リステリア症(リステリア感染症)とは?症状・予防・治療と注意点
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
リステリア症は、リステリア・モノサイトゲネスという細菌によって起こる感染症です。この細菌は土や水、動物の腸の中など、自然界のさまざまな場所にいます。食品を通じて人に感染することが多く、妊婦さんや高齢者、免疫力が低下している人は特に注意が必要です。
重要な事実
- リステリア菌は低温でも生きられるため、冷蔵庫の中でも増えることがあります。
- 十分に加熱すれば菌は死にますが、生や加熱不足の食品、加熱後に再び汚染された食品が感染源になります。
- 健康な大人では症状が出ないか、風邪に似た軽い症状で終わることがほとんどです。
- 妊娠中の感染は、おなかの赤ちゃんに影響する可能性があるため、特に注意が必要です。
リステリア症は、日本では比較的まれな病気です。ただし、妊娠中や高齢の方、免疫力が低下している方では、重症化するリスクがあります。
どなたでもかかる可能性がありますが、特に妊婦さん、新生児、高齢者、がん治療中や臓器移植後などで免疫力が低下している方に重症化しやすい傾向があります。
症状
- 激しい頭痛と首のこわばりがある
- 意識がもうろうとする、呼びかけに反応しない
- けいれんが起きる
- 呼吸が速い、苦しそう
- 妊娠中に高熱やふるえがある
- ⚠39度以上の高い熱が続く
- ⚠激しい下痢や嘔吐で水分が取れない
- ⚠赤ちゃんや小さな子どもがぐったりしている
- ⚠妊娠中に発熱や倦怠感がある
一般的な症状
- 倦怠感(だるさ)
- 吐き気や下痢などの消化器症状
子供の症状
- 発熱のほか、ぐずる、母乳やミルクを飲まない、元気がないなどの症状が見られることがあります。
- 新生児では、呼吸が速い、体温が低いなどの重症なサインが出ることがあります。
高齢者の症状
- 頭痛、首のこわばり、意識の混乱、けいれんなど、脳や脊髄に炎症が及ぶ症状が出ることがあります。
- 敗血症(血液中に細菌が入り、全身に広がる重い感染症)を起こすこともあります。
原因
主な原因
- リステリア菌に汚染された食品を食べることで感染します。
- 代表的な感染源は、加熱不十分な肉や魚、非殺菌乳(生乳)、ナチュラルチーズ、スモークサーモン、生ハム、カット野菜などです。
リスク要因
- 妊娠している
- 65歳以上
- 免疫力が低下している(がん治療、臓器移植、糖尿病、腎臓病など)
- ステロイドや免疫抑制薬を使用している
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 妊娠中に発熱やインフルエンザのような症状がある
- 高熱、頭痛、首のこわばり、意識の変化がある
- 赤ちゃんや小さな子どもに症状がある
定期受診を予約すべき場合:
- 心配な症状が続く場合
- 思い当たる食品を食べた後に体調が悪くなった場合
- 免疫力が低下している方で、少しでも気になる症状がある場合
診断
医師が症状や最近食べたものを確認し、必要に応じて血液や髄液などの検査を行います。リステリア菌が見つかれば診断が確定します。
行われる可能性のある検査
- 血液検査(血液の中の細菌を調べます)
- 髄液検査(背中から針を刺して、脳脊髄液を調べます。髄膜炎が疑われる場合)
- 便検査(消化器症状がある場合)
- 妊娠中は、羊水や胎盤の検査が行われることもあります
診察で予想されること
診察では、症状の経過や、最近食べたものについて詳しく聞かれます。検査結果によっては、そのまま治療を始めることもあります。妊婦さんは、産科と内科の医師が連携して対応します。
治療
症状が軽く健康な方の場合、特別な治療をせず経過を観察することもあります。一方、妊娠中や高齢者、免疫力が低下している方では、重症化を防ぐために抗菌薬による治療が行われます。治療は医師の指示に従って行う必要があります。
自宅でのセルフケア
- 安静にして十分に休む
- 水分をこまめに取る(下痢や嘔吐がある場合は特に)
- 消化の良いものを食べる
- 手洗いをしっかり行い、家族にうつさないようにする
医療治療
リステリア症の治療には抗菌薬が使われます。妊娠中でも安全に使える抗菌薬が選ばれます。重症な場合は、入院して点滴による治療が行われます。治療期間は症状や重症度によって異なりますが、医師の指示に従って最後まで治療を続けることが大切です。
手術が検討される場合
リステリア症で手術が必要になることは通常ありません。
この病気と共に生きる
治療中は、体調の変化に注意しながら無理をせず過ごしましょう。高熱や頭痛などの症状が悪化したら、すぐに医療機関に連絡してください。
生活習慣のアドバイス
- 医師から指示された期間、通院や治療を続ける
- 規則正しい生活を心がける
- 十分な睡眠と栄養を取る
- 予防のための食品衛生に気をつける
食事と運動
治療中は激しい運動は避け、体調が回復してから徐々に日常生活に戻るようにしましょう。食事は、加熱したものを中心に、生ものや加熱不十分なものは避けてください。
精神的健康と心の健康
特に妊娠中の感染では、赤ちゃんへの影響を心配して強い不安を感じることがあります。不安な気持ちは一人で抱え込まず、医師や看護師、助産師に相談してください。精神的なつらさを感じたら、信頼できる人や医療機関、自治体の相談窓口にご相談ください。緊急の場合は119番に電話してください。
予防
リステリア症は、食品の安全を守ることで防ぐことができます。具体的には、①肉や魚は中心部まで十分に加熱する、②生乳や非殺菌乳製品(ナチュラルチーズなど)を避ける、③調理済み食品や生で食べる食品は、なるべく早く食べる、④冷蔵庫の温度は低めに保ち、保存しすぎない、⑤調理の前後や食事の前には手を洗う、⑥カット野菜や総菜も消費期限を守る、⑦妊娠中や免疫力が低下している方は、生ハムやスモークサーモンなどのリスクの高い食品を控える、ということを心がけましょう。
ワクチン
リステリア症を予防するワクチンは、現時点ではありません。
検診プログラム
健康な人を対象とした定期検診はありません。妊娠中の血液検査で診断されることはありますが、一般的な妊婦健診には含まれていません。
合併症
治療しない場合
- 髄膜炎(脳や脊髄のまわりの膜に炎症が起きる重い状態)
- 敗血症(細菌が血液中に入り、全身に広がる重い感染症)
- 妊娠中の感染では、流産、早産、死産につながる可能性がある
- 新生児の感染では、呼吸障害や脳障害などの重い合併症が起きることがある
長期的な見通し
健康な大人では、多くの場合、軽い症状で自然に治ります。妊娠中や高齢者、免疫力が低下している方でも、早期に診断・治療を受ければ、回復が期待できます。治療は少し長くかかることがありますが、医師の指示に従って治療を続けることが大切です。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年8月1日
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