原発性胆汁性胆管炎(PBC)について知っておきたいこと
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
原発性胆汁性胆管炎(PBC)は、肝臓の中で胆汁を作る小さな通り道(胆管)がゆっくりと傷つき、炎症が続く病気です。胆汁は脂肪の消化に大切な液体ですが、胆管が傷つくと流れが悪くなり、肝臓にたまって細胞を傷つけることがあります。原因はまだはっきりしませんが、自分自身の免疫システムが誤って胆管を攻撃してしまう「自己免疫」の一種と考えられています。
重要な事実
- 自己免疫性の肝臓の病気で、ゆっくり進行する
- 主に中年の女性に多く、まれな病気である
- 早期発見・治療により進行を遅らせることができる
- 代表的な症状は「だるさ」と「皮膚のかゆみ」
PBCはまれな病気で、日本では厚生労働省の指定難病にされています。男性より女性に多く見られますが、正確な患者数はわかっていません。
40代から60代の女性に最も多い病気ですが、男性や若い方、ごくまれに子どもにも起こることがあります。
症状
- 突然、意識がもうろうとする場合は、すぐに119番へ電話してください
- 血を吐く、または黒くてタールのような便が出る場合は、すぐに119番へ電話してください
- 激しい腹痛が突然起こる場合は、すぐに119番へ電話してください
- 急に息苦しくなる場合は、すぐに119番へ電話してください
- ⚠皮膚や白目が黄色くなった
- ⚠これまでにない強いだるさがある
- ⚠高熱が出ている
- ⚠かゆみがひどくて眠れない
一般的な症状
- ひどい疲労感・だるさ(最も多い症状)
- 皮膚のかゆみ(特に夜や入浴後に強くなることがある)
- 目や口の中の乾き
- 右上腹部の不快感や痛み
- 皮膚や目が黄色くなる黄疸(進行したときに見られる)
子供の症状
- PBCは子どもには非常にまれな病気です。もし子どもに長引くだるさやかゆみ、皮膚や目が黄色いなどの症状があれば、小児科で相談してください。
高齢者の症状
- 高齢者では、だるさやかゆみを「年のせい」と見逃しがちですが、症状が続く場合はかかりつけ医に相談することが大切です。高齢で見つかった場合も、治療で進行を抑えられることが多いです。
原因
主な原因
- 自己免疫反応:免疫システムが自分の胆管を攻撃してしまう
- 遺伝的な要因:家族に同じ病気の人がいると発症しやすい
- 環境要因:細菌感染や喫煙などが引き金になる可能性がある
リスク要因
- 40〜60歳
- 家族歴(家族にPBCや他の自己免疫疾患がある)
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 皮膚や白目が黄色くなった
- 発熱とともに右上腹部に強い痛みがある
- 急に体がむくんできた、またはお腹が膨らんできた
定期受診を予約すべき場合:
- 何週間も続くだるさやかゆみがある
- 口や目の乾きが気になる
- 健康診断で肝機能の数値の異常を指摘された
診断
まず問診と血液検査を行い、肝機能や胆汁の流れに関する数値、PBCに特徴的な抗体(抗ミトコンドリア抗体)を調べます。必要に応じて、超音波やMRIなどの画像検査や、肝臓の組織を少量取り出して調べる肝生検を行うこともあります。
行われる可能性のある検査
- 血液検査(肝機能、胆道系酵素、抗ミトコンドリア抗体など)
- 腹部超音波(エコー)検査
- MRIやCTなどの画像検査
- 肝生検(小さな組織を取って顕微鏡で調べる検査)
- 線維化スキャン(肝臓の硬さを測る検査)
診察で予想されること
診断は専門の消化器内科や肝臓内科で行われます。血液検査から結果が揃うまで数週間かかることもありますが、痛みを伴う検査は少なく、安心して受けられます。診断が確定したら、治療方針と生活の注意点について医師と話し合いましょう。
治療
PBCは現在のところ完全に治す薬はありませんが、病気の進行を遅らせる治療法があります。また、だるさやかゆみなどの症状を和らげる治療も行います。早くから治療を始めれば、多くの方は普通に近い生活を長く続けることができます。
自宅でのセルフケア
- お酒(アルコール)は控えめにする、できればやめる
- 禁煙する
- 体重を適正に保つ
- 疲れたら休息を取り、無理をしない
- 気になる症状は我慢しないで医師に相談する
医療治療
胆汁の流れをよくするお薬や、免疫の働きを調整するお薬などが使われます。かゆみに対しては、かゆみを抑えるお薬や保湿剤が処方されることがあります。具体的な薬の選択や服用量は、医師が患者さんの状態に合わせて決めます。サプリメントを使いたいときは、必ずかかりつけ医に相談してください。
手術が検討される場合
病気がかなり進行して肝臓の機能が低下した場合は、肝移植という手術が治療の選択肢になることがあります。移植を検討するかどうかは、肝臓の状態や全身の健康状態を総合的に判断し、専門の医療チームと相談しながら決めます。
この病気と共に生きる
PBCは長く付き合っていく病気です。規則正しい生活、バランスのよい食事、適度な運動を心がけましょう。疲労感が強いときは、活動量を少し減らしてもかまいません。自分のペースを大切にしてください。
生活習慣のアドバイス
- 無理のない範囲で運動を続ける(ウォーキングなど)
- 十分な睡眠をとる
- ストレスをため込まない
- 定期的に医療機関を受診する
- アルコールを控える
食事と運動
特別に避けなければならない食べ物はありませんが、肝臓に負担をかけないよう、塩分や脂肪が多い食事は控えめにし、野菜や果物を中心としたバランスのよい食事を心がけましょう。ウォーキングや軽い体操などの有酸素運動は筋肉を保ち、だるさの改善にも役立つと言われています。ただし、過度な運動は避けてください。
精神的健康と心の健康
慢性的な病気と向き合うことは、時に不安やストレスを感じることもあります。特にだるさやかゆみは周囲に理解されにくい症状のため、孤独感を抱える方もいます。そのようなときは、一人で悩まず、医師や看護師、薬剤師に話してみてください。必要に応じてカウンセリングも選択肢になります。
予防
PBCは自己免疫の病気のため、はっきりとした予防法はまだ確立されていません。早期発見と早期治療が最も大切です。健康診断をきちんと受けて、肝機能の異常を早めに見つけましょう。
ワクチン
ワクチンでPBCを予防することはできませんが、肝臓に負担をかけるウイルス性肝炎(A型・B型)やインフルエンザなどの予防接種を受けておくと安心です。予防接種を受ける際は、現在の病気や治療について医師と相談して決めましょう。
検診プログラム
PBCに特化した集団検診はまだありませんが、一般的な健康診断の血液検査で肝臓の数値がわかります。肝機能の数値に異常があると言われたら、放置せずに再検査を受けましょう。
合併症
治療しない場合
- 肝硬変:肝臓が硬くなり、働きが低下する
- 肝不全:肝臓の機能が大きく損なわれる
- 食道静脈瘤:食道の血管が腫れて、破裂すると出血を起こす
- 骨粗鬆症:骨がもろくなる
- 脂溶性ビタミンの吸収低下
長期的な見通し
PBCはゆっくり進む病気ですが、適切な治療を続ければ、多くの方は数十年にわたって普通に近い生活を送れます。治療の進歩により、肝移植をせずに済む方も増えています。診断されたことを悲観しすぎず、医師と一緒に前向きに治療を続けていくことが大切です。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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