副鼻腔炎(ちくのう症)とは?症状・治療・予防
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
副鼻腔炎(ふくびくうえん)は、鼻の周りにある骨の中の空洞「副鼻腔」に、ウイルスや細菌が入り込んで炎症を起こす病気です。別名「ちくのう症」とも呼ばれます。風邪がきっかけで起こることが多く、鼻づまりや顔の痛みなどの症状が続きます。
重要な事実
- 多くは風邪の後に起こります。
- 多くの場合、数週間のうちに自然に改善します。
- 長引く場合は、耳鼻咽喉科(じびいんこうか)で相談しましょう。
副鼻腔炎は、とても身近な病気です。風邪をひいた人の多くに軽い副鼻腔の炎症があります。日本では、アレルギー性鼻炎と併発することも多い病気です。
子どもから大人まで、どの年代でも起こります。特に、風邪をひきやすい人、アレルギー性鼻炎がある人、鼻の形に問題がある人、たばこを吸う人はかかりやすい傾向があります。
症状
- 今までにない強い頭痛
- 呼びかけに反応しない・意識がもうろうとする
- 片目が腫れて見えにくくなる・物が二重に見える
- 首が硬くて動かせない
- 激しい吐き気・嘔吐
- このような症状がある場合は、すぐに119番で救急車を呼んでください
- ⚠40度近い高熱が続く
- ⚠痛みが強く、つらくて動けない
- ⚠目の周りや頬が急に腫れてきた
- ⚠顔のしびれや麻痺の感じがある
- ⚠このような場合は、その日のうちに医療機関へ連絡してください
一般的な症状
- 鼻水・鼻づまり
- 顔や目の周りの重い感じ・痛み
- 嗅覚(におい)がにぶくなる
- 黄色や緑色の鼻水
- 熱(多くの場合は微熱)
- 歯の痛み(上の歯が痛むことがある)
子供の症状
- 長引く鼻水や鼻づまり
- 夜のせきやいびき、睡眠の乱れ
- 目の周りの腫れ
- イライラしたり、元気がない
- 頭痛や腹部の痛みを訴えることもある
高齢者の症状
- 発熱や痛みをあまり感じないことがある
- 頭が重い、ぼんやりする
- 食欲が落ちる
- 鼻腔の炎症が気づかれにくく、長引くことがある
原因
主な原因
- 風邪やインフルエンザなどのウイルス感染
- 風邪のあとに細菌が入り込む二次感染
- アレルギー性鼻炎による粘膜の腫れ
- 副鼻腔の出口がふさがれる(鼻の中の構造上の問題)
- まれに、虫歯や歯周病などの歯の病気が広がる
リスク要因
- よく風邪をひく
- アレルギー性鼻炎や鼻づまりが続く
- たばこを吸う・受動喫煙がある
- 免疫力が低下している(疲労、睡眠不足など)
- 鼻の中のポリープ(鼻茸)がある
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 強い頭痛や目の周りの腫れがある
- 熱が高く、ぐったりしている
- 症状が急に悪化した
定期受診を予約すべき場合:
- 鼻症状が10日以上続く
- 一度よくなったのに再び悪くなった
- 生活に支障があるほどつらい
診断
医師が鼻の中を特殊なライトや内視鏡で観察し、症状とあわせて診断します。場所や広がりを確認するために、レントゲンやCTという画像検査を勧められることもあります。
行われる可能性のある検査
- 鼻の中の観察(内視鏡検査)
- CTやレントゲンによる画像検査
- アレルギー検査(原因がアレルギーかどうか)
- 必要に応じて、鼻水の細菌検査
診察で予想されること
診察では、いつからどんな症状があるか、鼻の中の状態を確認します。特に長引く場合はCT検査で副鼻腔全体の様子を見ることがあります。痛みを伴う検査はほとんどありません。
治療
治療の目標は、副鼻腔の通り道を開いて炎症をしずめることです。原因がウイルスか細菌か、アレルギーかによって方針が変わります。軽症のうちは、休養と家庭でのケアだけで自然によくなることもあります。厚生労働省の指針でも、多くの急性副鼻腔炎は特別な治療をしなくても改善するとされています。
自宅でのセルフケア
- 湯気を吸う、温かいタオルを鼻や顔にあてる
- お風呂に入って体を温める
- こまめに水分をとる
- 鼻のかみすぎに注意(強くかむと炎症が悪化することがある)
- 部屋を加湿し、乾燥を防ぐ
- 頭を少し高くして休む
医療治療
医師は症状に合わせて、鼻水をやわらかく出しやすくする薬、炎症やアレルギーを抑える薬、痛みや熱を和らげる薬などを処方します。細菌感染が疑われる場合には抗生物質が使われることもありますが、どの薬が必要かは医師が判断します。薬局で市販の薬を選ぶときは、必ず薬剤師や登録販売者に相談してください。
手術が検討される場合
薬で改善しない慢性副鼻腔炎や、鼻茸(はなたけ)が原因の場合、内視鏡で副鼻腔の通りをよくする手術が検討されることがあります。必ず耳鼻咽喉科医と相談したうえで決めます。
この病気と共に生きる
つらい症状の間は、無理をせず体を休めることが基本です。部屋の湿度を保ち、鼻をやさしく掃除することで、症状が軽くなることがあります。長く続く場合は、耳鼻咽喉科で定期的なケアを受けるのもよい方法です。
生活習慣のアドバイス
- 睡眠をしっかりとる
- 禁煙し、たばこの煙を避ける
- 加湿器やマスクを活用して乾燥を防ぐ
- アレルギーが原因の場合は、掃除やほこり対策をする
食事と運動
バランスのよい食事を心がけ、水分を十分にとりましょう。体を温める食べ物(スープやしょうがなど)もおすすめです。急な運動は避け、日常的に軽い運動を続けることで感染症にかかりにくくなります。
精神的健康と心の健康
鼻づまりや痛みが長く続くと、眠りが浅くなり、集中力の低下や気分の落ち込みを感じることがあるかもしれません。つらい気持ちは我慢しすぎず、家族や友人に話したり、医療機関に相談してください。気分の落ち込みが続く場合は、精神科や心療内科、各自治体の相談窓口を頼ってください。
予防
副鼻腔炎そのものを完全に防ぐことは難しいですが、風邪やインフルエンザを予防することで、リスクを減らすことができます。手洗い・うがい、十分な睡眠、バランスのよい食事、部屋の加湿を心がけましょう。
ワクチン
インフルエンザワクチンや肺炎球菌ワクチンは、副鼻腔炎を引き起こす感染症の予防に役立つ可能性があります。かかりつけ医に相談してみましょう。
検診プログラム
副鼻腔炎のための特別な検診はありません。しかし、鼻症状が長引くときは、放置せずに医療機関を受診することが大切です。
合併症
治療しない場合
- 炎症が長引いて慢性副鼻腔炎になる
- 目の周りの炎症(眼窩内合併症)を起こす
- まれに、感染が脳や頭蓋骨の内側に広がる
- 鼻茸ができて鼻づまりが悪化する
長期的な見通し
適切な治療を受ければ、急性副鼻腔炎は多くの場合、数週間で治ります。慢性化しても、治療と日常のケアで症状はうまくコントロールできます。怖がりすぎず、医師と一緒に自分に合った対策を続けていきましょう。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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