シスチン結石(腎臓にできるまれな石)について
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
シスチン結石は、尿の中にシスチン(たんぱく質をつくる成分の一つ)が過剰に流れ出て、それが結晶となって硬くなったものです。腎臓や尿管にでき、痛みや排尿の問題を起こすことがあります。生まれつきの体質(遺伝性の代謝の特徴)によるもので、本人の努力で避けられた病気ではありません。
重要な事実
- シスチン結石は、尿中にシスチンという物質があふれることでできる、まれな腎結石です。
- 遺伝性の体質が原因で、子どもや若い人に多く見られます。
- 水分をしっかりとり、尿を薄く保つことが、再発を防ぐいちばんの鍵です。
シスチン結石は腎結石全体の1%程度と、かなりまれな病気です。
多くの場合、子ども時代~20代で初めて見つかります。家族に同じ病気の人がいる場合や、小さい頃から繰り返し結石ができる人に多く見られます。
症状
- 痛みのために動けず、冷や汗が出るような激しい痛みがある:すぐに119番に電話してください
- 激しい痛みに加えて高熱や悪寒がある:すぐに119番に電話してください
- 尿がまったく出ない、または意識がぼんやりする:すぐに119番に電話してください
- ⚠血尿が続いている、または血の量が多い
- ⚠脂汗をかくほどの痛みが数時間続く
- ⚠吐き気が続いて水分がとれない
- ⚠体を動かすと痛みが強くなる
一般的な症状
- 腰やわき腹に突然現れる激しい痛み(痛みは波のように強くなったり弱くなったりします)
- 尿に血が混じる(血尿)
- 排尿のときに痛む、または尿の出が悪い
- 吐き気や嘔吐を伴うこともあります
子供の症状
- 子どもでは痛みをうまく言葉にできず、機嫌が悪くなったり、おなかを痛がったり、吐いたりすることがあります。
高齢者の症状
- 高齢者では痛みの感じ方が弱くなることがあり、尿の濁り、発熱、体のだるさだけが目立つこともあります。
原因
主な原因
- 遺伝子の変化により、腎臓がシスチンという物質を尿中に過剰に出してしまうことが根本の原因です。
- 尿の中のシスチン濃度が高くなると、シスチンの粒が集まって石になりやすい状態になります。
リスク要因
- 家族にシスチン尿症(シスチン結石ができる体質)の人がいる
- 過去に結石ができたことがある
- 水分を十分にとらない、汗をかく割に水分補給が少ない
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 突然の激しい腰やわき腹の痛みがある
- 血尿に加えて痛みや発熱がある
- 結石と診断されていて、吐き気が続いたり水分がとれなかったりする
定期受診を予約すべき場合:
- 過去に結石ができたことがあり、再発のチェックをしたい
- 結石を指摘されたことがあり、経過を見たい
診断
問診のあと、尿検査や血液検査、CT・超音波などの画像検査で、尿路の中に石があるか、どのような石かを調べます。排出した石を分析すれば、シスチン結石だと確定できます。
行われる可能性のある検査
- 尿検査(尿の中のシスチン量や血液の有無を調べます)
- 腹部CT検査(結石の場所や大きさを詳しく調べます)
- 腹部超音波検査(腎臓や尿の通り道を確認します)
- 結石の成分分析(自然に排出された石や手術でとった石を調べます)
診察で予想されること
外来で問診から検査まで行うため、特別な準備は必要ありません。痛みを伴う処置は通常ありませんが、急な痛みがある場合は先に痛みを和らげる処置が行われてから検査になることもあります。検査結果は後日説明されます。
治療
治療の目標は、今ある結石を小さくしたり取り除いたりして、再発を防ぐことです。水分を多くとる、塩分を控えるといった生活習慣の改善をベースに、お薬による治療や、場合によっては手術が検討されます。
自宅でのセルフケア
- 1日2〜3リットルを目安に水をこまめに飲み、尿を薄く保つ
- 寝る前にもコップ1杯の水を飲み、朝の尿を薄くする
- 塩分や肉類の摂りすぎを控える
- 尿をがまんせず、こまめに排出する
医療治療
シスチン尿症に対しては、尿中のシスチンを減らすお薬や、尿をアルカリ性に保つお薬が使われることがあります。お薬の種類や量は、患者さんの腎臓の働きや尿中のシスチン量に合わせて医師が決定します。医師の指示を守り、自己判断で中止しないことが大切です。
手術が検討される場合
結石が大きく自然には出ない場合、強い痛みをくり返す場合、腎臓に負担をかけている場合や尿路感染症を伴う場合は、体外から衝撃波を当てて砕く治療や、内視鏡を使って結石を取り出す手術が行われます。
この病気と共に生きる
シスチン結石は再発しやすい病気ですが、水分をしっかりとる習慣を続けることで、結石ができるリスクを大きく下げられます。定期的に通院し、尿検査や画像検査で経過を見ることが安心につながります。
生活習慣のアドバイス
- アルコールやカフェインを飲んだ日は、さらに多めに水を飲む
- 運動や入浴で汗をかいた後は必ず水分補給をする
- 結石の予防につながる食事について、医師や管理栄養士に相談する
食事と運動
特別に禁止される食べ物はありませんが、塩分を控え、肉や魚の動物性たんぱく質を食べすぎないことがすすめられます。果物や野菜を十分にとり、バランスのよい食事を心がけましょう。運動は水分補給を忘れなければ問題ありません。
精神的健康と心の健康
「また石ができるのでは」という不安や、急な痛みのつらさから気分が沈むこともあるかもしれません。そうした気持ちは自然なことです。一人で抱え込まず、家族や医療者に話してみましょう。
予防
遺伝性の体質そのものを変えることはできません。しかし、1日の水分量を意識し、尿をいつも薄く保つことで、新しい石や再発のリスクを大きく減らすことは可能です。
ワクチン
この病気に対する特別なワクチンはありません。
検診プログラム
一般的な健康診断でシスチン結石を調べることはありませんが、結石の既往がある人は定期的な画像検査がすすめられます。
合併症
治療しない場合
- 石が尿管をふさぐと、強い痛みや腎臓の腫れ(水腎症)を起こすことがあります
- 尿路感染症を合併すると、高熱や敗血症など重い状態になることがあります
- 長期間放置すると腎臓の機能が低下する可能性があります
長期的な見通し
シスチン結石は再発しやすいものの、適切な水分管理と通院を続けることで、日常生活への影響を抑えられます。多くの人が普通の生活を送りながら、上手にこの病気と付き合っています。あきらめずに、医療者と一緒に管理していきましょう。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年8月1日
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