体シラミ(コロモジラミ)感染症
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
コロモジラミは、人の血液を吸って生きる小さな虫です。頭に寄生するアタマジラミとは違い、主に下着や衣服の縫い目に住みつき、体の皮膚に移動して血を吸います。「感染」というよりも「寄生」される状態です。
重要な事実
- 衣類や寝具を介してうつることが多い
- 清潔な環境を保つことで予防・治療ができる
- かゆみが主な症状で、適切に治療すれば治る
日本では日常診療で見かけることはまれですが、避難所や共同生活など、衛生状態が十分に保てない環境では発生することがあります。
誰でもかかる可能性がありますが、着替えや入浴が難しい環境で生活する人、密集した場所で生活する人に多く見られます。
症状
- 全身に激しい痛みを伴う赤い斑点や紫斑が広がる
- 高熱が続き、意識がもうろうとする
- 呼吸が苦しい、顔や舌の腫れなど、重度のアレルギー症状
- ⚠傷が赤く腫れて膿が出る
- ⚠わきの下や足のつけ根のリンパ節が腫れる
- ⚠熱がある、体がだるい
- ⚠市販のケアや治療をしても症状が悪化する
一般的な症状
- 夜間に特に強くなる激しいかゆみ
- 赤い小さな発疹や皮膚のぶつぶつ
- 衣類の縫い目に虫や卵(つぶつぶ)が見える
- 皮膚に点状のかさぶたや色素沈着
子供の症状
- 体のかゆみを訴えることが多い
- わきの下や腰回りを中心に赤い発疹が出る
- 掻き傷が化膿しやすい
高齢者の症状
- 皮膚が薄いため傷が深くなりやすい
- かゆみを感じにくいこともあり、見落とされがち
- 細菌感染を起こした場合、重症化しやすい
原因
主な原因
- 感染者の衣類や寝具との直接接触
- タオル、下着、シーツの共有
- 長期間同じ衣服を着続ける環境
- 入浴や洗濯ができない不衛生な環境
リスク要因
- 避難所やホームレスのような集団生活
- 身の回りの衛生管理が難しい状況
- 衣服や寝具を他人と共有する
- 免疫力が低下している
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 皮膚が化膿して膿が出る、赤い線が広がる
- 高熱や強い倦怠感がある
- リンパ節が腫れて痛む
- 自分で何をしても改善しない強いかゆみが続く
定期受診を予約すべき場合:
- 衣類や体にシラミらしい虫や卵を見つけた時
- 原因のはっきりしない体の強いかゆみが続く時
- 家族や同居者に同じ症状が出た時
診断
医師が皮膚と衣類を見て、シラミの成虫や卵の有無を確認します。ルーペや顕微鏡で詳しく調べることもあります。
行われる可能性のある検査
- 皮膚の症状の視診(見た目による診察)
- 衣類の縫い目の検査
- 必要に応じて顕微鏡での虫卵の確認
診察で予想されること
診察では、衣類を脱いで全身の皮膚を見せることがあります。気になる衣類や下着を持参すると、診断に役立ちます。治療法と自宅でのケアについて説明を受けます。
治療
治療の中心は、シラミと卵を体と衣類の両方から取り除くことです。医師の指示に従って薬を使い、同時に衣類や寝具を高温で洗濯・乾燥させることが重要です。
自宅でのセルフケア
- 下着や寝具は60度以上のお湯で洗濯し、高温の乾燥機にかける
- 洗えないものは、クリーニングに出すか、密閉した袋に2週間以上保管する
- 入浴して体を洗い、治療後は清潔な衣服に着替える
- タオルや下着、寝具は誰とも共有しない
- 同居家族も一緒に確認し、必要なら治療を受ける
- かゆいところは掻かずに、冷やしたり医師に処方された薬を使う
医療治療
医療機関では、シラミを殺す成分を含むローションやシャンプーなどが処方されます。かゆみを抑える薬や、皮膚の細菌感染に対する抗生物質が使われることもあります。市販薬を使う場合は、医師や薬剤師に相談しましょう。いずれの場合も、必ず指示された使い方と期間を守ってください。
手術が検討される場合
手術が必要になることはありません。
この病気と共に生きる
治療を始めたら、毎日清潔な下着と衣類に着替え、入浴を続けます。衣類や寝具は毎日洗濯し、高温で乾燥させましょう。家族にうつさないためにも、自分のタオルや寝具を分けて使うと安心です。
生活習慣のアドバイス
- 毎日入浴し、体を清潔に保つ
- 下着や衣類は毎日交換する
- 寝具は定期的に洗濯する
- 人の衣類やタオルを借りない
- かゆみを抑えるため、部屋を涼しくして通気性の良い服を着る
- 爪を短く切り、掻きむしりを防ぐ
食事と運動
特別な食事制限はありません。バランスの良い食事と十分な睡眠をとり、体力を保つことが回復を助けます。体調に問題がなければ、普段どおり運動してかまいません。
精神的健康と心の健康
かゆみや発疹が続くと、睡眠不足になったり、周囲にうつしてしまうのではないかという不安を感じたりすることがあります。また、不衛生な環境への恥ずかしさで、相談しにくくなる方もいます。そのような気持ちは自然なものです。一人で抱え込まず、医師や看護師、地域の相談窓口に話してください。
予防
はい、予防できます。最も大切なのは、入浴して体を清潔に保つこと、衣類や寝具を定期的に洗濯して高温で乾かすこと、他人の衣類やタオルを共有しないことです。特に、避難所などの共同生活では、個人の荷物を分けて保管することが大切です。
ワクチン
この病気を予防するワクチンはありません。
検診プログラム
健康診断などで行われる定期的な検査はありません。気になる症状があれば、早めに医療機関に相談してください。
合併症
治療しない場合
- 掻き傷から細菌感染を起こして、とびひやせつ(おでき)などの皮膚炎を引き起こすことがある
- 長引くかゆみによって睡眠不足や皮膚の色素沈着が起こることがある
- ごくまれにシラミが病原体を運び、発疹チフスなどの感染症を媒介することがある(日本ではほとんど報告がない)
長期的な見通し
適切な治療と衣類・寝具の洗濯を徹底すれば、体シラミは完全に取り除くことができます。通常、1~2週間程度で症状は改善します。衛生状態を整えることが再発防止につながります。あせらず、医師の指示を守って治療を続けましょう。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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