脊髄性頭痛(腰椎穿刺後頭痛)
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
脊髄性頭痛は、脊髄の周りを包む膜に針を刺す処置(腰椎穿刺や脊椎麻酔など)のあと、脳脊髄液という液体が少し漏れることで起こる頭痛です。この頭痛は、座ったり立ったりすると悪化し、横になると良くなるのが特徴です。
重要な事実
- 座ったり立ったりすると頭痛が強くなり、横になると楽になります。
- 多くは数日から1週間程度で自然に良くなります。
- 安静と水分補給が大切で、必要に応じて医師の治療を受けます。
腰椎穿刺や脊椎麻酔を受けた人のうち、およそ10~30%で起こると言われています。最近は細い針を使うことで少なくなっています。
腰椎穿刺や脊椎麻酔、硬膜外麻酔などを受けた人に起こります。若い人や妊娠中の方にやや多く見られます。
症状
- 突然の激しい頭痛
- 発熱と首の硬直(首が曲がらない)
- 意識がもうろうとする、呼びかけに反応しない
- けいれんや発作
- 体の片側の麻痺や言葉の障害
- ⚠頭痛が次第にひどくなり、安静にしても治まらない
- ⚠発熱を伴う頭痛
- ⚠視力に急な変化がある
- ⚠強い吐き気や嘔吐が続く
- ⚠医療機関で処方された薬を使っても改善しない
一般的な症状
- 頭痛(特に前頭部や後頭部)
- 首のこりや痛み
- 視界のかすみ
原因
主な原因
- 脊髄くも膜下麻酔、腰椎穿刺、硬膜外麻酔などの処置で、脳脊髄液の入った袋に小さな穴が開き、液体が周囲に漏れることで、脳が下がって周りの神経や血管が引っ張られ、頭痛が起きます。
リスク要因
- 若い年齢
- 以前に脊髄性頭痛を起こしたことがある
- 穿刺針が太い
- 複数回穿刺する
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 上述の緊急症状がある場合は、ためらわずに119番に電話してください。
- 頭痛が数日続く、市販の薬を使っても治まらない、横になっても楽にならない、発熱や強い吐き気がある場合は、早めに医療機関を受診してください。
定期受診を予約すべき場合:
- 腰椎穿刺や脊椎麻酔の後、心配がなくても医療機関の指示に従い、定められた受診予約を守ってください。
診断
医師が問診(症状の聞き取り)と診察を行い、典型的な特徴(立つと悪化、横になると改善)があれば、主に診断がつきます。必要に応じて、他の病気を除外するために画像検査を行うことがあります。
行われる可能性のある検査
- 問診と診察
- 必要に応じて血液検査
- 頭部のCTまたはMRI検査
診察で予想されること
診察では、頭痛の性質、いつ始まったか、どんな姿勢で悪化するかなどを聞かれます。医師はあなたの首や神経の状態をチェックします。脳や脊髄の異常を調べるために、まれにCTやMRIなどの画像検査が行われます。
治療
治療は、まず安静と水分補給などの保存的ケアから始めます。良くならない場合は、医師が血液パッチ(自分の血液を背中の処置部位に注入する方法)などの専門的な治療を検討することがあります。
自宅でのセルフケア
- 横になって安静にする
- 水分を十分に補給する
- 急に座る、立ち上がる、重いものを持ち上げるなど、腹圧を上げる動作を避ける
- 処置をした医療機関の指示に従う
医療治療
医師による治療としては、血液パッチ(自分の静脈から採った血を背中の硬膜外腔に入れて、髄液の漏れをふさぐ方法)が最も一般的です。そのほか、症状を和らげるための薬や、静脈からの点滴による水分補給が行われることがあります。具体的な薬や治療法は、医師があなたの状態に合わせて決めます。
手術が検討される場合
手術(外科的処置)が必要になることはほとんどありません。髄液の漏れが長引く場合でも、血液パッチや保存的治療で対応するのが通常です。
この病気と共に生きる
発症後は、できるだけ横になって過ごし、頭を動かす動作をゆっくりにしましょう。仕事や家事は症状が改善するまで休むことも大切です。処置を行った医師に相談しながら、無理のない範囲で日常生活に戻る準備をしてください。
生活習慣のアドバイス
- 十分な睡眠をとる
- 水分をこまめに補給する
- 長時間の座り仕事や立ち仕事を避ける
- 重いものを持ち上げない
食事と運動
食事は、吐き気がなければ普段どおりで構いません。水分を多めにとるように意識してください。運動は、頭痛が完全に治まるまでは控えめにし、再開するときは医師に確認しましょう。
精神的健康と心の健康
頭痛が続くと不安やイライラを感じることがあります。そのような状態は珍しくありません。不安をためこまず、医師や看護師に相談してください。症状が続いても、多くの場合、適切な対応で改善します。
予防
脊髄性頭痛を完全に防ぐことはできませんが、医療者は穿刺に細い針を使う、穿刺回数を最小限にする、穿刺後にすぐ立たないなどの工夫を行います。また、穿刺後は医師の指示に従って安静にすることが予防につながります。
ワクチン
この頭痛を予防するためのワクチンはありません。
検診プログラム
特に定期的な検診やスクリーニングはありません。症状があれば早めに医師に相談してください。
合併症
治療しない場合
- まれに、髄液の漏れが長引くと慢性の頭痛になることがあります。
- 頭蓋内低圧による神経の牽引症状が続くことがあります。
- ごくまれに、硬膜下血腫という状態を合併することがあります。
長期的な見通し
多くの脊髄性頭痛は、適切な安静と治療で数日から2週間程度で改善します。血液パッチは高い確率で症状を改善します。重篤な後遺症が残ることはまれです。安心して医療者に相談してください。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年8月1日
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