成長板骨折(こどもの骨の成長部分の骨折)
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
成長板(せいちょうばん)は、子どもの骨の両端にある柔らかい部分で、骨が伸びるためにとても大切な場所です。この部分にひびが入ったり折れたりすることを成長板骨折といいます。骨の成長に影響することがあるため、適切な治療が大切です。
重要な事実
- 成長板は子どもの骨にだけあり、成長が終わると閉じて固くなります。
- 成長板骨折は、骨の端の痛みや腫れ、動かしにくさなどの症状が現れます。
- きちんと治療すれば、多くの場合、骨の成長は正常に戻ります。
子どもの骨折の中ではよく見られるけがで、外で遊んだりスポーツをする時期に増えます。
骨が成長している途中の子どもや10代の若者に起こります。特に男の子に多く、手首や指、足首などに多いです。
症状
- 皮膚を突き破って骨が見える、または出血が止まらない
- 指先や足先が冷たい、しびれがある、色が青白い
- 強い痛みで動かせない、力を入れられない
- 高いところから落ちるなどの大きなけがをした
- ⚠けがの後、しばらくたっても痛みが続く
- ⚠痛みのため体重をかけられない
- ⚠関節の動きが悪い、または変な方向に曲がっている
- ⚠成長板の上(骨の端)を押すと強く痛む
一般的な症状
- けがをした部分の痛み
- 動かすときの痛み
- 押すと特に痛む
子供の症状
- 歩きたがらない、足をひきずる
- 痛がって泣く、触られるのを嫌がる
- 手足をかばう
- いつもより元気がない
高齢者の症状
- 大人は成長板がすでに閉じているため、成長板骨折は起こりません。同じようなけがは通常の骨折として扱われます。
原因
主な原因
- 転んで手をつく
- サッカーやバスケットボールなどのスポーツ中の接触
- 自転車や遊具からの転落
- 強い力が骨に加わったとき
リスク要因
- 骨が成長中の子どもであること
- コンタクトスポーツをしている
- 運動前に十分な準備体操をしない
- 適切な保護具(サポーターなど)を着用していない
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- けがをしてすぐ痛みや腫れがあり、動かしにくい場合は、その日のうちに受診しましょう。
- 骨の端を押すと強く痛む場合も、整形外科の受診をおすすめします。
定期受診を予約すべき場合:
- 痛みが数日続く、または再発する場合は、早めに受診してください。
診断
医師がけがの状況を聞き、触診で痛みのある場所を確かめます。そのうえで画像検査を行います。
行われる可能性のある検査
- X線(レントゲン)検査が最も一般的です
- レントゲンでわからない場合には、CTやMRIを行うこともあります
- 反対側と比べるために、健康な側も撮影することがあります
診察で予想されること
安静にした状態で検査を受けます。子どもの場合、保護者の方がそばに付き添えることも多いので、一緒に説明を聞きましょう。
治療
治療の目的は、骨折を正しい位置でしっかり固定し、成長板の働きを保つことです。
自宅でのセルフケア
- 医師に指示された安静を守る
- けがをした部分を心臓より高い位置に上げて休む
- はれている部分を冷やす(氷を直接当てず、布で包む)
- 入浴時などは、キャスト(ギプス)を濡らさない
医療治療
軽い場合は、ギプスや副木(そえぎ)で固定する治療が行われます。骨のずれが大きい場合は、医師が骨をもとの位置に戻す整復を行い、その後に固定します。固定中は医師の指示に従って定期的に経過を見ます。痛みが強い場合は、医師から適切な痛み止めの薬が処方されることがあります。
手術が検討される場合
骨のずれが大きく、手で整復できない場合や、関節の中に骨片が入ってしまった場合には、手術が必要になることがあります。手術では、ピンやネジで骨を固定することがありますが、これらは成長に合わせて後に抜くことが一般的です。
この病気と共に生きる
ギプスや固定具をつけている間は、日常生活の動きに制限があります。医師から指示された範囲で動かし、かゆみや違和感があれば我慢せずに相談してください。
生活習慣のアドバイス
- 激しい運動や遊びは、骨が治るまで医師に確認してから再開する
- 体重をかけない指示がある場合は、松葉づえの使い方を教わり、安全に移動する
- ギプスの中に水が入らないように、シャワーや入浴の方法を工夫する
食事と運動
骨の治りを助けるために、カルシウム(乳製品、小魚、緑黄色野菜)やビタミンD(魚、きのこ、日光を浴びる)を意識してとると良いと言われています。ただし、食事だけで治るわけではないので、医師の指示に従いましょう。
精神的健康と心の健康
けがをして動けなくなると、子どもはフラストレーションや不安を感じることがあります。気持ちを言葉にできるよう話を聞き、学校や友達とのつながりを保てるよう工夫しましょう。
予防
すべての骨折を防ぐことはできませんが、適切な保護具の着用、運動前の準備体操、安全な遊び場の利用によってリスクを減らせます。
ワクチン
該当する予防接種はありません。
検診プログラム
成長板骨折のための特別な検診はありません。けがをした後に気になる症状があれば受診してください。
合併症
治療しない場合
- 骨の成長が止まり、左右の手足の長さが変わってしまう
- 骨が変な角度でくっついてしまう
- 関節の形に影響が出て、後々関節炎を起こしやすくなる
- 痛みや硬さが長引く
長期的な見通し
早期に適切な治療を受け、医師の指示どおりに経過を見れば、ほとんどの成長板骨折は問題なく治ります。まれに成長の差が出る場合もありますが、定期的なフォローで早く見つけて対応できます。希望を持って治療に取り組みましょう。
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最終更新: 2026年8月1日
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