月経過多(重い月経出血)
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
月経過多とは、月経のときに出血する量がとても多かったり、出血が長く続いたりする状態です。月経自体は女性に自然に起こるものですが、月経過多になると日常生活に支障が出ることがあります。原因となる病気がある場合もあり、適切な診察と治療が必要です。
重要な事実
- 月経過多は、多くの女性が一度は経験する一般的な症状です。
- 出血が多すぎると鉄分が不足し、貧血(血液が薄くなる状態)を起こしやすくなります。
- 月経過多の原因はさまざまで、多くは生命にかかわるものではありませんが、医師の診察を受けることが大切です。
はい、とてもよくある症状です。女性の約4人に1人が、ある時点で月経過多を経験すると言われています。
月経がある女性と10代の女の子に起こります。特に初経から間もない10代や、40代から50代の閉経が近い時期に多くの方が経験します。
症状
- 出血が止まらず、1時間に1回以上ナプキンやタンポンを替えても間に合わない
- 意識がもうろうとする、立ちくらみがひどい
- 心臓がドキドキする、呼吸が苦しい
- 妊娠中の性器出血がある
- ⚠出血が日に日に増えて、日常生活が送れないほど
- ⚠発熱やひどい腹痛を伴う
- ⚠ぐったりして動けず、横になっていることが多い
- ⚠出血が1週間以上続き、さらにひどくなっている
一般的な症状
- 1~2時間ごとにナプキンやタンポンを交換しないと漏れてしまう
- 月経が7日以上続く
- レバーのような大きな血のかたまりが出る
- 夜中に何度も交換のために起きる
- 重い日は外出や仕事、学校に行くのが難しくなる
- 月経中にめまい、だるさ、息切れなどの貧血の症状が出る
子供の症状
- 初経からしばらくは月経のリズムが整わず、量が多いことがありますが、昼間に何度ももれてしまうほど重い場合は受診が必要です。
- 1時間に1回以上の交換が必要、または血のかたまりが多い場合は、親や保護者に相談して医師の診察を受けましょう。
高齢者の症状
- 閉経が近づくとホルモンのバランスが崩れて月経量が増えることがありますが、重い出血が続く場合や再発する場合は、医師に相談してください。
- 閉経後に性器からの出血がある場合は、すぐに医師の診察が必要です。
原因
主な原因
- ホルモンのバランスの乱れ(特に排卵が起こらない時に起こりやすい)
- 子宮筋腫(子宮にできる良性の腫瘍)
- 子宮内膜ポリープ(子宮の内側にできるこぶのようなもの)
- 子宮腺筋症(子宮の筋肉の中に内膜が入り込む病気)
- 血液が固まりにくい病気(出血しやすい体質)
- 甲状腺の病気(甲状腺機能低下症など)
- 血液をさらさらにする薬の使用(抗凝固薬など)
リスク要因
- 10代は初経から月経が安定するまで重くなることがあります
- 閉経が近い40代から50代の年齢
- 子宮筋腫や子宮内膜症の家族歴がある
- 月経不順や多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)がある
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 1時間に1回以上交換しても間に合わないくらい出血が多い
- 貧血の症状(めまい、息切れ、ひどいだるさ)がある
- 発熱や激しい腹痛を伴う
定期受診を予約すべき場合:
- 月経量が多い状態が数か月続く
- 月経が7日以上続く
- 大きな血のかたまりが頻繁に出る
- 月経で学校や仕事を休むことが増えた
診断
医師があなたの症状や月経の状態について詳しく質問します。生理の記録があれば役立ちます。必要に応じて内診や超音波検査などを行い、原因を調べます。
行われる可能性のある検査
- 血液検査(貧血や血液の状態を調べます)
- 子宮頸がん検診(子宮の入り口のがんを調べます)
- 超音波検査(子宮や卵巣の様子を画像で確認します)
- ホルモン検査や甲状腺の機能検査
