尿もれを防ぐ5つの方法
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
尿もれ(失禁)とは、自分の意思とは関係なく尿がちょっとでも漏れてしまうことをいいます。ふだんの生活に支えをきたすこともありますが、正しく知ることで改善できることが多い症状です。
重要な事実
- 尿もれは特別なことではなく、多くの人が経験する身近な症状です。
- 原因はさまざまで、たいていは適切な方法で改善できます。
- 恥ずかしいと我慢せず、早めに相談することが大切です。
とてもよくある症状です。日本では数十万人規模の方が尿もれの悩みを抱えているといわれています(厚生労働省の調査でも、多くの女性が経験することが知られています)。
年齢や性別を問わず起こりますが、特に出産経験のある女性や、前立腺の病気を持つ男性、加齢に伴う骨盤底筋(骨盤の底にある筋肉)の弱りがある方に多く見られます。
症状
- 突然、まったく尿が出せず、下腹部に強い痛みがある
- 意識がもうろうとしたり、会話がうまくできない
- 尿に大量の血が混ざり、発熱や激しい腰痛がある
- ⚠急に尿もれが始まり、強い痛みや発熱を伴う
- ⚠尿がにごっていたり、血が少量混ざる
- ⚠おしも(陰部)の痛み・かゆみがひどい
- ⚠飲み薬の開始や変更後に尿もれが悪化した
一般的な症状
- くしゃみやせき、重い物を持ったときなど、おなかに力が入ると尿が漏れる
- 尿意を感じてからトイレまで我慢できない
- トイレが近く、少しの尿でも頻繁にトイレに行く
- 夜間に何度もトイレで目が覚める
- 排尿のあともまだ残っている感じがする
子供の症状
- 夜のおねしょが続く
- 日中もおもらしをすることがある
- トイレに行きたがらない、またはトイレを怖がる
- 排便や排尿を我慢しすぎる
高齢者の症状
- 動作がゆっくりになり、トイレまで間に合わない
- 認知機能の影響でトイレの場所が分からなくなる
- 薬の影響で尿が出にくくなるまたは漏れやすくなる
- 腹圧(おなかの圧力)がかかると尿が漏れる
原因
主な原因
- 骨盤底筋(骨盤の下にある筋肉)のゆるみや弱り
- 妊娠・出産による骨盤底への負担
- 閉経後の女性ホルモンの減少
- 前立腺の病気や手術の影響
- 糖尿病や脳血管疾患などの神経の障害
- 尿路感染症(膀胱炎など)による一時的なもれ
リスク要因
- 慢性的な便秘
- 重い物を頻繁に持ち上げる仕事
- 長く続く強いせき
- 妊娠・出産(特に経腟分娩)
- 排尿をがまんする習慣
- 一部の薬(降圧薬や利尿薬など)
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 急に尿が出せなくなった
- 尿もれと同時に強い痛み・発熱がある
- 尿に血が混ざっている
定期受診を予約すべき場合:
- 尿もれが続く、または日常生活に支障をきたしている
- トイレの回数が気になるほど増えた
- 尿もれのために夜何度も目が覚める
- おむつやパッドが手放せない
診断
医師があなたの症状の話をよく聞き、体の状態を確認して診断します。尿検査やエコー(超音波)検査などを行うこともあります。
行われる可能性のある検査
- 尿検査(感染や血尿の確認)
- 排尿記録(何時にどのくらい尿をしたか、どんなときに漏れたかを記録する)
- 残尿測定(排尿後に膀胱に残っている尿の量を測る)
- エコー検査(腎臓や膀胱の状態を見る)
- 必要に応じてウロダイナミクス検査(膀胱の圧力や尿の流れを調べる)
診察で予想されること
診察では、あなたの症状や生活の様子を詳しく聞かれます。おなかを押したり、せきをしてもらって状態を確かめることもあります。痛みを伴う検査はほとんどありません。安心して説明できるように、気になることをメモして持っていくとよいでしょう。
治療
治療はまず生活の工夫や骨盤底筋体操から始めることが多く、多くの方がそれだけで改善します。効果がない場合には、お薬や専門的な治療を検討します。すべての治療は医師と相談しながら進めましょう。
自宅でのセルフケア
- 骨盤底筋体操(おへそを引き上げるようにおなかに力を入れる体操)を毎日続ける
- トイレに行く時間や回数を見直す「膀胱訓練」
- 尿もれが起きる水分の取り方を見直す
- せきやくしゃみの前に骨盤底を意識して締める
- 体重が気になる場合は適度な減量を目指す
医療治療
お薬による治療では、膀胱の働きを整える薬や、ホルモン補充療法などが検討されることがあります。病院やクリニックで、あなたの症状や健康状態に合わせて選ぶため、薬の名前は医師にご確認ください。
手術が検討される場合
骨盤底筋のつまりが強い場合や、ほかの治療で改善しない場合には、手術が選択肢になることがあります。どんな手術が行われるかは、原因や状態によって異なるため、専門医とよく相談しましょう。
この病気と共に生きる
尿もれがあると外出を控えたくなるかもしれませんが、あてになるパッドや、外出先でトイレの場所を確認しておくなどの工夫で生活は変えられます。まずは無理せず、自分に合った対策を見つけましょう。
生活習慣のアドバイス
- 水分は1日1.5リットルを目安にこまめに飲む(ただし、飲みすぎや就寝前の多量の飲水は避ける)
- カフェインや炭酸飲料は刺激になることがあるのでほどほどに
- 便秘に気をつけ、食物繊維や水分をしっかりとる
- 喫煙はやめましょう(せきの原因になり、骨盤底にも影響します)
- 適度な運動で筋力を維持し、体重管理をする
食事と運動
バランスのよい食事と、ウォーキングなど軽い運動を習慣にすることで、体力や筋肉を保つことができます。特に骨盤底筋体操は、ご自分のペースで続けることが大事です。
精神的健康と心の健康
尿もれが続くと、恥ずかしさや不安から人と会うのがおっくうになったり、気分が落ち込んだりすることもあります。そんなときは一人で抱えず、家族や医師に話してください。心のつらさが続く場合も、遠慮なく医療機関に相談してください。
予防
尿もれは日頃の生活習慣で予防できることがあります。骨盤底筋を鍛える、肥満を防ぐ、便秘をしない、排尿をがまんしない、といったことが大切です。
ワクチン
省略
検診プログラム
健康診断や特定健診では尿検査が行われます。尿もれ予防のための特別な検診は一般的ではありませんが、症状に気づいたら早めに相談することで、状態を悪化させずにすみます。
合併症
治療しない場合
- 皮膚のかぶれや炎症(尿が肌に触れ続けるため)
- 尿路感染症のリスクが高まる
- 夜中に何度も起きることによる睡眠不足
- 外出を控えたり、人との交流が減って社会的なつながりが狭くなる
- こころの負担が大きくなり、うつ状態につながることがある
長期的な見通し
尿もれは決して恥ずかしいことではありません。多くの場合、適切な対処や治療で症状は改善します。生活の工夫や体操を続けることで、やりたいことをあきらめずに済むようになります。希望を持って、一歩ずつ取り組んでいきましょう。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年8月2日
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