乾癬(かんせん)について
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
乾癬は、皮膚の新陳代謝が通常より速くなり、赤みのある発疹と、銀白色のフケのような鱗屑(りんせつ)ができる、慢性的な皮膚の病気です。免疫の働きが関係していると考えられています。人にはうつりません。
重要な事実
- 乾癬は感染症ではなく、周りの人にうつすことはありません。
- 免疫システムが誤って自分の皮膚を攻撃してしまうことが原因の一つと考えられています。
- 治療によって症状をコントロールし、日常生活の質を保つことができます。
日本でも珍しい病気ではなく、多くの方が治療を受けています。
どの年代でも発症する可能性がありますが、20代から30代と50代から60代に多いとされています。男性と女性の差はあまりありません。
症状
- 突然、全身の皮膚が赤くなり水ぶくれができて、発熱やだるさがある場合(紅皮症や膿疱性乾癬の可能性)
- 呼吸が苦しい、胸が痛い、意識がもうろうとする場合
- ⚠関節の強い痛みや腫れがあって、動かしにくい場合
- ⚠皮膚に感染を疑うような熱感や膿が出ている場合
- ⚠症状が急に悪化して、痛みやかゆみが非常に強い場合
一般的な症状
- 皮膚が赤く盛り上がる発疹(紅斑)
- 銀白色のフケのように剥がれる鱗屑(りんせつ)
- かゆみや痛みを伴うことがある
- 肘や膝、頭皮、腰、爪などによく現れる
原因
主な原因
- 免疫系の異常:本来は細菌やウイルスから体を守る免疫が、誤って健康な皮膚細胞を攻撃してしまう
- 皮膚の新陳代謝が速くなる:通常は約28日で生まれ変わる皮膚が、数日で生まれ変わる
- 遺伝的な要因:家族に乾癬の人がいると発症しやすい
リスク要因
- ストレス
- 風邪や扁桃炎などの感染症
- 皮膚への傷や刺激(引っかき傷、日焼け、手術など)
- 喫煙や過度の飲酒
- 特定の薬(医師に相談が必要)
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 関節の痛みや腫れが強くなった場合
- 症状で眠れないほどかゆみが強い場合
定期受診を予約すべき場合:
- 皮膚に治りにくい発疹やフケのようなかさぶたが数週間以上続く場合
- 爪のへこみや変色など、爪に変化がある場合
- 家族に乾癬の人がいて、自分の症状が気になる場合
診断
医師が皮膚の見た目や分布、爪の状態を診察し、問診で症状の経過や家族歴などを確認します。多くの場合、それだけで診断できます。
行われる可能性のある検査
- 皮膚の一部を採取して顕微鏡で調べる皮膚生検(ひふせいけん)
- 爪の変化を確認する診察
- 関節症状がある場合には、関節の画像検査(X線など)
診察で予想されること
診察は数分から数十分程度です。皮膚の状態をよく見せるために、当日は保湿剤や化粧を付けずに行くとよいでしょう。診断後は治療の選択肢について、医師と一緒に決めていきます。
治療
乾癬の治療は、症状の程度や部位、生活スタイルに合わせて行われます。目的は症状を抑え、再発を防ぎ、日常生活の質を保つことです。治療法には、塗り薬、光線療法、内服薬・注射薬があります。医師の指示に従い、根気よく続けることが大切です。
自宅でのセルフケア
- 皮膚を保湿し、乾燥を防ぐ
- 爪を短く切り、引っかき傷を防ぐ
- かゆみがあるときは冷たいタオルなどで冷やす
- ストレスをため込まず、十分な睡眠をとる
- 喫煙や過度の飲酒を控える
医療治療
医療機関では、皮膚の症状に合わせて塗り薬(軟膏やクリーム)、光線療法(紫外線を皮膚に当てる治療)、内服薬、注射薬などが検討されます。これらの治療法は、医師の診察に基づいて選択されます。自己判断でやめることなく、医師と相談しながら続けることが重要です。
この病気と共に生きる
乾癬は慢性的に良くなったり悪くなったりを繰り返します。皮膚の見た目に悩むこともありますが、治療でコントロール可能です。毎日の保湿と規則正しい生活を心がけ、症状が良くなっても自己判断で治療をやめないようにしましょう。
生活習慣のアドバイス
- 入浴で皮膚を清潔に保ち、ぬるめのお湯に浸かる
- 刺激の少ない衣類を選び、肌をこすらない
- 紫外線は適度に浴びる(過度な日焼けは避ける)
- ストレスを減らすため、リラックスする時間を作る
食事と運動
バランスのよい食事と適度な運動は、免疫の働きを整え、ストレスを減らす助けになります。特定の食品を食べれば治るということはありません。飲酒は症状が悪化することがあるため、控えめにしましょう。
精神的健康と心の健康
乾癬は外見に影響するため、不安や恥ずかしさ、うつ状態になることがあります。これらの感情はあなたのせいではありません。必要に応じて、心の健康についても医師や専門家に相談することが大切です。つらい気持ちが強いときは、ひとりで抱え込まずに助けを求めてください。
予防
乾癬そのものを完全に予防することはできません。しかし、きっかけとなるストレスや感染症、皮膚の傷などを避け、健康的な生活を続けることで、再発や悪化を抑えられる可能性があります。
ワクチン
感染症を予防するために、医師の指示に従ってインフルエンザなどのワクチン接種を検討してもよいでしょう。
合併症
治療しない場合
- 乾癬性関節炎による関節の痛みやこわばり
- 心血管疾患のリスクが高まる可能性
- うつ症状や生活の質の低下
長期的な見通し
乾癬は長く付き合う病気ですが、治療法の選択肢は増えており、多くの人が症状をうまくコントロールしています。適切な治療と自己管理を続ければ、日常生活や仕事、社会活動をしっかりと送ることができます。決してあきらめずに、医療者と一緒に無理のない治療計画を立てていきましょう。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年8月2日
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