マスク高血圧:気づかれにくい隠れ高血圧
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
マスク高血圧(隠れ高血圧)とは、医療機関で診察室の血圧を測ると正常値を示すのに、自宅など診察室外で測ると血圧が高い状態を指します。高血圧がまるで「マスク」に隠れているように見えることから、この名前が付きました。自覚症状がほとんどないため、気づかないうちに心臓や血管へ負担がかかることがあります。
重要な事実
- 診察室では血圧が正常でも、家庭で測ると高いことがあります。
- 脳卒中や心疾患(心臓の病気)のリスクを高める可能性があります。
- 家庭での血圧測定が、マスク高血圧を見つける重要なきっかけになります。
はい、決してまれではなく、高血圧の患者さんの約10~20%に見られるといわれています。しかし、診察室では発見されにくいため、実際にはもっと多い可能性があります。
若い世代から高齢者まで幅広く見られますが、特に男性や、喫煙習慣がある方、仕事や家庭でストレスを抱えている方に多い傾向があります。
症状
- 激しい頭痛が突然現れる
- 体の片側が動かない、またはしびれる
- 言葉がうまくしゃべれない、ろれつが回らない
- 胸の強い痛みや圧迫感が続く
- 意識がぼんやりする
- ⚠めまいやふらつきが続く
- ⚠動悸(心臓がドキドキする)が続く
- ⚠我慢できるけれど続く頭痛がある
- ⚠家庭で測る血圧が何度も高い
一般的な症状
- 自覚症状がほとんどない(最も多い)
- 時々、頭痛やめまい、動悸を感じることがある
- 自宅で測る血圧が朝や夜に高くなることがある
原因
主な原因
- 遺伝的な体質
- 食べ過ぎ、特に塩分の取りすぎ
- 運動不足
- 睡眠時無呼吸症候群(寝ている間に呼吸が止まる病気)
- ストレスや過労
リスク要因
- 若い男性
- 飲酒量が多い
- 糖尿病や腎臓病を持っている
- 家族(親や兄弟)に高血圧の人がいる
- 仕事や家庭でのストレスが多い
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- めまいや頭痛を伴う血圧測定値の上昇がある場合
- 家庭での血圧測定で高い数値が繰り返される場合
- かかりつけ医から「すぐに受診してください」と言われた場合
定期受診を予約すべき場合:
- 年に一度の健康診断で血圧を測定する
- 家庭での血圧測定を習慣にしたいと思っている
- 高血圧と診断されたことがある、または家族に高血圧の人がいる
診断
マスク高血圧の診断には、診察室での血圧測定に加えて、家庭での血圧測定や、24時間血圧測定(小型装置を身に付けて自動で測る方法)を行います。おおよそ1週間から2週間、朝晩の血圧を記録してもらうことが一般的です。
行われる可能性のある検査
- 家庭血圧測定(朝晩の記録)
- 24時間自由行動下血圧測定(必要に応じて)
- 血液検査(腎臓の機能や血糖値などを調べる)
- 必要に応じて心臓の超音波検査
診察で予想されること
診察では、これまでの血圧の記録や生活習慣について尋ねられます。医師はあなたの年齢や持病を考慮して、総合的に判断します。診断には数週間かかることがありますが、慌てる必要はありません。
治療
治療の目標は、血圧を安定させて将来の脳卒中や心臓病を防ぐことです。治療の中心は生活習慣の見直しで、必要に応じて薬が検討されます。まずは医師と相談しながら、あなたにあった方法を選びましょう。
自宅でのセルフケア
- 毎日決まった時間に血圧を測り、手帳やアプリに記録する
- 塩分を控えた食事を心がける(1日の塩分目標は厚生労働省の基準を参考に)
- 野菜や果物、魚を積極的に取り入れる
- 無理のない範囲で歩くなどの有酸素運動を行う
- 睡眠を十分に取り、ストレスをためないようにする
- タバコは控え、お酒は適量にする
医療治療
食事や運動などの生活改善だけでは血圧が十分に下がらない場合、血圧を下げる薬を処方して治療します。薬の種類や量は、年齢、ほかの病気の有無、血圧の値などを考慮して医師が個別に決定します。処方された薬は、自分で判断して中止したり、量を変えたりせず、必ず医師の指示に従ってください。
手術が検討される場合
マスク高血圧そのものに対して外科的な治療が行われることはありません。ただし、高血圧の背景に副腎や腎臓などの病気がある場合は、その病気の治療のために手術が検討されることがあります。
この病気と共に生きる
マスク高血圧は、症状がないために治療の必要性を実感しにくいかもしれません。しかし、血圧の管理は「長い目で見た健康づくり」です。家庭での血圧測定を日常生活の一部にし、医療機関との連絡を続けながら、自分に合ったペースで向き合っていきましょう。
生活習慣のアドバイス
- 血圧計を家の見やすい場所に置く
- 血圧測定の前は5分間、静かに座って休む
- 規則正しい生活時間を整える(起床・食事・入浴・就寝)
- 血圧手帳を活用して、月に1回程度かかりつけ医に見せる
- 周囲の家族にも「家庭で測っている」と伝え、協力を得る
食事と運動
食事は、減塩を基本に、野菜・果物・魚を意識して取りましょう。運動は、1回30分程度のウォーキングなど、続けられる有酸素運動が勧められます。ただし、持病がある方や運動に不安がある方は、最初に医師に相談してください。
精神的健康と心の健康
血圧の数値が気になりすぎると、それがストレスとなって血圧を上げることもあります。「今日は高かった」と一喜一憂せず、長い目で見てコントロールする気持ちが大切です。深呼吸、趣味、入浴など、自分なりのリラックス方法を見つけましょう。
予防
マスク高血圧を完全に防ぐ方法はありませんが、健康的な生活習慣を続けることで発症リスクを下げられます。特に、家庭での血圧測定を習慣にすることが早期発見につながります。
検診プログラム
高血圧は自覚症状がないまま進行することが多いため、年に一度は健康診断で血圧を測定しましょう。診察室の血圧が「正常」でも、家庭で測ってみると高いことに気づくことがあります。心配な場合は、かかりつけ医に相談してください。
合併症
治療しない場合
- 脳卒中(脳の血管が詰まったり、破れたりする)
- 心筋梗塞(心臓の血管が詰まる)
- 心不全(心臓のポンプの働きが低下する)
- 腎機能障害(腎臓の働きが低下する)
- 大動脈瘤(大動脈が膨らむ)
長期的な見通し
マスク高血圧は、見つかりさえすれば治療や生活改善によって十分にコントロールできる病気です。治療を続けることで、将来の重い合併症を予防できます。あなたの健康管理の一歩として、前向きに取り組んでいきましょう。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年8月1日
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