心筋虚血について知っておくべきこと
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
心筋虚血とは、心臓の筋肉(心筋)に、酸素や栄養を運ぶ血液が十分に届かなくなる状態です。多くは、心臓に血液を送る血管(冠動脈)が狭くなったり詰まったりすることが原因で起こります。
重要な事実
- 心臓は全身に血液を送るポンプですが、心臓自身にも血液が必要です。
- 心筋虚血は、心臓の筋肉が必要な酸素や栄養が不足することで起こります。
- 代表的な症状は胸の痛みや圧迫感ですが、症状のない人もいます。
- 治療せずに放置すると、心筋梗塞や心不全などにつながることがあります。
心筋虚血は日本でもよく見られる病気です。循環器疾患(心臓や血管の病気)は日本人の死亡原因の中で大きな割合を占めており、厚生労働省も生活習慣病の予防を呼びかけています。
中高年に多く見られます。男性では50代以降、女性では閉経後に増える傾向があります。しかし、若い人でも高血圧や糖尿病などの危険因子があれば発症することがあります。
症状
- 胸の強い痛みや圧迫感が10分以上続く
- 安静にしていても胸痛が治まらない
- 冷や汗を伴う呼吸困難
- 意識が遠くなる、または一時的に意識を失う
- 激しい吐き気や嘔吐を伴う胸痛
- ⚠胸の痛みや圧迫感が数分間続くが、休むと治まる
- ⚠階段や坂道で胸が締め付けられるように感じる
- ⚠これまでにない息切れや疲れやすさを感じる
一般的な症状
- 胸の痛み、圧迫感、締め付けられる感じ
- 吐き気やむかつき
- 左の腕やあご、背中への痛みの広がり
子供の症状
- 小児の心筋虚血は非常にまれです。
- 先天的な心臓の病気が原因で起こることがありますが、一般的ではありません。
- 哺乳力が弱い、呼吸が速い、泣き続けるなどの症状が出ることがあります。
高齢者の症状
- 高齢者では胸の痛みが出にくく、息切れや倦怠感、食欲低下、意識がもうろうとするなどの非典型的な症状が出ることがあります。
- いつもの体調と違うと感じたら、早めに受診することが大切です。
原因
主な原因
- 冠動脈の動脈硬化(血管の壁が硬くなり、コレステロールなどがたまって内側が狭くなること)
- 冠動脈のけいれん(血管が一時的に強く縮んで血流が減ること)
- 血栓(血管の中で血液のかたまりが詰まること)
リスク要因
- 脂質異常症(コレステロールや中性脂肪の値が高い状態)
- 糖尿病または血糖値が高い状態
- 運動不足
- 過剰な飲酒
- ストレス
- 家族に心臓病の人がいる
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 安静にしているのに胸痛が起こる
- 胸痛の回数や強さが増えてきている
- 息切れがひどくなっている
定期受診を予約すべき場合:
- 健康診断で血圧やコレステロール、血糖の異常を指摘された
- 時々胸が痛むことがある
- 階段や歩行で息切れを感じる
診断
医師が問診で症状や生活習慣を詳しく聞き、そのうえで心電図や血液検査などを行います。必要に応じて、負荷をかけながら調べる検査や画像検査が行われることもあります。
行われる可能性のある検査
- 心電図(心臓の電気的な働きを調べる検査)
- 血液検査(心筋に負担がかかったときに出る物質や、危険因子の値を調べます)
- 運動負荷試験(自転車こぎや歩行などの運動をしながら心電図をとる検査)
- 心エコー(超音波で心臓の動きや形を調べる検査)
- 冠動脈CT(心臓の血管を詳細に写す画像検査)
- 冠動脈造影(カテーテルを血管に入れ、冠動脈の狭さや詰まりを直接調べる検査)
診察で予想されること
まずは一般的な診察と心電図から始まります。検査の内容や時間は症状によって異なりますが、担当の医師や看護師がわかりやすく説明します。急な胸痛の場合には、緊急で検査と治療が並行して行われることもあります。
治療
治療の目的は、心臓の筋肉への血流を再び確保し、心筋を守ることです。原因や重症度に応じて、生活習慣の改善、薬物療法、カテーテル治療、手術などが組み合わせて行われます。
自宅でのセルフケア
- 禁煙する
- 飲酒は控えめにする(できればやめる)
- 適切な体重を維持する
- ストレスをため込まない
- 処方された薬は医師の指示どおりに続ける
- 胸痛や息切れを感じたら、無理をせず休む
医療治療
薬物療法では、血管を広げて血流を改善する薬、血液を固まりにくくする薬、コレステロールを下げる薬、心臓の働きを助ける薬などが、患者さんの状態に合わせて使われます。薬の名前や飲み方は必ず医師・薬剤師の指示に従ってください。
手術が検討される場合
冠動脈が強く狭くなっている場合や、カテーテル治療(管を使って血管の中から広げる治療)が難しい場合には、冠動脈バイパス術という手術が検討されることがあります。
この病気と共に生きる
日常生活では、医師の指示に従い、無理のない範囲で活動することが大切です。胸痛が起きたときの対処法(休む、薬を服用する、119番を呼ぶなど)を家族と共有しておきましょう。
生活習慣のアドバイス
- 禁煙を続ける
- 塩分を控える
- 野菜や果物、魚を積極的にとる
- 飽和脂肪酸の多い肉の脂身や加工食品を減らす
- 適度な運動を習慣にする(医師の許可を得てから始める)
- 毎日十分な睡眠をとる
食事と運動
バランスのよい食事と適度な運動が基本です。日本食は一般的に心臓に良いとされますが、塩分には注意しましょう。運動はウォーキングなど負荷の少ないものから始め、医師や理学療法士のアドバイスを受けると安心です。
精神的健康と心の健康
心臓病と診断されると、不安や落ち込みを感じるのは自然なことです。つらい気持ちを一人で抱え込まず、家族や友人、医療スタッフに話しましょう。もし強い自殺や危機を考えているなら、すぐに信頼できる人や医療機関に相談してください。
予防
完全に予防することは難しいですが、動脈硬化を進める危険因子を減らすことで、発症や悪化のリスクを下げることができます。厚生労働省の「健康日本21」でも、生活習慣病の予防が推奨されています。
検診プログラム
健康診断や特定健診で、血圧、血糖、コレステロールなどの値を定期的に確認することが重要です。異常を指摘されたら放置せず、かかりつけ医に相談しましょう。必要に応じて心電図などの追加検査を受けることもあります。
合併症
治療しない場合
- 心筋梗塞(心臓の筋肉の一部が壊れてしまうこと)
- 不整脈(心臓のリズムが乱れること)
- 心不全(心臓のポンプ機能が低下すること)
長期的な見通し
適切な治療と生活習慣の改善を続ければ、多くの方は症状を安定させ、安心して日常生活を送ることができます。心筋虚血は「付き合い方」を学ぶことが大切です。医師と一緒に、あなたに合った長期的な計画を立てていきましょう。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年8月1日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
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