子宮が原因の不妊(子宮因子不妊)
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
子宮因子不妊とは、受精卵が着床して赤ちゃんが育つための子宮に問題があって、妊娠しにくい状態のことです。子宮がない、形が通常と異なる、子宮の内側に癒着や筋腫などがあると、受精卵が着床しづらくなります。
重要な事実
- 不妊とは、避妊をせずに性生活を送っているのに、1年間(35歳以上なら6か月間)妊娠しない状態をいいます。
- 子宮は、受精卵が着床し、胎児が成長するために大切な場所です。
- 子宮因子不妊は、検査や治療によって妊娠の可能性を広げられることがあります。
子宮だけが原因の不妊はそれほど多くはありませんが、子宮筋腫や子宮内膜ポリープなど、子宮の病気が妊娠しづらさに関係することがあります。
子宮を持つ女性にみられます。生まれつき子宮の形に特徴がある人や、子宮の手術、感染、流産などの後に子宮内膜が傷ついた人で、妊娠を望むときに問題になることがあります。
症状
- 上記の症状がある場合は、ためらわずに119番へ連絡してください:突然の強い下腹部痛
- 1時間にナプキンがすぐ濡れるほどの大量の性器出血
- めまいや意識が遠くなる感じ
- 高熱と強い骨盤の痛み
- ⚠いつもと違う不正出血が続く
- ⚠生理痛が急にひどくなる、または痛みが強く日常生活に支障がある
- ⚠気になる症状があり、妊娠を考えているため早めに受診したい
一般的な症状
- 特に自覚症状がないことが多い
- 月経痛が強い、月経血量が多い
- 月経不順
- 下腹部の痛みや重だるさ
原因
主な原因
- 生まれつき子宮がない、または形が異なる(中隔子宮・双角子宮など)
- 子宮筋腫、子宮内膜ポリープ、子宮腺筋症
- 子宮内膜が傷つき内側どうしがくっつく子宮内癒着
- 子宮内膜に慢性的な炎症がある
- 子宮摘出後で子宮がない
リスク要因
- 子宮の手術(帝王切開、子宮筋腫の核出術、子宮内膜掻爬術など)のあと
- 子宮や卵巣・卵管の感染症、骨盤内炎症性疾患
- 流産や中絶手術による子宮内膜の損傷
- 先天的な体質(生まれつきの子宮の形)
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 避妊をせずに1年以上(35歳以上なら6か月)妊娠しない
- 強い月経痛や不正出血があり、妊娠を考えている
- 不妊治療のステップアップについて医師に相談したい
定期受診を予約すべき場合:
- 健康診断で子宮の異常を指摘された
- 子宮筋腫や子宮内膜症と診断されているが、妊娠を計画していて状態を確認したい
- 過去の子宮の手術と妊娠について気になっている
診断
産婦人科(不妊専門外来)で、問診と内診、超音波検査をしながら進めます。子宮の形や内膜の状態を知るために、月経周期に合わせて複数の検査を行うことがあります。
行われる可能性のある検査
- 経腟超音波検査:子宮の形や筋腫などの有無を確認します。
- 子宮卵管造影検査:造影剤を使って子宮の形と卵管の通りを確認します。
- 子宮鏡検査:細い内視鏡で子宮の内側を直接観察します。
- MRI検査:子宮の詳しい形や筋腫の位置を確認します。
- 血液検査:ホルモン値や感染症の有無を確認します。
診察で予想されること
検査は月経周期に合わせて行うため、すべてそろうまで数か月かかることがあります。痛みを感じる検査もありますが、短時間で終わることがほとんどです。医師から説明と同意を得てから進みます。
治療
治療は、子宮の状態、年齢、妊娠の希望、原因などによって異なります。まずは産婦人科で検査結果をふまえて説明を受け、不妊治療の計画を一緒に立てます。
自宅でのセルフケア
- 月経の周期や量、症状を記録して体の変化をつかむ
- 睡眠や休養を十分にとり、心身の疲れをためない
- 禁煙し、飲酒は控えめにする
- 気になる症状はがまんせずに早めに受診する
医療治療
原因となる子宮筋腫やポリープ、子宮内癒着に対しては、子宮鏡を使った手術で子宮の内側を整えることがあります。不妊治療としては、卵子と精子を体外で受精させて子宮に戻す体外受精などの生殖補助医療があります。ホルモン治療や手術を組み合わせる場合もありますが、どれを選ぶかは担当医とよく相談して決めます。子宮がない場合や原因が取り除けない場合は、自分の子宮での妊娠が難しいこともあります。その場合は、卵子や胚の凍結、養子縁組、特別養子縁組など、家族の形について専門家と話し合うことができます。
手術が検討される場合
子宮筋腫、子宮内膜ポリープ、子宮内癒着などが妊娠の妨げになっている場合は、子宮鏡下手術や腹腔鏡手術で子宮を整えることがあります。子宮をすべて摘出すると妊娠はできなくなるため、妊娠を希望する場合はその前に他の選択肢を十分に検討します。
この病気と共に生きる
不妊治療は体と心に負担がかかることがあります。パートナーと話し合う時間をつくり、無理のないペースで進めることが大切です。仕事との両立に困ったら、職場の相談窓口や両立支援制度も利用しましょう。
生活習慣のアドバイス
- 睡眠を十分にとる
- 散歩や趣味など、リラックスできる時間をつくる
- 喫煙は避け、受動喫煙も避ける
- 適正な体重を保つ
食事と運動
特別な食事は必要ありませんが、葉酸を含む緑黄色野菜や豆類を意識し、バランスのよい食事を心がけましょう。運動はウォーキングなど軽めのものを続けることが勧められます。
精神的健康と心の健康
妊娠への不安や治療の負担から、うつ状態や強い不安を感じることがあります。一人で抱え込まず、パートナーや家族、医師、看護師、カウンセラーに話すことが大切です。もし自分を傷つけたい気持ちや命に関わる危険を感じるときは、ためらわずに精神科医療機関や救急(119番)に相談してください。
予防
生まれつきの子宮の形など、予防できない要因もありますが、子宮の感染症を早めに治療し、不必要な子宮の手術を避けることで、子宮内膜を傷つけるリスクを減らせる可能性があります。
ワクチン
子宮因子不妊を直接予防するワクチンはありません。
検診プログラム
定期的な婦人科検診や子宮頸がん検診を受けて、子宮の異常を早く見つけることが大切です。
合併症
治療しない場合
- 子宮内癒着は自然にはよくなりにくく、月経量が少なくなったり無月経になったりすることがあります。
- 筋腫や子宮腺筋症がある場合、痛みや出血が続くことがあります。
- 妊娠を希望する場合、時間がたつと治療の選択肢が変わることがあります。
長期的な見通し
子宮因子不妊でも、検査と治療によって妊娠の可能性は広がります。すべての希望どおりにならない場合でも、カウンセリングや生殖医療の進歩、家族の形を選ぶ方法など、話し合える選択肢があります。落ち着いて、信頼できる医療者と一緒に進めていきましょう。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年8月1日
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