ワルデンストレームマクログロブリン血症(WM)とは?
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
ワルデンストレームマクログロブリン血症は、血液の中のB細胞(免疫を担当する細胞)が異常に増えて、IgMというたんぱく質を大量に作ってしまう、まれな血液のがんです。進行がゆっくりであることが多く、初期は症状がほとんどないこともあります。
重要な事実
- まれな血液のがんで、進行はゆっくりです。
- IgMという抗体が過剰に作られ、血液がドロドロになりやすいのが特徴です。
- 完治は難しいものの、治療で長く安定した生活ができる方が多い病気です。
非常にまれな病気です。日本では年間に約100〜200人が新たに診断されるといわれています。
60歳以上の中高年に多く、特に男性にやや多くみられます。子どもにはほとんどありません。
症状
- 突然の強い頭痛
- 意識がもうろうとする、または失神する
- 急に視力が低下する、物が二重に見える
- 胸の痛み、呼吸困難
- けいれん
- 止まらない出血
- ⚠持続する高熱
- ⚠感染症の疑い(悪寒、咳、のどの痛みなど)
- ⚠激しい出血(鼻血が止まらない、血便が出るなど)
- ⚠急に手足の力が入らない、言葉がしゃべりにくい
一般的な症状
- 疲れやすさ、だるさ(貧血による)
- 息切れ、動悸
- 鼻血や歯茎の出血など、出血しやすい
- 視力のぼやけ、かすみ
- 手足のしびれや痛み
- めまい、頭痛
- リンパ節の腫れ
- 原因不明の体重減少、発熱、寝汗
原因
主な原因
- 正確な原因はまだわかっていません。
- B細胞の遺伝子に変化が起こり、がん化することが関係していると考えられています。
- 感染や環境要因が関与する可能性も研究されていますが、確定的なものはありません。
リスク要因
- 年齢(60歳以上)
- この病気の家族歴がある場合(まれですがリスクがやや高まるといわれます)
- 原因不明のIgM抗体が高い状態(MGUSと呼ばれる前がん状態)がある場合
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 先ほど挙げた緊急症状(突然の頭痛、意識障害、視力低下など)がある場合は、すぐに救急車(119番)を呼んでください。
- 高熱が続く、または感染症を疑う症状がある場合は、当日中に医療機関を受診してください。
定期受診を予約すべき場合:
- 原因不明の疲れや貧血が続く場合は、かかりつけ医に相談しましょう。
- 出血しやすい、手足のしびれ、視界がかすむなどの症状がある場合は、早めに血液内科を受診しましょう。
- 健康診断で血液のたんぱく異常や貧血を指摘された場合は、専門医の受診を検討しましょう。
診断
まず、血液検査でIgMの値や貧血、血液の粘度(ドロドロ具合)を調べます。さらに、骨髄検査や画像検査を行って診断を確定します。
行われる可能性のある検査
- 血液検査(血算、免疫グロブリン定量、血清蛋白電気泳動など)
- 骨髄検査(骨の中の液体を採取して細胞を調べる検査)
- CTや超音波などの画像検査
診察で予想されること
検査は外来で行えることが多く、結果が出るまでに数日から数週間かかります。診断と治療は血液内科の専門医が担当します。必要に応じて、他の科と連携しながら進められます。
治療
この病気は進行が非常に遅いため、症状がなければすぐに治療を始めず、定期的に経過を観察することがあります。症状がある場合や進行が速い場合は、薬物療法などの全身治療を行います。治療の目的は、症状をコントロールし、長期間にわたって安定した状態(寛解)を維持することです。
自宅でのセルフケア
- 十分な休息と睡眠をとり、疲れをためないようにする。
- 感染症を防ぐため、手洗いやうがいを徹底し、人混みを避ける。
- 出血しやすいため、ケガをしないように注意する。
- のどの渇きを感じたらこまめに水分をとり、脱水を防ぐ(腎臓や心臓に病気がある場合は医師に相談)。
- 体調の変化をメモに残しておく。
医療治療
治療法には、抗体療法、化学療法、分子標的薬、免疫調整薬などを組み合わせた全身療法が用いられます。また、血液がドロドロになって症状が出ている場合は、血液中の異常なたんぱく質を取り除く血漿交換という治療が行われることもあります。どの治療を行うかは、病期や症状、年齢や全身状態によって異なりますので、担当医と十分に相談して決めましょう。
手術が検討される場合
この病気に対して外科手術は通常行いません。
この病気と共に生きる
体調と相談しながら、日常生活の中での無理を減らし、自分のペースを大切にしましょう。定期的に通院して血液検査を受け、治療方針を一緒に決めていくことが大切です。
生活習慣のアドバイス
- 睡眠をしっかりとり、疲労を溜めない。
- 感染症予防のため、ワクチン接種について主治医と相談する。
- 湯船につかる、軽いストレッチなどでリラックスの時間を持つ。
- 転倒予防のため、部屋の整理整頓や滑りにくい靴を心がける。
- 禁煙を心がけ、アルコールは適量を守る。
食事と運動
特別な食事制限はありません。バランスの良い食事をとり、水分を適切に補給しましょう。運動は、体調が良いときに散歩や軽い体操などを無理のない範囲で続けると、体力維持に役立ちます。
精神的健康と心の健康
がんと診断された不安や治療のつらさから、気分の落ち込みや不眠が続くことがあります。ひとりで抱え込まず、医療機関の心理相談やがん相談支援センターを利用してください。もし強い絶望感や死にたい気持ちが続く場合は、必ず誰かに助けを求めましょう。すぐに相談できない場合は、救急外来や119番を利用してください。
予防
現時点では、この病気を予防する方法はわかっていません。早期に発見し、適切に経過を観察することが大切です。
ワクチン
この病気では免疫力が低下していることがあるため、インフルエンザや肺炎球菌などのワクチン接種について、主治医と相談しましょう。生ワクチンは避けたほうがよい場合もありますので、必ず医師に確認してください。
検診プログラム
一般的ながん検診では見つからないことが多い病気です。気になる症状がある場合や、健康診断で異常を指摘された場合は、早めに専門医を受診してください。
合併症
治療しない場合
- 高粘度症候群(血液がドロドロになり、脳や心臓の血管が詰まりやすくなる状態)
- 脳梗塞や心筋梗塞
- 肺や腎臓などの臓器障害
- 重度の感染症
- 貧血や出血の進行による全身の衰弱
長期的な見通し
この病気は完全に治ることはまれですが、治療によって多くの方が長期間安定し、普段の生活を続けることができます。新しい治療法も次々と開発されており、見通しは年々良くなっています。あきらめずに、医療チームと一緒に治療に取り組むことが大切です。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年8月1日
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