シゲラ症(細菌性赤痢)
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
シゲラ症は、シゲラという細菌が原因で起こる感染症で、下痢やおう吐、発熱などを引き起こします。感染力が強く、食べ物や水などを通じて人から人へうつります。
重要な事実
- シゲラ症の代表的な症状は、下痢(血が混じることもあります)、腹痛、発熱です。
- 正しい手洗いを徹底することで、感染の多くは防げます。
- 適切な水分補給と休養で、多くの人は1週間ほどで回復します。
日本では、上下水道の整備により患者数は少なく、保育所や学校など集団生活の中で時々発生がみられる程度です。衛生状態が整っていない地域への旅行では、かかるリスクが高くなります。
特に小さな子ども、海外旅行者、集団生活を送る人、免疫力が低下している人などがかかりやすいとされています。
症状
- 強い下痢とともに、ぐったりして呼びかけに反応しない
- おしっこが半日以上出ない、または極端に少ない
- 息苦しさや胸の痛みがある
- けいれんが起きた
- 意識がもうろうとしている
- ⚠血が混じった下痢が続く
- ⚠高熱(38.5度以上)が続く
- ⚠水分がほとんど取れず、脱水が心配される
- ⚠妊娠中、または持病がある
- ⚠症状が数日続き、よくなる気配がない
一般的な症状
- 水のような下痢(血や粘液が混じることもあります)
- 腹痛・腹部のけいれん
- 吐き気やおう吐
- 便意が強いのに便が出ない感覚(しぶり腹)
原因
主な原因
- シゲラ菌に汚染された水や食べ物を口にしたときに感染します
- 感染者との直接の接触(手洗いが不十分な場合など)でうつります
- トイレの後やオムツ交換の後に手を洗わないと、菌が広がることがあります
- 感染した人が調理した食事を食べることで広がることもあります
リスク要因
- 衛生状態の整わない地域への海外旅行
- 保育所や幼稚園などの集団生活
- 免疫力が低下している(高齢者、乳幼児、持病がある人など)
- 便や口を介した性的接触など
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 激しい腹痛や下痢が続き、水分を受け付けない場合
- 便に血が明らかに混じっている場合
- 高熱や脱水のサイン(めまい、尿が少ない、口の渇き)がある場合
定期受診を予約すべき場合:
- 下痢や発熱が続くが、比較的元気で水分が取れている場合
- 症状が軽いが、周囲に感染を広げないために受診を考える場合
- 海外旅行から戻って間もなく症状が出た場合
診断
医師が症状や渡航歴、周囲の状況を聞き、便の検査を行って診断します。
行われる可能性のある検査
- 便の検査(便培養検査):便の中にシゲラ菌がいないか調べます
- 必要に応じて血液検査を行い、脱水や炎症の程度を確認します
診察で予想されること
便の検査結果は通常2〜3日でわかります。その間は、感染を広げないために手洗いを徹底し、必要であれば仕事や学校は休むなどの対応が求められます。
治療
治療の中心は、失われた水分と電解質を補うことです。多くの場合は、自宅で水分をしっかり摂り、安静にすることで回復します。症状が重い場合や合併症のリスクがある場合は、医師が抗菌薬を処方することがあります。
自宅でのセルフケア
- こまめに水分を摂る(経口補水液、スポーツドリンク、薄めの味噌汁など)
- 消化のよい食事を少しずつ取る
- 十分に休む
- トイレの後や食事の前には、石けんで丁寧に手を洗う
- 下痢止めは、使う前に医師や薬剤師に相談する
医療治療
シゲラ症と診断された場合、医師が必要と判断したときには抗菌薬が使われます。また、脱水が強い場合は、点滴で水分を補うこともあります。薬の種類や使い方は医師が決めます。自己判断で薬を使わないでください。
この病気と共に生きる
下痢や発熱が続く間は、自宅で安静にしましょう。仕事や学校は、症状が落ち着くまで休むのが安心です。他の人にうつさないよう、自分のタオルや食器を分ける、トイレの後はしっかり手を洗うなどの配慮をしましょう。
生活習慣のアドバイス
- 帰宅したらまず手洗いを習慣にする
- 下痢が続く間は、調理や人と食事を共にすることを避ける
- 汚れた衣類やリネンはすぐに洗濯する
- 症状が治まった後も、1日~数日間は菌を排出することがあります。手洗いを徹底しましょう
食事と運動
水分と休養が第一です。回復期には、おかゆやうどん、バナナ、すりおろしたリンゴなど消化のよいものを食べてください。乳製品や油っこいもの、刺激の強いものは避け、運動は、体力が戻るまで控えめにしましょう。
精神的健康と心の健康
激しい下痢や腹痛が続くと、不安や疲れを感じるのは自然なことです。この感染症は、多くの人がしっかり水分をとり、適切な治療を受ければ回復します。焦らず休むことを優先してください。
予防
はい、手洗いと清潔な場所での食事・水の確保で防ぐことができます。特に、トイレの後・食事の前・オムツ交換の後は、石けんと流水で十分に洗いましょう。海外旅行先では、生水や氷、生ものに注意することでリスクを減らせます。
ワクチン
現在、日本でシゲラ症を予防するワクチンは定期接種にありません。手洗いなどの衛生対策が中心となります。
検診プログラム
シゲラ症を無症状で受ける一般的な検診はありません。ただし、集団発生の調査や、食品従事者、保育士などの仕事に就く場合は、保健所や職場の指示に従って便検査を受けることがあります。
合併症
治療しない場合
- 重い脱水症状(めまい、意識がもうろうとするなど)
- 電解質(塩分やカリウムなど)のバランスが崩れる
- まれに、腸に穴があいたり、細菌が血液中に入って全身に広がるなどの重い合併症
長期的な見通し
シゲラ症は、水分補給と適切な治療を受ければ、ほとんどの場合1週間程度で回復します。高齢者や小さな子どもでも、早めに対処すれば元の健康な状態に戻ることができます。決してあきらめず、必要な医療を受けてください。
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情報源とガイダンス
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最終更新: 2026年7月31日
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