肝血管腫(かんけっかんしゅ)について
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
肝血管腫(かんけっかんしゅ)は、肝臓の中にできる良性(がんではない)の腫瘍で、血管がかたまってできた塊のことです。多くの場合、体に害を与えません。
重要な事実
- 肝血管腫はがんではありません。
- 多くの人は症状がなく、健康診断などで偶然見つかります。
- 大きさは小さなものから大きなものまでありますが、治療が必要なことはほとんどありません。
- 何もしなくても、そのまま大きくならずに経過することが多いです。
はい、肝血管腫は比較的よく見られる病気で、健康な人の約1~7%に見つかると言われています。
女性に多く見られ、特に30〜50歳代で見つかることが多いです。また、妊娠中やホルモンの影響で大きくなることがありますが、ほとんどの場合、特に問題はありません。
症状
- 突然激しいおなかの痛みが起こった。
- 意識がぼんやりする、または失神しそうになる。
- おなかが急に腫れて激しく痛む(血管腫が破裂した可能性が非常にまれにあります)。
- ⚠みぞおちや右のわき腹に強い痛みが続く。
- ⚠吐き気や嘔吐が続き、水分が取れない。
- ⚠おなかの張りがひどく、日常生活に支障がある。
一般的な症状
- 多くの場合は、まったく症状がありません。
- ごく稀に、腫瘍が大きくなったときに、おなかの右上が張る感じや、軽い痛み、食後に満腹感を感じることがあります。
子供の症状
- 子どもにはほとんど見られませんが、もしある場合は、やはり症状がないことがほとんどです。
- 非常にまれですが、大きな血管腫があると、おなかが張る、痛むなどの症状が出ることがあります。
高齢者の症状
- 高齢者の場合も、症状がないことが大半です。
- 加齢に伴うほかの病気の検査中に見つかることが多く、その場合は特に症状はありません。
原因
主な原因
- はっきりとした原因は分かっていませんが、生まれつき血管の構造に特徴があることが関わると考えられています。
- 女性ホルモン(エストロゲン)の影響で大きくなることがあります。妊娠やホルモン治療がきっかけになることもあります。
リスク要因
- 女性であること。
- 妊娠中(ホルモンの変化によって腫瘍が増大することがあります)。
- ホルモン剤(避妊薬や更年期ホルモン治療など)を使っている場合(ただし、これが原因で必ずできるわけではありません)。
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 急におなかが激しく痛む、意識が変わる、失神しそうなどの場合は、すぐに119番で救急車を呼んでください。
- 強いおなかの痛みや嘔吐が続く場合は、すぐに医療機関に連絡しましょう。
定期受診を予約すべき場合:
- 健康診断で肝血管腫を指摘された場合は、一度、消化器内科(または肝臓専門医)を受診して確認しましょう。
- 以前から肝血管腫がある人が、新しく症状(痛みやおなかの張り)が出てきた場合は、受診してください。
診断
肝血管腫は、おなかの超音波(エコー)検査、CT検査、またはMRI検査によって診断されます。特に、偶然ほかの病気の検査で見つかることが多いです。
行われる可能性のある検査
- 超音波(エコー)検査:体に負担のない検査で、肝臓の中の塊の様子を調べます。
- CT検査:X線を使って肝臓の断面を撮影し、血管腫の特徴を確認します。
- MRI検査:磁気を使って詳しく画像を作り、血管腫とほかの腫瘍を区別するのに役立ちます。
- 血液検査:肝臓の働きを調べ、ほかの肝臓の病気でないことを確認するために行うことがあります。
診察で予想されること
診断は外来で行われることがほとんどで、痛みを伴う処置は通常ありません。血管腫であると確認できれば、そのまま経過観察になることが多いです。まれに診断が難しい場合は、造影剤を使ったCTやMRI、または追加の検査を勧められることがありますが、医師が詳しく説明してくれます。
治療
肝血管腫は良性のため、基本的には治療の必要がありません。定期的な画像検査で大きさや変化を確認する「経過観察」が標準的な方針です。
自宅でのセルフケア
- 特別な治療は不要なので、普段通りの生活を送って大丈夫です。
- 肝臓に負担をかけすぎないよう、アルコールは適量を心がけましょう(飲みすぎに注意)。
- 規則正しい食生活と睡眠を心がけましょう。
医療治療
治療が必要になるのは非常にまれです。腫瘍が非常に大きい、急に大きくなる、強い症状がある、または破裂のリスクが高いと判断された場合に限ります。治療法としては、血管を詰めるカテーテル治療(動脈塞栓術)や手術などが検討されますが、どの方法を選ぶかは、腫瘍の場所や大きさ、患者さんの体の状態に応じて、専門医が慎重に判断します。
手術が検討される場合
手術が行われるのは、肝血管腫が原因で強い痛みがある、または破裂の危険があるなど、ごく限られたケースです。多くの人では手術は必要ありません。
この病気と共に生きる
肝血管腫があっても、日常生活にはまったく影響しないことがほとんどです。仕事や旅行、運動も普通に楽しめます。気にしすぎず、健康な生活を心がけましょう。
生活習慣のアドバイス
- 禁煙を検討しましょう(特にしなければならないわけではありませんが、健康のために)。
- お酒は飲みすぎないようにしましょう。
- ストレスをためず、適度に体を動かしましょう。
- 定期的に医師の指示で検査を受けましょう(特に経過観察が必要な場合)。
食事と運動
特別な食事制限はありません。バランスのよい食事(野菜、魚、豆腐など)を心がけ、肝臓に良いと言われる過度なアルコール摂取を避けましょう。運動も、軽いウォーキングやストレッチなど、無理のない範囲で行ってください。
精神的健康と心の健康
「血管腫」という言葉を聞くと驚かれるかもしれませんが、これはがんではありません。不安な場合は、医師に「良性ですか」「大きくなりますか」など、気になることを遠慮なく質問しましょう。それでも不安が続く場合は、医療機関や相談機関に話を聞いてもらうこともできます。
予防
肝血管腫は、現在のところ予防する方法が分かっていません。生まれつきの要因やホルモンの影響があると考えられているため、日常生活で防ぐことはできません。
ワクチン
この病気自体を予防するワクチンはありません。ただし、肝臓全体の健康を保つために、肝炎ウイルス(B型・C型など)の感染予防は重要です。肝炎ワクチンや検査については、医師に相談してください。
検診プログラム
肝血管腫のための特別な検診はありません。通常は、ほかの目的で行った腹部超音波検査やCT検査で偶然見つかります。検診で肝血管腫を指摘された場合は、医師の指示に従って経過観察を行いましょう。
合併症
治療しない場合
- 肝血管腫は多くの場合、何も治療しなくても問題ありません。
- ごくまれに、腫瘍が大きくなって周りの臓器を圧迫し、痛みやおなかの張りを感じることがあります。
- さらにまれに、破裂して出血する可能性がありますが、これは非常にまれな出来事で、通常は突然起こるものではありません。
長期的な見通し
肝血管腫は良性の腫瘍であり、がんになることはありません。多くの人が治療なしで、何の症状もなく、通常の寿命を全うできます。医師の指示に従って定期検査を受ければ、安心して生活できます。希望を持って、前向きに過ごしてください。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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