鼻骨骨折(鼻の骨の折れ)
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
鼻骨骨折とは、顔の中央にある鼻の骨がひび割れたり折れたりするけがです。転んだり、ぶつかったり、スポーツでの衝撃などによって起こります。鼻の変形や腫れ、痛み、鼻血などの症状が現れます。
重要な事実
- 鼻骨骨折は、顔のけがの中で最も多く見られる骨折の一つです。
- 多くの場合、安静と冷却などで治りますが、変形や鼻づまりがある場合は医療機関での整復が必要です。
- 強い衝撃による鼻骨骨折は、他の顔の骨や脳の損傷を伴うことがあります。
よくあるけがで、事故やスポーツのけがとして、外来や救急外来で多く見られます。
すべての年齢層で起こりますが、特に、スポーツをする若者や男性に多く見られます。また、転倒しやすい高齢者や、けんかなどの暴力に遭う人もリスクがあります。
症状
- 鼻血が止まらない(強く押さえても15分以上続く)
- 呼吸が苦しい、鼻から息ができない
- 鼻から透明な液体(髄液)が出る
- 意識を失った
- 首や肩、背中に強い痛みがある(首や背中のけがの可能性)
- ⚠強い痛みや腫れで眠れない
- ⚠鼻が明らかに曲がっている、または凹んでいる
- ⚠鼻の形が変わって見える
- ⚠鼻血が時々止まって繰り返す
- ⚠発熱がある(感染の可能性)
- ⚠片方または両方の鼻づまりが悪化する
一般的な症状
- 鼻の痛み
- はれ(腫れ)
- あざ(目の周りの黒いあざ)
- 鼻の変形(曲がって見える)
- 鼻づまり(息がしにくい)
- 触ると痛む
- 顔の圧迫感
子供の症状
- 大人よりもはれが強く出やすく、骨折が見えにくいことがあります。
- 泣いたり、鼻を触ったりすることで症状が悪化することがあります。
- 鼻の内側の出血が続くことがあります。
高齢者の症状
- 皮膚や血管が弱いため、あざや腫れが広がりやすいです。
- 血圧や血液をさらさらにするお薬を飲んでいる場合、鼻血が止まりにくいことがあります。
- 骨がもろいため、転倒で折れやすいです。
原因
主な原因
- 顔面への直接的な打撃(ボール、パンチ、ドアなど)
- 転倒して顔を打つ
- スポーツの試合や練習中の衝撃
- 交通事故で顔面を打つ
- 日常生活でのぶつかり事故
リスク要因
- コンタクトスポーツ(サッカー、ラグビー、ボクシングなど)をしている
- 転倒しやすい(高齢者、バランス障害)
- 安全ベルトやヘルメットを着用しない
- 暴力や事故にあう環境
- 体調によるふらつきで転倒するリスク
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 鼻血が止まらない、呼吸がしにくい、意識がはっきりしない、などがある場合はすぐに119番へ。
- 鼻が大きく曲がっている、強い痛みがある、髄液が出る場合もすぐに受診を。
定期受診を予約すべき場合:
- 鼻の腫れや痛みが数日続く
- 鼻づまりが1週間以上続く
- 鼻を打った後の変形が気になる
- 繰り返す鼻血がある
- 自分で健康状態が確認できない場合は受診しましょう。
診断
医師はまず、いつどのようにけがをしたかを聞き、鼻の外側と内側を観察します。腫れや痛み、鼻の形を確認します。必要に応じて、X線(レントゲン)やCT検査を行うこともあります。
行われる可能性のある検査
- 鼻骨のX線検査(レントゲン)
- CTスキャン(顔面の複雑な骨折の疑いがある場合)
- 医師による指での触診(触って形や痛みを確認)
- 鼻の内視鏡検査(鼻腔内部の観察)
診察で予想されること
受診時には、痛みがあれば伝えてください。鼻の内部をチェックするため、少し不快かもしれませんが、痛みの強い場合は麻酔のスプレーなどを使うことがあります。診察は通常10~15分程度で終わります。
治療
多くの鼻骨骨折は手術を必要としません。腫れを抑え、安静にし、出血や痛みの管理を行うことで自然に治ります。変形や呼吸障害がある場合は、医師が鼻の骨を元の位置に戻す整復処置を行うことがあります。
自宅でのセルフケア
- けがをした直後は、清潔な布やガーゼで鼻を軽く押さえ、15分ほど安静にしましょう。
- 氷をタオルで包み、鼻の周りに15~20分当てて腫れを冷やします(1日数回)。
