骨がん ― 基礎知識と症状・治療について
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
骨がん(こつがん)は、骨にできるがんの総称です。骨自体に発生するがん(原発性骨がん)と、他の臓器から骨に広がってくるがん(転移性骨がん)に分けられます。ここでは主に、骨自体に最初にできる「原発性骨がん」について説明します。
重要な事実
- 骨がんは「骨肉腫」などいくつかの種類に分かれます。
- 骨自体にできる骨がんはまれですが、若い世代にも発症します。
- ほかの臓器のがんが骨に広がることはよくありますが、それは「骨転移」と呼ばれます。
原発性骨がん(骨自体に最初にできるがん)は日本ではまれな病気で、年間の発症数は多くありません。一方で、ほかのがんが骨に転移することは頻繁にあります。
骨がんはどの年齢の人にも起こり得ますが、種類によって年代に特徴があります。特に骨肉腫(こつにくしゅ)は10代~20代に多く見られ、高齢者では骨転移の割合が多くなります。
症状
- 突然、足や手を動かせなくなった
- 強い痛みのために立てない、歩けない
- 排尿・排便のコントロールができなくなった(背骨への転移による脊髄圧迫の可能性)
- 意識がもうろうとする、呼吸が苦しい(まれに高カルシウム血症の可能性)
- いずれの場合も、ためらわずに119番に電話してください。
- ⚠骨の同じ場所が数週間以上にわたって痛む
- ⚠骨の腫れやしこりが続く、または大きくなる
- ⚠痛みのために眠れない夜が続く
一般的な症状
- 患部の持続する痛み(夜間や安静時にも続くことがある)
- 骨の腫れやしこり
- 骨の動きが制限されたり、歩きにくくなったりする
- 何もしていなくても骨が折れる「病的骨折」
子供の症状
- 足や腕などに痛みを訴える(特に夜間)
- 足をかばうように歩く
- 痛みのある場所に腫れや熱感がある
高齢者の症状
- 骨のがんの多くは他の臓器からの転移で、痛みや骨の弱まりが主な症状
- 軽い動作で背骨や股関節などに突然の痛みが生じることがある
- 体を動かすと痛むが、安静にすると和らぐこともある(ただし骨転移では夜間痛もあり得る)
原因
主な原因
- 骨がんの正確な原因はまだよく分かっていません。
- がん細胞の発生には遺伝子の変化(DNAの傷)が関係していると考えられています。
- 過去に大量の放射線照射を受けたことがあると、ごくまれに骨がんのリスクが上がります。
リスク要因
- 10代~20代(骨肉腫の好発年齢)
- 過去にがんの治療で骨へ放射線照射を受けた
- まれな遺伝性の病気(例:遺伝性網膜芽細胞腫、リ・フラウメニ症候群など)を持っている
- パジェット病という骨の病気(高齢者にまれに見られる)
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 骨の痛みが2週間以上続く、または悪化する
- 骨に触ると分かるほどのしこりがある
- 何もしなくても骨が折れた(突然の激痛と動かせない症状)
定期受診を予約すべき場合:
- 前々から気になっている骨の痛みやはれがある
- がん治療歴があり、新しい骨の痛みが出てきた
診断
骨がんの診断には、医師の診察、画像検査、そして必要に応じて組織を採取する検査(生検)が行われます。まずはかかりつけ医で画像検査を受け、疑わしい場合は専門の病院(整形外科、腫瘍内科など)へ紹介されます。
行われる可能性のある検査
- X線検査(レントゲン)―初期の骨の異常を確認
- CT検査(断層撮影)―骨の詳細な状態や広がりを確認
- MRI検査―骨や周りの筋肉・神経の状態を詳しく確認
- 骨シンチグラフィ、PET検査―全身の骨や転移の有無を調べる
- 組織診断(生検)―骨の細胞を採取し、がんの種類を確定する
- 血液検査―健康状態や病気の広がりを間接的に調べる
診察で予想されること
診断確定には1~2週間ほどかかることがあります。専門の医師から検査結果や治療方針について説明を受け、治療を受ける医療機関が決まります。検査や結果について不安があれば、いつでも担当医に質問しましょう。
治療
治療は骨がんの種類、場所、進行具合、年齢などを考慮して計画されます。多くの場合、手術、抗がん剤治療、放射線治療を組み合わせます。治療方針は専門医とよく相談して決めることが大切です。
自宅でのセルフケア
- 治療中の体調の変化をメモしておく
- 骨を強く打つような運動は避け、痛みを感じたら無理をしない
- 禁煙や節酒を心がける(全身の健康のため)
医療治療
薬による治療としては、抗がん剤を使う化学療法があります。これはがん細胞の増殖を抑える治療法で、副作用がありますが、医師や看護師の管理のもとで行われます。骨に広がったがん(骨転移)には、骨を丈夫にする薬や放射線治療が使われることもあります。最近では、がんの特徴に応じた分子標的治療や免疫療法が行われる場合もあります。薬の種類や組み合わせについては、担当医が患者さんの状況に合わせて調整します。
手術が検討される場合
骨がんの治療では手術が中心となることが多いです。腫瘍を切除し、骨や関節をできるだけ残せるよう努力します。状況によっては人工関節や骨移植による再建、まれに手足の一部を切断する手術が必要なこともありますが、最近の手術法や補助治療の進歩により、以前よりも手足を温存できる可能性が高くなっています。
この病気と共に生きる
骨がんの治療後は、定期的な画像検査や血液検査で経過を確認します。再発や転移がないか、治療の影響がないかをチェックするために、通院のスケジュールを守りましょう。痛みや副作用があるときは、遠慮なく医療者に相談してください。
生活習慣のアドバイス
- 手すりや杖を使うなど、転倒を防ぐ工夫をする
- 疲れやすい時期には十分な休息をとる
- 家族や友人に必要なサポートを頼む
食事と運動
治療中は、からだの抵抗力を保つためにも栄養バランスのよい食事を心がけましょう。運動は、骨への負担が少ない軽い散歩やストレッチから始め、担当医や理学療法士に相談しながら自分の状態に合った運動を行うことが大切です。
精神的健康と心の健康
骨がんと聞くと、不安や恐怖を感じるのは自然なことです。気分の落ち込みや眠れない日が続く場合は、医療機関の相談窓口や心療内科、精神科に相談しましょう。また、家族や友人に気持ちを打ち明けることも助けになります。
予防
現時点で、原発性骨がんを確実に予防する方法はわかっていません。健康的な生活習慣を心がけ、骨の異常や痛みを長く放置せずに受診することが大切です。骨転移については、元のがんの治療をしっかり続けることが予防につながります。
検診プログラム
骨がんの簡単な定期検診は行われていませんが、骨に痛みがある場合や、がん治療後の経過観察中は、医師の指示に従って定期的に検査を受けることが重要です。
合併症
治療しない場合
- 痛みが強くなり、生活の質が大きく下がる
- 骨が脆くなり、軽い動作でも折れやすくなる
- がんが肺や他の臓器に広がる可能性が高くなる
長期的な見通し
骨がんの治療は大きく進歩しており、特に早期に発見・治療できれば、治癒が見込めることも少なくありません。治療は長期にわたることがありますが、多くの患者さんが仕事や日常生活を続けながら治療に取り組んでいます。自分に合った治療を医療チームと一緒に探していきましょう。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年8月1日
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