セロトニン症候群
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
セロトニンは脳や体内で働く化学物質のひとつで、気分や食欲、体温などを調整しています。セロトニン症候群は、このセロトニンが体内で過剰になることで、さまざまな症状があらわれる状態を指します。
重要な事実
- セロトニンを増やす薬を併用すると起こりやすくなります。
- 軽い症状から命に関わる重い症状まであります。
- 早く気づいて治療すれば、多くの場合数日で回復します。
まれですが、セロトニンに影響する薬を飲んでいる人では、ときどき起こります。原因となる薬の使用が増えるにしたがって、日本でも注目されています。
セロトニンに影響する薬を飲んでいる人、特に複数の薬を併用している人や、新しく薬をはじめたばかりの人に起こりやすいです。高齢の方や、肝臓・腎臓の働きが弱っている人も注意が必要です。
症状
- けいれん(ひきつけ)
- 呼びかけに反応しない、意識がもうろうとする
- 高い熱(39度以上)が続く
- 激しい筋肉のこわばり
- 呼吸が速い、息苦しい
- こまかい筋肉のピクつきが全身に広がる
- これらの症状がある場合は、ためらわずに119番へ電話してください。
- ⚠混乱している(言動がおかしい)
- ⚠体の震えやピクつきが止まらない
- ⚠急な高熱
- ⚠強い頭痛、吐き気が続く
一般的な症状
- 落ち着かない感じ、興奮
- 体の震え、筋肉のピクつき(目に見える小さな動き)
- 汗が急に出る
- 吐き気や下痢
- 動悸がする
- 瞳孔が開く
原因
主な原因
- セロトニンの量を増やす薬を服用している(一部の抗うつ薬、片頭痛薬、乗り物酔い薬など)
- セロトニンに影響する薬を市販薬や漢方薬、サプリメントと併用した
- 服薬量が多くなった、あるいは新しい薬を加えた
リスク要因
- 複数のセロトニン関連薬を飲んでいる
- 薬を飲み始めたばかり、または用量を増やしたばかり
- 肝臓や腎臓の機能が低下している
- 脱水になりやすい
- 高齢である
受診の目安
診断
症状とこれまでの服薬状況にもとづいて診断します。特定の検査で「これが陽性」というものはありません。医師は、最近飲んだ薬やサプリメントを詳しく尋ねます。
行われる可能性のある検査
- 問診(服薬歴、症状)
- 身体診察(脈、血圧、体温、神経の状態など)
- 血液検査(電解質や腎機能、他の病気の可能性を調べる)
診察で予想されること
問診で薬のリストを確認し、原因として考えられる薬を特定します。必要に応じて血液検査などをおこない、症状の強さに応じて、入院して経過をみることもあります。
治療
治療の基本は、原因となった薬を中断または調整することです。症状が中等度以上の場合は、病院で点滴や体温管理などの支持療法がおこなわれます。薬で症状を落ち着かせることもあります。
自宅でのセルフケア
- 医師に指示されたとおりに服薬する(自己判断で中止しない)
- 医師・薬剤師に、調剤薬を含めてすべての薬とサプリメントを伝える
- 水分をしっかりとり、体を冷やすなどして熱を下げる努力をする
医療治療
症状に応じて、輸液(点滴)による水分補給、体温を下げる処置、筋肉のこわばりや不安を和らげる薬、必要に応じて集中治療室での管理などが選択されます。具体的な薬は、症状や状態に合わせて医師が選びます。
この病気と共に生きる
一度セロトニン症候群を経験した後は、医師と一緒に処方薬、市販薬、サプリメントをすべて見直し、安全な服薬計画をつくることが大切です。
生活習慣のアドバイス
- 薬の飲み合わせが分からないときは、必ず医師か薬剤師に相談する
- セロトニン症候群の初期症状(震え、イライラ、動悸)を覚えておく
- 受診のたびに、現在の薬のリストを提示する
食事と運動
特別な食事はありませんが、水分を十分にとり、激しい運動で体を酷使しないようにしましょう。薬を変えた直後は、体調の変化に注意しながら無理のない運動を心がけてください。
精神的健康と心の健康
病気や副作用について不安になるのは自然なことです。医師や薬剤師に安心して相談できる関係を築き、必要に応じて心理的なサポートも利用しましょう。
予防
はい。セロトニンに影響する薬を複数飲む場合は、必ず医師や薬剤師に伝えることで、多くの場合予防できます。厚生労働省も、複数の薬を使う際には医師や薬剤師に相談することを推奨しています。また、処方された用量を守り、自己判断で追加したりやめたりしないことが大切です。
合併症
治療しない場合
- 症状が進行し、けいれんや意識障害が起こることがあります
- 高熱と筋肉のこわばりによって、腎臓や心臓に負担がかかることがあります
- まれに、命に関わる状態になる可能性があります
長期的な見通し
適切な治療により、多くの人は数日から1週間以内に回復します。症状が改善したあとも、同じような原因を避けることで、再発を防ぐことができます。心配なときはいつでも医療者に相談してください。
サポートを探す
外部リンクは第三者のウェブサイトを開きます。Ruqelo は外部コンテンツについて責任を負いません。団体名の掲載は推奨を意味するものではありません。
必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
関連する疾患
情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
免許を持つ医療者のアドバイスを補うために使い、代わりにはしないでください。
症状が重篤、悪化、または緊急の場合は、地域の救急番号に電話するか、緊急医療を受けてください。