唾液腺がんについて
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
唾液腺がんは、唾液を作る器官である唾液腺にできるがんです。唾液腺には、耳の前や下にある大きな唾液腺と、口やのどの粘膜に散らばる小さな唾液腺があります。がんはこれらの細胞から発生し、周りの組織に広がることがあります。
重要な事実
- 唾液腺がんはまれながんで、すべてのがんの中で約1%以下といわれています。
- しこりや腫れが見つかることが最初のきっかけになることが多いです。
- 治療は主に手術で、場合によっては放射線治療や薬物療法を組み合わせます。
まれです。日本では年間に人口10万人あたり1人前後と報告されており、がん全体の中でも頻度は高くありません。
どの年齢でも起こりますが、主に50代から70代に多くみられます。男性にやや多い傾向がありますが、子どもや若い人でもまれに発生することがあります。
症状
- 急に呼吸が苦しくなる
- 急に顔が動かせなくなる
- しこりが急激に大きくなり、息苦しさを伴う
- ⚠急に顔の半分が動かない
- ⚠強い痛みが続く
- ⚠しこりが急速に大きくなる
一般的な症状
- 耳の前や下、あごの下などのこりっとしたしこり
- 顔や首の腫れ、痛み
- しびれや感覚の異常
- 飲み込むときの違和感
- 顔の片側が動かしにくい
子供の症状
- 子どもでも大人と同じようなしこりや腫れが現れますが、成長が早い場合もあります。
- 子どもの唾液腺がんは非常にまれですが、気になるしこりがあれば早めに医療機関を受診しましょう。
高齢者の症状
- 高齢者ではもともと唾液が少なくなり口の乾きを感じることがありますが、がんによる症状と区別しにくいことがあります。
- 新しいしこりができたり、痛みを伴う場合は受診の目安になります。
原因
主な原因
- 正確な原因はわかっていません。
- 遺伝子の変化が関わっていると考えられていますが、必ず起こるわけではありません。
- 過去に放射線治療(特に頭頸部への照射)を受けたことがきっかけとなることがあります。
リスク要因
- 年齢(50歳以上)
- 男性であること
- 過去に頭や首の放射線治療を受けたことがある
- まれに家族性の遺伝性疾患がある
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- しこりが急速に大きくなる
- 顔の麻痺やしびれが現れる
- 痛みがひどい
定期受診を予約すべき場合:
- しこりが2週間以上続く
- しこりがなくても飲み込みにくさや声のかすれが続く
- 口の中の違和感が気になる
診断
まず問診と触診を行い、その後、画像検査や細胞や組織の一部を採取する検査(生検)で診断します。
行われる可能性のある検査
- 超音波(エコー)検査
- CT検査
- MRI検査
- 針生検(しこりに細い針を刺して細胞を取る検査)
診察で予想されること
検査は外来で行えることが多く、結果が出るまで数日かかる場合があります。確定診断のためには生検が必要です。専門の医療機関(頭頸部外科や耳鼻咽喉科など)に紹介されることもあります。
治療
治療はがんの種類、進行度、場所、体の状態によって異なります。主な治療法は手術、放射線治療、薬物療法(抗がん剤など)を組み合わせて行います。どの治療を選ぶかは、担当医と十分に相談して決めます。
自宅でのセルフケア
- 治療中の口の乾燥には、無糖のガムや氷などを利用する
- 口腔ケアをしっかり行い、口内炎を予防する
- 栄養バランスのよい食事を心がけ、飲み込みにくいときは飲み込みやすい形状に工夫する
医療治療
手術はがんを切除する方法で、主な治療法のひとつです。放射線治療は高エネルギーの放射線でがんをやっつける治療で、手術の前後に行うことがあります。薬物療法は抗がん剤などを使用し、進行したがんや再発したがんに対して用いられることがあります。免疫療法や分子標的治療が使われる場合もあります。これらの治療は、医師の説明のもとで選択されます。
手術が検討される場合
手術は、がんが広がっていない早期の場合、または局所のコントロールを目指す場合にまず行われます。切除する範囲はがんの大きさや場所によって異なります。
この病気と共に生きる
治療後は、定期的な経過観察が大切です。再発や転移の早期発見のために、検診や画像検査を続けます。副作用や後遺症(口の乾き、味覚の変化、顔のむくみなど)が残ることもありますが、リハビリやケアで改善を目指します。
生活習慣のアドバイス
- 十分な休養と睡眠をとる
- 禁煙する
- アルコールは控えめにする
- 口の中を清潔に保つ
食事と運動
バランスのよい食事を心がけ、味覚が変わるときは香りや温度を工夫しましょう。口の乾燥があるときは、汁気のある料理や軟らかい食品を選ぶと食べやすくなります。体力に合わせて無理のない範囲で運動を続けましょう。
精神的健康と心の健康
がんと診断されたり治療を受けることは、強い不安やつらい気持ちを伴うことがあります。そうした気持ちは自然なことです。もし気分の落ち込みが続いたり、日常生活に支障をきたすようであれば、ひとりで抱え込まず、担当医や看護師、医療ソーシャルワーカーに相談しましょう。どうしてもつらい場合は、各地の心の健康相談窓口や電話相談を利用することもできます。
予防
唾液腺がんを確実に予防する方法はありません。ただし、不要な放射線暴露を避けることや、早期発見のための定期的な健康診断は役立ちます。
検診プログラム
一般的な検診では唾液腺がんを特別に見つけるための検査は行われていません。気になるしこりや症状があるときは、早めに受診することが大切です。
合併症
治療しない場合
- がんが大きくなり、顔の神経や筋肉に影響を与えることがあります。
- 首のリンパ節や肺など、他の臓器に転移することがあります。
- 進行すると、痛みや飲み込みの障害が強くなることがあります。
長期的な見通し
唾液腺がんは、進行度や種類によって異なりますが、早期に発見できれば比較的よい経過が期待できるがんです。治療後も経過観察を続けることで、再発や転移への対応が可能です。新しい治療法も開発されており、希望を持って治療に臨むことができます。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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