- 子宮内膜の組織を取って調べる顕微鏡検査(必要に応じて)
診察で予想されること
診察では、妊娠や既往歴、月経周期、出血の量や持続日数などを聞かれます。ナプキンやタンポンをどれくらい使うかも目安となります。検査は多くの場合、その場でできる簡単なものがほとんどです。
治療
治療は原因、年齢、妊娠したいかどうかなどによって異なります。ホルモン療法や止血を助ける薬など、さまざまな選択肢があります。医師とよく話し合い、自分に合った治療を選ぶことが大切です。
自宅でのセルフケア
- 生理の記録をつけ、量や持続日数を把握する
- 経血量が多い日は、大きめのナプキンや経血管理用のカップなどを使う
- 鉄分を多く含む食事(レバー、赤身の肉、ほうれん草など)や鉄のサプリメントを医師と相談して取り入れる
- 無理をせず、十分な休息をとる
医療治療
薬を使った治療では、ホルモンのバランスを整える薬、出血を減らす薬、子宮内膜を薄くするホルモン放出型の子宮内システムなどが選択肢となります。また、炎症や痛みを抑える薬が使われることもあります。具体的な薬の名前や剤量は、医師または薬剤師にご相談ください。
手術が検討される場合
薬での改善が難しい場合や、子宮筋腫などの原因がある場合には、子宮内膜を焼く手術、筋腫を取り除く手術、子宮を摘出する手術などが検討されることがあります。重症度や年齢、妊娠希望などを考慮して、医師から説明があります。
この病気と共に生きる
月経が多いときは外に漏れる不安がつきものです。替えのナプキンや下着を用意しておく、予定を調整するなどして、安心できる工夫をしましょう。「いつもの月経より重い」という感覚を大切に、我慢せず医療機関に相談してください。
生活習慣のアドバイス
- 適度な運動をして血行を整えることで、体調が穏やかになることがあります
- ストレスをため過ぎず、リラックスできる時間を持つ
- 睡眠を十分にとる
- 体重が過剰な場合は、健康的な減量を目指す(医師と相談して)
食事と運動
出血が多いと鉄分が失われます。鉄分を多く含む食品(赤身の魚、肉、大豆製品、緑黄色野菜)や、鉄の吸収を助けるビタミンCを一緒に取るとよいでしょう。激しい運動は無理せず、ウォーキングなどの軽い運動で体調を整えることがすすめられます。
精神的健康と心の健康
月経過多が続くと、突然の漏れへの不安や、予定をキャンセルしなければならないことでストレスや自信の低下を感じることがあります。これはあなただけではなく、多くの女性が経験する感情です。必要なら医師やカウンセラーに話すことも一つの方法です。
予防
月経過多は原因によって予防できる場合とできない場合があります。しかし、日頃から月経の状態を記録し、変化に早く気づいて受診することで、重くなる前に対処できます。
ワクチン
省略
検診プログラム
子宮頸がん検診や婦人科検診を定期的に受けることは、月経過多を引き起こす病気や、その他の婦人科疾患を早期に見つけるのに役立ちます。厚生労働省が行うがん検診の対象にも含まれています。
合併症
治療しない場合
- 鉄欠乏性貧血(血液中の鉄分が不足し、だるさやめまいが続く)
- 重度の貧血により、疲れやすさがひどくなり日常生活が制限される
- 大量出血が続くと、ごくまれに入院や輸血が必要になることがある
- 子宮の病気が原因の場合、それが進行する可能性がある
長期的な見通し
月経過多の多くは、原因をきちんと調べ、適切な治療を受けることで症状は改善し、健康的な生活を取り戻すことができます。婦人科の病気には治療法がたくさんあり、多くの場合、妊娠や将来の健康にも悪影響を及ぼしません。安心して医療機関に相談してください。
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情報源とガイダンス
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最終更新: 2026年7月31日
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