ウイルス性出血熱について
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
ウイルス性出血熱とは、いくつかの異なるウイルスが原因となって起こる感染症のグループです。高熱と、からだのあちこちから出血しやすくなること(例えば、鼻血や歯ぐきからの出血、皮膚の赤い斑点など)が特徴です。重症になると命に関わることもありますが、適切な治療を受ければ回復する可能性もあります。
重要な事実
- 原因となるウイルスは複数あり、エボラウイルスなどが有名です。
- 感染した動物や昆虫との接触、患者さんの血液や体液に触れることでうつります。
- 日本国内での発生は極めてまれですが、海外から持ち込まれることがあります。
日本では非常にまれな病気です。しかし、アフリカや南米などの流行地域を旅行したり、長期間滞在したりする人には感染のリスクがあります。
誰でも感染する可能性がありますが、流行地域に住む人や旅行者、医療現場で患者さんと接する人、動物と触れ合う職業の人は、より感染しやすい環境にあります。
症状
- 血を吐いたり、大量に出血が止まらない
- 意識がない、または呼びかけにほとんど反応しない
- 呼吸が苦しい
- けいれんが止まらない
- ⚠高熱とともに出血の症状がある
- ⚠最近(21日以内)に流行地域を訪れて、発熱や出血が現れた
- ⚠出血はないが、高熱が続いている
一般的な症状
- 急に高い熱(38℃以上)が出る
- 強い頭痛や筋肉・関節の痛み
- 吐き気・嘔吐・下痢
- 鼻血や歯ぐきからの出血、皮膚の赤い点状の出血
- ひどい疲労感
子供の症状
- ぐずったり、元気がなくなる
- 嘔吐や下痢による脱水症状
- けいれんを起こす
- 皮下出血(青あざができやすい)
高齢者の症状
- 熱が高く長引きやすい
- 意識がぼんやりしたり、混乱する
- 血圧が下がり、ふらつく
- 腎臓の働きが落ち、尿の量が減る
原因
主な原因
- エボラウイルスやマールブルグウイルス(コウモリやサルなどの動物から感染)
- ラッサウイルス(ネズミの糞や尿に触れて感染)
- ハンタウイルス(ネズミの糞や尿を吸い込んで感染)
- デングウイルスや黄熱ウイルス(蚊に刺されることで感染)
リスク要因
- 流行地域への渡航・滞在
- ウイルスを持つ動物がいる森林や洞窟などの場所に入ること
- 感染した患者さんの血液や体液に触れる医療従事者
- 動物の肉を十分に加熱しないで食べること
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 発熱とともに鼻血や歯ぐきの出血など、出血の症状がある
- 流行地域から戻って1〜3週間以内に発熱や倦怠感がある
- 感染が疑われる患者さんと、血液や体液を介して接触した
定期受診を予約すべき場合:
- 流行地域への旅行前に、予防策や予防接種について相談したい
- 感染の可能性を心配しているが、今は症状がない
診断
医師が、渡航歴や動物との接触歴などを詳しく尋ね、身体の診察と血液検査を行います。特定のウイルスを直接検出する検査(PCR検査)などで確定診断が行われます。
行われる可能性のある検査
- 血液検査
- PCR検査(ウイルスの遺伝子を調べる検査)
- 抗体検査(体の中にウイルスに対する抗体があるかを調べる検査)
- 肝機能・腎機能の検査
診察で予想されること
診断には時間がかかることがあります。また、感染が疑われる場合は、他の人にうつさないために病院で隔離されることもあります。どのような検査をするのか、結果はいつわかるのか、不安なことは担当医に遠慮なく質問してください。
治療
現在、ウイルス性出血熱のすべてに効く特効薬はありませんが、早期に医療機関で適切な治療を受ければ、回復の可能性は大きく高まります。治療の中心は、からだの症状をやわらげ、臓器の働きを助ける支援的なケアです。
自宅でのセルフケア
- 安静にして十分に眠る
- 水分をこまめにとり、脱水を防ぐ
- おでこやわきの下を冷やすなどして熱を下げる
- 症状が続く間は外出を控え、他者への感染に注意する
医療治療
医療機関では、点滴による水分・栄養の補給、輸血、血圧や臓器の働きを保つための治療などが行われます。原因となったウイルスによっては抗ウイルス薬を使用することもありますが、治療方針は医師が患者さんの状態をみて慎重に決めます。
この病気と共に生きる
治療中は安静が何より大切です。回復後も体力が戻るまで無理をせず、定期的に医師の診察を受けて経過を観察しましょう。
生活習慣のアドバイス
- 手洗い・うがいを徹底する
- 蚊などに刺されないよう虫除けを使用する
- 流行地域への不要不急の渡航は避ける
- 家族や周囲に感染の可能性について正しい情報を伝え、保健所などの指示に従う
食事と運動
症状が続いている間は、消化のよい食べ物(おかゆやスープなど)を少しずつとり、激しい運動は控えてください。回復してきたら、医師と相談しながら散歩などから徐々に日常の活動を増やしていくとよいでしょう。
精神的健康と心の健康
重い感染症にかかると、不安や恐怖、孤独感を感じるのは自然なことです。治療が終わった後も、気分の落ち込みや睡眠の問題が続く場合は、医療機関や相談窓口で助けを求めてください。
予防
流行地域での予防策が重要です。蚊やダニに刺されないように長袖・長ズボンを着る、虫除けを使う、ネズミなどの動物に近づかない、手洗いや食品の加熱を徹底する、などで感染リスクを大きく下げられます。
合併症
治療しない場合
- 多臓器不全(複数の臓器の働きが同時に低下する)
- ショック状態(血圧が下がり、全身に血液が行き渡らなくなる)
- 重い出血(胃や腸、脳などでの出血)
- 死亡に至ることもある
長期的な見通し
早期に医療機関で適切な治療を受ければ、多くの人は回復します。日本では高度な医療体制が整っており、特に若い人や持病のない人は回復の見込みが高いといえます。不安や疑問は、早めに医師や保健所に相談してください。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年8月2日
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