ためこみ症(収集癖)について
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
ためこみ症は、物を捨てることができず、必要以上にためこんでしまうことで、生活する場所や心の健康に大きな影響が出る病気です。ただの「片づけ下手」ではなく、れっきとした精神疾患の一つです。
重要な事実
- 物を捨てられず、家の中が物であふれて生活がしにくくなります。
- 本人は「必要な物」と思っていて、困っていないと感じることもあります。
- 専門の治療や支援で改善できる可能性があります。
日本では、どのくらいの人がためこみ症か正確にはわかっていませんが、100人に数人の割合でみられる可能性があるといわれています。
どの年代でも起こりますが、特に高齢になるほど増えることが知られています。男性にも女性にもみられます。
症状
- 家の中の物が倒れてけがをした、閉じ込められたなど、命や安全に関わる場合は、すぐに119番に電話してください。
- ⚠自傷行為や、話しかけても反応がおかしい、急に家を片付けられなくなり生活が危なくなったときは、早めに医療機関や相談窓口に連絡してください。
一般的な症状
- 不要な物を捨てられない
- 家が物で埋まり、床や机が使えない
- 必要な物を探すのが難しくなる
- 物を捨てることに強い不安や苦痛を感じる
- 家族や近所との関係に問題が起きる
原因
主な原因
- 原因は一つではなく、物の価値についての考え方、気分や不安の問題、脳の働きの特徴、これまでの経験などが複雑に関わっていると考えられています。
- そのほか、人間関係や生活の中でのストレスがきっかけになることもあります。
リスク要因
- 物を無駄にできないという考えが強い
- 不安やうつになりやすい
- 家族に同じような傾向がある
- 長く一人暮らしをしている
- 過去に大切な物を失った経験がある
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 自分や家族の安全が心配なとき
- 部屋の状況が原因でケガをした、火事になりそうなとき
定期受診を予約すべき場合:
- 物が増えて日常生活がしにくくなっている
- 家族が困っている
- 物を捨てることへの不安が強く、自分でどうにかしたいと思ったとき
診断
ためこみ症の診断は、お話を聞くことや行動を見ることが中心です。本人が困っているとは限らないので、家族の話を聞くこともあります。
行われる可能性のある検査
- 特別な血液検査や画像検査はありません。
- 心配な病気がないか確認するため、医師の判断で質問紙や心理検査を行うことがあります。
- 診察や問診だけで決まることがほとんどです。
診察で予想されること
診察では、どのくらい物がたまっているか、生活にどんな影響が出ているか、気分や不安の状態などを聞かれます。時間がかかることもありますが、無理に全部を話す必要はありません。
治療
治療は、認知行動療法という心理的な支援が中心です。物を捨てることへの不安に向き合い、考え方や行動を少しずつ変えていくことを目指します。必要に応じて、訪問支援や薬による治療を組み合わせることもあります。
自宅でのセルフケア
- まずは、今日捨てられる物を1つだけ選んで捨ててみる
- 家族や友人に手伝ってもらう
- 「もしかしたら使うかも」という考えにとらわれすぎないようにする
- 小さなゴミから始めて、机の上など限られた場所をきれいにする
医療治療
医師による治療では、認知行動療法を中心に、不安やうつの気持ちを和らげるお薬(一般的なうつ病や不安症に使われるお薬)が使われることがあります。具体的な薬の名前や量は、医師と相談して決めるものです。
この病気と共に生きる
ためこみを改善するには、長い時間がかかることがあります。1人で抱え込まず、家族や専門家と話しながら、少しずつ目標を立てて進めることが大切です。
生活習慣のアドバイス
- 物の出入りを記録する
- 定期的に家族が部屋を見る日を決める
- 整理の時間を決めて、少しずつ片付ける
- 地域の片づけ支援や訪問サービスを利用する
食事と運動
食べすぎや運動不足は気分に影響することがあります。無理のない範囲で散歩をしたり、バランスのよい食事を心がけましょう。
精神的健康と心の健康
ためこみ症は、恥ずかしいことや怠けているだけと思われがちですが、れっきとした心の病気です。物を捨てられないことへの罪悪感や焦りが強くなることがあります。そうした気持ちもケアの対象になります。
予防
ためこみを完全に予防する方法はまだわかっていませんが、物を必要以上にため込みそうになったときに早めに相談したり、生活環境を整えたりすることで、悪化を防ぐことはできます。
合併症
治療しない場合
- 転倒やけが、火災のリスクが高まる
- 衛生面の問題が起こりやすくなる
- 家族や近所の人とのトラブルが生じる
- うつや不安など心の不調を併発しやすくなる
長期的な見通し
ためこみ症は、治療や支援によって改善できる可能性があります。すぐには変わらないかもしれませんが、あきらめずに一歩ずつ進めば、自由で快適な生活を取り戻せます。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年8月1日
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