- 頭を高くして眠る、座っているなどで腫れを抑えます。
- 鼻を強くかまない、ほじらない、鼻先を触らないようにしましょう。
- 傷がある場合は、清潔なガーゼで覆い、汚染された水で洗わないでください。
- 市販の鎮痛薬を使う場合は、薬剤師に相談し、説明書を守ってください。
医療治療
医師は、鼻骨の位置を整える処置(閉鎖整復)を行うことがあります。これは、局所麻酔をして鼻の中から骨を押して形を整えるもので、変形や鼻づまりがある場合に効果的です。また、出血が多い場合や骨片が飛び出している場合は、鼻にガーゼやスポンジ状の材質を詰める「鼻パッキング」を行うことがあります。必要に応じて炎症止めの薬が処方されることもありますが、薬の具体的な名前や用量はこの記事ではお伝えできません。医師の指示に必ず従ってください。
手術が検討される場合
手術が必要になるのは、骨が大きくずれて鼻の形が大きく変わった場合、鼻中隔に血腫(血の固まり)ができた場合、鼻の呼吸機能が大きく損なわれた場合、または保存的な治療で改善しない場合です。手術は通常、骨折から数日~2週間以内に行われます。
この病気と共に生きる
治療後は、鼻を保護することが大切です。腫れや痛みは1~2週間かけて落ち着きます。鼻の形が安定するまで、メガネの使用や顔の強い洗顔、激しい運動は避けてください。
生活習慣のアドバイス
- 激しい運動やコンタクトスポーツを一時的に控えましょう。
- 熱い風呂やサウナは避け、出血を促さないようにしましょう。
- 禁酒しましょう。アルコールは出血に影響することがあります。
- 睡眠時は頭を高くして横向きで寝ると腫れが軽減します。
- 鼻をかむ際は、交互に片側ずつ優しくかみましょう。
食事と運動
通常の食事で構いませんが、骨の回復のためにビタミンDとカルシウムを含む食品(乳製品、小魚、緑黄色野菜)を意識して摂りましょう。激しい運動は医師の許可が出るまで避け、散歩などの軽い運動から始めてください。
精神的健康と心の健康
顔の中心にある鼻の骨折は、見た目の変化を伴うことがあります。治療中は鏡を見るのがつらかったり、周りの人の視線が気になったりするかもしれません。また、けがをした出来事を思い出して不安になることもあるでしょう。そのような気持ちは自然なものです。一人で抱え込まず、家族や友人、必要に応じて専門家に相談してください。
予防
多くの鼻骨骨折は、事故や衝突によるものなので、完全に予防することはできません。しかし、シートベルトの着用、スポーツ時のフェイスガードやヘルメットの使用、転倒リスクのある環境の改善、暴力を避けるなどで防げる可能性があります。
ワクチン
鼻骨骨折を予防するワクチンはありません。
検診プログラム
特に定期的な検診はありませんが、転倒リスクのある高齢者は医師に相談し、骨の健康を評価してもらうことがあります。
合併症
治療しない場合
- 鼻の曲がりが残り、見た目が変わることがある。
- 鼻中隔の血腫ができると感染や組織の壊死が起こり、鼻の構造を損なうことがある。
- 鼻づまりが続き、睡眠時の呼吸障害をきたすことがある。
- 慢性的な副鼻腔炎や鼻血の再発につながることがある。
長期的な見通し
多くの場合、適切な治療と安静によって鼻はきれいに治り、見た目や鼻の機能は戻ります。骨折が自然に治ることも多いですが、もしも変形や鼻づまりが残っても、医師の治療で改善できます。けがをしたことを恥ずかしく思う必要はありません。適切なケアで時間はかかっても、回復することを覚えておいてください。
サポートを探す
国際機関
地域の団体
- 厚生労働省 ↗ · 日本
外部リンクは第三者のウェブサイトを開きます。Ruqelo は外部コンテンツについて責任を負いません。団体名の掲載は推奨を意味するものではありません。
必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
関連する疾患
情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
免許を持つ医療者のアドバイスを補うために使い、代わりにはしないでください。
症状が重篤、悪化、または緊急の場合は、地域の救急番号に電話するか、緊急医療を受けてください。