くも膜下出血
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
くも膜下出血は、脳を包んでいる「くも膜」と脳の表面との間にある血管が破れて出血する病気です。出血が脳の周りに広がり、突然の激しい頭痛を引き起こします。
重要な事実
- 血管が破れて出血する、命に関わる緊急の状態です。
- 突然の「雷のような」激しい頭痛が典型的なサインです。
- 迅速な治療がとても重要で、再出血を防ぐことが最優先になります。
日本では、人口10万人あたり年間約7人が発症するといわれ、比較的まれな病気です。
30〜60歳の働き盛りの世代に多く、女性にやや多い傾向があります。高血圧や喫煙などがあるとリスクが高まります。
症状
- 突然の激しい頭痛が起こった
- 意識を失った、または呼びかけに反応しない
- けいれんしている
- 片方の手足が動かない、しびれる
- ろれつが回らない、言葉が出ない
- ⚠激しくはないが、今まで経験したことのないような強い頭痛が続く
- ⚠頭痛に吐き気や首の痛みを伴う
- ⚠物が二重に見える
一般的な症状
- 突然の激しい頭痛(「バットで殴られたような」と表現されることがあります)
- 吐き気や嘔吐
- 意識がもうろうとする、気を失う
- 首のこわばり
- 光をまぶしく感じる
- けいれん発作
子供の症状
- 子どもではまれですが、頭痛や吐き気、元気がない、意識がぼんやりするなどの症状が現れます。
- 頭部のけがや生まれつきの血管の異常が原因となることがあります。
高齢者の症状
- 高齢者では、激しい頭痛が目立たず、意識障害やぼんやりする、ふらつく、認知機能の低下などの症状で現れることがあります。
原因
主な原因
- 脳動脈瘤(脳の血管にできるこぶ)が破れること
- 頭部の強いけがによる脳血管の損傷
- 脳動静脈奇形などの生まれつきの血管の異常
リスク要因
- 大量の飲酒
- 脳動脈瘤の家族歴がある
- 多発性嚢胞腎などの遺伝性の病気がある
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 突然の激しい頭痛や意識の異常、けいれんがある場合は、ためらわずに救急車(119番)を呼んでください。
定期受診を予約すべき場合:
- 家族に脳動脈瘤をもつ人がいるため、心配に思っている場合は、かかりつけ医に相談しましょう。
診断
医師の診察と画像検査で診断します。くも膜下出血が疑われる場合は、できるだけ早く頭部CT検査を行います。
行われる可能性のある検査
- 頭部CT(コンピューター断層撮影)
- 頭部MRI(磁気共鳴画像)
- 脳血管造影
- 腰椎穿刺(脳脊髄液の検査)
診察で予想されること
救急外来では、まず意識や神経の状態を確認し、すぐにCT検査を行います。結果によっては、脳神経外科などの専門医による集中治療や手術が必要になります。検査や治療の流れについて、医師がわかりやすく説明します。
治療
くも膜下出血の治療では、出血を止めて再出血を防ぐことが最優先です。必ず専門の医療機関での緊急治療が必要です。
自宅でのセルフケア
- 医師の指示による安静
- 血圧を高くしないための生活管理
- 禁煙・節酒
- リハビリテーションを根気よく続ける
医療治療
治療法には、開頭手術を行い、出血源の血管のこぶをクリップで挟んで血液が流れないようにする方法や、カテーテルを血管に通してコイルなどを詰める血管内治療があります。また、血圧の管理や脳の腫れを抑えるなど、症状に合わせた薬物療法も行われます。どの治療が適しているかは、出血の場所や程度、患者さんの状態に応じて専門医が判断します。
手術が検討される場合
出血した動脈瘤の形や場所、患者さんの状態によって、開頭手術(クリッピング術)と血管内治療(コイリング術)のどちらかを選択します。緊急を要する場合は、すぐに手術が行われることもあります。
この病気と共に生きる
退院後も定期的に外来で経過を観察します。血圧の測定や服薬管理、禁煙など、再発を防ぐための生活が大切です。
生活習慣のアドバイス
- 禁煙をする
- お酒は控えめにする
- 血圧を高くしないよう、塩分を控える
- 十分な睡眠と休養をとる
- 急な力みや過度なストレスを避ける
食事と運動
塩分を控えめにしたバランスの良い食事を心がけ、野菜や果物も適量とりましょう。運動は医師の許可が出てから、ウォーキングなどの軽いものから始めるのが安心です。
精神的健康と心の健康
突然の重い病気を経験すると、不安や抑うつ気分になることがあります。気持ちを家族や医療者に話し、無理をしないでください。心のつらさが続く場合は、一人で抱え込まず、かかりつけ医や地域の精神保健サービス(保健所など)に相談しましょう。
予防
すべてのくも膜下出血を予防することはできませんが、高血圧や喫煙など、自分で変えられるリスクを減らすことで発症の可能性を下げられます。
ワクチン
くも膜下出血を予防するワクチンはありません。
検診プログラム
一般的な健康診断でくも膜下出血を調べることは推奨されていませんが、家族に脳動脈瘤を持つ方がいる場合など、心配なときは医師に相談して、検査が必要かどうかを判断してもらいましょう。
合併症
治療しない場合
- 再出血を起こすと、死亡する危険性が大きく高まります。
- 脳の血管が細くなる(血管れん縮)ことで脳梗塞を引き起こすことがあります。
- 水頭症(脳脊髄液がたまる状態)を起こすことがあります。
- 長期間の意識障害や、まひ・言語障害などの後遺症が残ることがあります。
長期的な見通し
早期に適切な治療が行われれば、多くの人が回復に向かいます。後遺症が残る場合もありますが、リハビリテーションなどを続けることで生活の質を維持することができます。希望を持って、治療と回復への取り組みを続けることが大切です。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
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最終更新: 2026年8月2日
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