髄膜腫(ずいまくしゅ)――はじめに知っておきたいこと
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
髄膜腫は、脳や脊髄を包む「髄膜」という薄い膜にできる腫瘍です。多くは良性(がんではない)で、成長がとてもゆっくりです。腫瘍自体は広がりにくい一方、大きくなると周りの神経を圧迫することがあります。
重要な事実
- ほとんどの髄膜腫は良性で、命にかかわるようながんではありません。
- 症状が出るまで何年もかかることがあり、偶然見つかることもあります。
- 治療は経過観察、手術、放射線治療などがあります。
髄膜腫は脳にできる腫瘍の中では最も多い種類のひとつで、決してまれな病気ではありません。
40代以降の女性に多く見られますが、男性や子どもでも発症することがあります。年齢が上がるにつれて見つかる確率は高くなります。
症状
- 突然の激しい頭痛
- けいれん発作が止まらない
- 片側の手足のまひ・しびれが急に出現
- 言葉が出にくい・理解できない
- 視力が急に低下した
- ⚠何日も続く頭痛で生活に支障がある
- ⚠吐き気が続く
- ⚠体のしびれや違和感が続く
- ⚠ふらつきや転倒を繰り返す
一般的な症状
- 頭痛が続く・悪化する
- けいれん発作(てんかん)
- 片方の手足の力が入りにくい
- 視野が狭くなる・見えにくい
- 耳鳴りや難聴
- 物忘れや性格の変化
- 吐き気や嘔吐
原因
主な原因
- 髄膜腫の原因は完全には分かっていません。多くの場合、特定できる原因はありません。
- 一部の髄膜腫は遺伝子の変化が関係していると考えられています。
- 過去に放射線治療を受けたことが原因となる場合があります(まれ)。
リスク要因
- 加齢(特に40歳以上)
- 女性であること
- 特定の遺伝性疾患(神経線維腫症など)
- 頭部への放射線照射の既往
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 突然の激しい頭痛やけいれん発作があるときは、すぐに救急車を呼んでください(電話119)。
- 手足のまひや言葉の障害が急に現れたら、直ちに医療機関を受診してください。
定期受診を予約すべき場合:
- 頭痛が続く、めまいや物忘れが気になるなど、症状がある場合は近くの医療機関(かかりつけ医や脳神経外科)を受診してください。
診断
髄膜腫の診断には、画像検査が欠かせません。CT検査やMRI検査で、脳の中の腫瘍の位置や大きさ、周りへの影響を調べます。
行われる可能性のある検査
- CT検査(コンピューター断層撮影)
- MRI検査(磁気共鳴画像)
- 神経学的診察(筋力・感覚・視野などのチェック)
- 場合によっては脳波検査や腫瘍の組織検査(生検)
診察で予想されること
検査は外来で行えることが多く、当日または数日で結果が出ます。もし腫瘍が見つかっても、すぐに治療が始まるとは限らず、医師と十分に話し合って方針を決めます。
治療
髄膜腫の治療は、腫瘍の大きさや場所、症状、年齢などによって異なります。大きく分けて「経過観察」「手術」「放射線治療」の3つの方法があります。
自宅でのセルフケア
- 処方されたお薬は指示通りに服用し、自己判断で止めない
- 定期的な画像検査を欠かさない
- 無理をせず、休養を十分にとる
- 神経症状が変わったら記録しておく
医療治療
症状が強い場合には、腫瘍による周りの組織のむくみ(浮腫)を抑えるお薬や、けいれん発作を防ぐお薬などが使われることがあります。腫瘍そのものを消す薬物治療は一般的ではありません。必ず医師の指示に従ってください。
手術が検討される場合
腫瘍が大きい、症状が現れている、または急速に大きくなっている場合は、手術が検討されます。手術で腫瘍をすべて取り切れれば、長期的な予後は良好です。
この病気と共に生きる
髄膜腫の多くはゆっくり育つため、経過観察中も普段の生活をほとんど変えずに過ごせる人がほとんどです。定期的な通院と画像検査を続けることが大切です。
生活習慣のアドバイス
- 睡眠をしっかりとり、疲れをためない
- 強い頭痛がある日は運転を避ける
- けいれん発作がある場合は、水泳や高所作業などの危険な活動は避ける
- 家族や職場に症状を伝えておく
食事と運動
特別な食事制限はありませんが、バランスの良い食事を心がけ、適度な運動(散歩など)を続けると、全身の健康維持につながります。日常生活に支障がある場合は、医師や理学療法士に相談してください。
精神的健康と心の健康
腫瘍と診断されると不安や恐怖を感じるのは自然なことです。無理に気を強く持つ必要はありません。気分の落ち込みが続く場合は、医師やカウンセラーに相談してみましょう。
予防
残念ながら、髄膜腫を確実に予防する方法はまだ分かっていません。健康診断や気になる症状での早期発見が大切です。
ワクチン
髄膜腫そのものを予防するワクチンはありません。
検診プログラム
髄膜腫のための特別な検診は推奨されていません。脳ドック(健康診断の一種)で偶然見つかることもありますが、疑わしい症状がない限り、必ずしも必要とは限りません。気になる場合は医師に相談しましょう。
合併症
治療しない場合
- 腫瘍が大きくなり、周りの脳を強く圧迫すると、頭蓋内圧が上がって激しい頭痛や吐き気が起きます
- 視神経や運動をつかさどる脳の一部が圧迫され、視力障害や手足のまひが進行することがあります
- 場合によっては水頭症(脳脊髄液の循環障害)を引き起こすことがあります
長期的な見通し
多くは良性で、治療後の経過も良好です。特に手術で完全に取り切れた場合や、経過観察で長年変化がない場合は、安心して生活できます。定期的に医師と相談しながら、適切な時期に治療を受けることが大切です。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年8月2日
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