気分障害について知っておきたいこと
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
気分障害(きぶんしょうがい)とは、気分(感情)の調子が大きく乱れ、日常生活に支障が出る病気の総称です。代表的なものに、気分が深く落ち込む「うつ病」と、気分が異常に高ぶる「躁(そう)状態」をくり返す「双極性障害」があります。本人の意思や性格の問題ではなく、脳の働きのバランスがくずれて起こると考えられています。
重要な事実
- 気分障害は、だれにでも起こりうる一般的な病気です。
- 適切な治療を受けることで、多くの人がよくなります。
- 気分の落ち込みや意欲の低下は、心だけでなく体の不調としても現れます。
はい、とてもよくある病気です。厚生労働省の調査によると、生涯に一度はうつ病などの気分障害を経験する人は、日本人の約10人に1人以上いるとされています。
子どもから高齢者まで、どの年代の人にも起こりうる病気です。特に20代から40代にかけて発症しやすいといわれていますが、女性は男性の約2倍多いという報告もあります。
症状
- 「死にたい」「消えてしまいたい」と強い自殺を考えている
- 自傷行為(手首を切るなど)をしてしまった
- 身の回りのことが全くできず、一人でいるのが危険な状態
- ⚠眠れない日が続き、日常生活が送れない
- ⚠食事や水分がほとんどとれない
- ⚠家族や友達に相談できないが、誰かに話を聞いてほしいとき
一般的な症状
- 気分が深く落ち込む、悲しい気持ちが続く
- 趣味や好きなことへの興味がわかなくなった
- 疲れやすく、体がだるい
- 眠れない、または眠りすぎる
- 食欲がない、または食べすぎる
- 自分を責めてしまう、価値のない人間だと感じる
- 集中力が続かず、考えがまとまらない
- 死について考えてしまう
子供の症状
- 学校に行きたがらない、友達と遊ばなくなる
- 成績が急に落ちる
- 落ち着きがなくなる、または逆に無口になる
- 頭痛やおなかの痛みなど体の不調を訴える
- わがままや反抗が増える(大人からすると気分の問題に見えることも)
高齢者の症状
- 物忘れがあるように見える(仮性認知症)
- 体の痛みやだるさを強く訴える
- 食欲が落ちて体重が減る
- 閉じこもりがちになる
- 不安やイライラが強くなる
原因
主な原因
- 脳内の神経伝達物質(気分を調整するホルモンのような物質)のバランスがくずれること
- ストレス(仕事や人間関係、生活の変化など)が大きなきっかけになる
- 遺伝的要因(家族に気分障害の人がいるとややリスクが高まる)
- 体の病気や薬の影響で気分障害に似た症状が出ることもある
リスク要因
- 強いストレスやトラウマ体験
- 慢性的な睡眠不足
- 孤独感や社会的なサポートの不足
- 出産(産後うつ)や更年期などホルモンの変化
- アルコールや薬物の乱用
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 自殺や自分を傷つける考えがあり、それが強まっている場合は、ためらわずに救急外来か119番に連絡してください
- 幻聴(聞こえない声が聞こえる)や幻覚がある場合は、早急に精神科の受診が必要です
定期受診を予約すべき場合:
- 気分の落ち込みや興味の喪失が2週間以上続いている
- 眠れない、食欲がないなど体の不調が続いて生活に支障が出ている
- 仕事や学校、家事ができずに困っている
診断
医師があなたの症状や経過を詳しく聞き取り、診察します。血液検査や頭の画像検査などを行って、ほかの体の病気が原因でないかを確認することもあります。精神科や心療内科、かかりつけ医でも相談できます。
行われる可能性のある検査
- 問診(症状の内容、期間、程度、日常生活への影響などを聞かれる)
- 心理評価(質問票などで気分の状態を客観的に評価)
- 血液検査(貧血や甲状腺の病気など、体の原因がないかを確認)
- 必要に応じて頭部画像検査(CTやMRI)
診察で予想されること
診察では、緊張しなくても大丈夫です。医師には、気分の落ち込みだけでなく、睡眠や食欲、体の不調なども伝えましょう。初回は15~30分程度かかることが多く、必要に応じて何度か通院しながら経過をみます。
治療
気分障害の治療は、薬物療法と心理療法(カウンセリング)を組み合わせて行うのが一般的です。また、生活リズムを整えたり、家族や周囲の理解を得たりすることも回復に役立ちます。治療には時間がかかりますが、多くの人が症状を改善できます。
自宅でのセルフケア
- まずは睡眠を整える(毎日同じ時間に布団に入る、寝る前のスマホを控えるなど)
- 無理をせず、できることから少しずつ活動する
- 信頼できる人に気持ちを話す
- お酒やカフェインをとりすぎない
- 「休むことも治療の一部」と考える
医療治療
薬物療法では、気分を安定させるお薬やうつ症状を改善するお薬などが使われますが、どの薬が合うかは人によって違います。医師があなたの状態に合わせて、種類や量を調整します。また、心理療法(認知行動療法など)では、考え方のくせに気づき、気分を楽にする方法を練習します。必ず医師の指示に従い、自己判断で服薬をやめないでください。
この病気と共に生きる
気分障害と生きることは、波があることを理解することから始まります。調子のいい日は活動し、つらい日は休む、というように、自分のペースで生活を組み立てることが大切です。主治医や支援者と相談しながら、無理のない目標を立てましょう。
生活習慣のアドバイス
- 毎日の起床・就寝時刻をできるだけ一定に保つ
- 日光を浴びる(朝散歩するなど)
- 人とのつながりを少しずつ保つ
- 気分の変化を記録して、自分の傾向を知る
食事と運動
バランスのよい食事を心がけ、特に朝ごはんを抜かないようにしましょう。運動は気分を上げる効果がありますが、激しい運動ではなく、ウォーキングなど軽いものを続けるのがおすすめです。
精神的健康と心の健康
気分障害があると、自分を責めたり、「周りに迷惑をかけている」と感じたりすることがあります。しかし、それは病気の症状であって、あなたのせいではありません。つらいときは一人で抱え込まず、信頼できる人や専門家に助けを求めましょう。
予防
気分障害を完全に予防する方法はありません。しかし、ストレスをためすぎない、睡眠をしっかりとる、早いうちに相談するなど、悪化を防ぐことはできます。また、うつ病の再発を防ぐには、治療を続けることが大切です。
検診プログラム
気分障害のスクリーニングとして、自治体や職場で行う健康診断で質問票を使う場合があります。心配なことがあれば医療機関で相談を。
合併症
治療しない場合
- 自殺のリスクが高まる(気分障害による自殺は予防可能な死である)
- 仕事や学業、家事など社会的な役割を果たせなくなる
- 人間関係が悪化する
- アルコールや薬物に依存しやすくなる
- 体の健康にも影響し、心臓病などのリスクが高まる
長期的な見通し
気分障害は、適切な治療を受ければ多くの人が社会復帰し、充実した生活を送ることができます。治療は長期にわたることもありますが、自分を責めず、一歩ずつ回復を信じてください。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
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