- 聞こえにくいのに加えて、めまい・耳鳴り・耳の痛み・耳だれがある
- 頭を打った後の聞こえにくさ
定期受診を予約すべき場合:
- 音は少し聞こえるが、会話が聞き取りにくいと感じる
- テレビの音量が周りから大きいと言われる
- 耳鳴りが続く、気になる
- 子どもの言葉の発達や聞き返しが気になる
- 健康診断で聴力検査をすすめられた
診断
医師が問診で症状を詳しく確認し、耳の外側から状態を見て、聴力検査でどのくらい聞こえているかを数値で調べます。原因によっては画像検査や血液検査を行うこともあります。
行われる可能性のある検査
- 耳の観察(耳鏡検査)
- 聴力検査(音が聞こえるかどうかを調べる)
- 鼓膜の動きや中耳の状態を調べる検査(ティンパノメトリー)
- 場合により、CTやMRIなどの画像検査
- 音が聞こえる仕組みの電気的な検査(聴性脳幹反応など)
診察で予想されること
聴力検査では、ヘッドホンから音が聞こえたらボタンを押すなど、簡単な操作で行われます。痛みはありません。検査結果をもとに、医師が原因や治療方針を説明してくれます。
治療
難聴の治療は、原因によって異なります。例えば感染症なら薬で治療しますが、年齢による難聴は元通りにすることは難しく、補聴器などの機器を使い、聞こえをサポートする方法が中心になります。医師や言語聴覚士などと一緒に、あなたに合った方法を見つけることが大事です。
自宅でのセルフケア
- 大きな音を避ける、ヘッドホンやイヤホンの音量を大きくしない
- 聞き取れなかったら自然に聞き返す、相手に伝えやすい環境づくり
- 耳垢が気になるときは自己流で強くかき出さない
- 周囲に難聴であることを伝え、協力を求める
医療治療
感染症による中耳炎などには、抗生物質などの薬が使われることがあります。ただし、難聴を治す薬は限られており、医師が状況に合わせて判断します。補聴器のほか、重度の難聴には人工内耳などの機器を検討する場合もあります。内耳や中耳の病気に対して、手術を行うこともあります。
手術が検討される場合
例えば中耳の骨が癒着して起こる難聴(耳硬化症)や、慢性の中耳炎による難聴には手術が有効な場合があります。また、重度の反対側も聞こえない難聴には人工内耳の手術が選択されることがあります。医師と納得いくまで相談しましょう。
この病気と共に生きる
聞こえにくさは、あなたの努力だけでは解決しにくいこともあります。家族や友人、職場に「聞こえにくい」と伝え、配慮してもらうことで気持ちが楽になります。耳の聞こえの専門家(耳鼻咽喉科医、言語聴覚士)に相談しながら、毎日を過ごしやすくする方法を探しましょう。
生活習慣のアドバイス
- 夜更かしや疲れすぎを避け、ストレスをためない
- 大きな音の中では耳栓を使う
- テレビは字幕を使う、話すときは相手の口元を見る
- 聞こえの変化を記録しておく
食事と運動
特別な食事で難聴が治るという証拠はありません。ただし、糖尿病や高血圧などの生活習慣病があると難聴が進みやすくなる可能性があるため、バランスのよい食事と適度な運動を心がけましょう。水分をしっかりとり、無理のない範囲で体を動かしてください。
精神的健康と心の健康
聞こえにくいと、会話や外出がおっくうになり、孤独感や落ち込みを感じることがあります。それは自然なことです。つらい気持ちを一人でため込まず、家族や友人に話す、かかりつけ医に相談するなどの方法をとりましょう。気分が重く続く場合は、心のケアの専門家に相談することも選択肢です。
予防
加齢による難聴は完全に防ぐことはできませんが、大きな音を避けることである程度防げる場合があります。耳元で大きな音を聞かない、騒音の多い場所では耳栓を使うなどの工夫が効果的です。感染症による難聴は、予防接種で防げる場合があるので、医師に相談しましょう。
ワクチン
おたふくかぜや髄膜炎など、難聴の原因になる感染症を防ぐワクチンがあります。定期接種の対象かどうかは年齢や自治体によって異なりますので、かかりつけ医や自治体の窓口に確認してください。
検診プログラム
日本では新生児を対象に聴覚検査が行われています。また、自治体や職場の健康診断で聴力検査を受けられることもあります。小さな子どもの言葉の発達が気になるときは、早めに専門医へ相談しましょう。
合併症
治療しない場合
- 会話がうまくいかず、人との交流が減って孤立しがちになる
- 認知機能の低下リスクが高まる可能性が指摘されている
- 突然の難聴で受診が遅れると、聞こえが戻りにくくなることがある
- 耳鳴りやめまいを伴う難聴では、転倒などの事故リスクが高まることがある
長期的な見通し
難聴は、多くはゆっくり進行しますが、適切なサポートを受ければ生活の質を十分に保つことができます。補聴器や周囲の理解により、会話や人間関係を楽しみながら続けられる方がたくさんいます。進行性の難聴でも、医師や支援者と協力しながら、自分らしい毎日を送ることができます。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
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