流産(自然流産)とは
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
流産とは、妊娠22週未満に、おなかの中の赤ちゃんの心拍が止まり、妊娠が続かなくなることをいいます。多くは妊娠12週より前に起こります。ここでは、自然に起こる流産についてお話しします。人工妊娠中絶(人工的に妊娠を終わらせること)とは別のものです。
重要な事実
- 妊娠が確認された人の約10~20人に1人の割合で起こります。
- 多くは赤ちゃんの染色体(からだの設計図)の異常が原因で、あなたの行動やせいではありません。
- 流産のあとも、次の妊娠を諦める必要はありません。多くの人が健康な赤ちゃんを迎えています。
はい、とてもよくあることです。決して珍しいことではなく、妊娠の初期に起こる自然の経過のひとつです。
妊娠した方なら誰にでも起こりうることです。特に妊娠初期(12週まで)に多く、妊娠する年齢が高くなるほど割合は高くなります。
症状
- 1時間に生理用ナプキン2枚が真っ赤に染まるような大量の出血がある場合は、すぐに119番に電話してください
- 出血とともにめまいや立ちくらみ、意識が遠くなる感じがある場合は、すぐに119番に電話してください
- ⚠少量でも出血が続き、腹痛や腰痛がある
- ⚠発熱(37.5度以上)や悪寒がある
- ⚠悪臭のあるおりものや出血がある
- ⚠妊娠後期に胎動が感じられなくなった
一般的な症状
- 腟からの出血(小さな出血から始まることが多く、出血量はさまざまです)
- 下腹部の痛みや腰の重い痛み(生理痛のような痛み)
- 妊娠の症状(つわりなど)が急に軽くなったと感じることもあります
- 症状がまったくないこともあります(健診で初めて分かる場合も)
子供の症状
- 妊娠している10代の方では、大人と同じような症状が現れます。年齢が若くても流産が起こり得るため、症状があれば早めに受診してください。
高齢者の症状
- 閉経後の妊娠はありませんが、40代以降の妊娠では流産の割合が高くなります。症状は他の年代と同様、出血や腹痛が中心です。
原因
主な原因
- 最も多いのは、赤ちゃんの染色体(からだの設計図)の異常です(受精や細胞分裂のときに偶然起こります)
- 子宮の形や子宮筋腫など、子宮側のトラブル
- 妊娠を保つためのホルモンが十分でない
- まれに、感染症や慢性疾患(糖尿病や甲状腺の病気など)が影響することがあります
- 原因がはっきり分からないことも少なくありません
リスク要因
- 妊娠したときの年齢が高い(35歳以上で上昇)
- 過去に流産を経験した
- 喫煙や飲酒をしている
- やせすぎ、または肥満
- 妊娠中の薬剤使用や放射線の被曝、強いストレスなど
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 大量の出血、強い腹痛、めまいがある場合は、すぐに医療機関を受診してください(緊急なら119番)
- 発熱や悪臭のあるおりものがある場合
- 出血が何日も続く場合
定期受診を予約すべき場合:
- 妊娠初期に出血や腹痛を感じたら、緊急でなくても早めに産婦人科を受診しましょう
- 症状がなくても、妊婦健診は予定どおり受けてください
診断
産婦人科で、問診、内診、経腟超音波(エコー)検査、血液検査などを組み合わせて、妊娠の状態と赤ちゃんの心拍を確認します。
行われる可能性のある検査
- 経腟超音波(エコー)検査 — 子宮の中の妊娠のうと赤ちゃんの心拍を確認します
- 血液検査 — 妊娠ホルモン(hCG)の値を測定し、妊娠の経過をみます
- 必要に応じて、別の日の再検査や追加の検査を行います
診察で予想されること
診察台での内診(腟に指や器具を入れて調べること)やエコー(超音波)検査があります。少し不快な感じや痛みを伴うこともありますが、医師が声をかけながら進めてくれます。結果によっては、数日後に再診して経過をみることもあります。
治療
流産の治療は、子宮の中に残っている組織を安全に体の外へ出すことが目的です。医師と相談しながら、自然に排出されるのを待つか、薬や手術で出すかを選びます。
自宅でのセルフケア
- 流産が始まっているときは、無理をせず、安静にしてください(完全に寝たきりになる必要はありません)
- 出血が多いときは、シャワー浴をして入浴は避け、ナプキンを使用します
- 出血が続いている間は、水泳や性行為は控えましょう
- 体を温かくして、十分な睡眠と休養をとります
医療治療
治療法には、自然に排出されるのを待ちながら経過を観察する方法、薬を使って子宮の収縮を促し組織を出す方法、手術(子宮内容除去術)で組織を取り出す方法があります。どれを選ぶかは、妊娠週数や出血の程度、感染のリスク、あなたの希望などをふまえて医師が説明します。薬の名前や具体的な方法については、必ず担当医に確認してください。
手術が検討される場合
大量出血が続く場合、感染の兆候がある場合、薬で排出されない場合などに、手術が行われます。日帰りや短期入院で行われることが多く、全身麻酔や脊椎麻酔の下で子宮の中をきれいにする手術です。
この病気と共に生きる
流産後は、しばらく出血が続きます(数日〜2週間程度)。この間は、ナプキンを使い、入浴や運動を控えます。出血が急に増えたり、おなかの痛みが出たり、熱が出たら、すぐに医療機関に連絡してください。
生活習慣のアドバイス
- 十分な睡眠と休養をとり、心と体を休めましょう
- 喫煙や飲酒は控えましょう
- 医師の許可が出るまで、激しい運動や長距離の旅行、水泳は避けましょう
- 出血が止まったら、ウォーキングなどの軽い運動から少しずつ再開します
食事と運動
貧血がある場合は、鉄分(レバー、赤身の魚、ほうれん草、大豆製品など)を意識してとりましょう。水分も十分に飲みます。食事は無理をせず、食べられる量でよいのでバランスを心がけてください。
精神的健康と心の健康
流産は、身体的だけでなく心にも深い影響を残すことがあります。悲しみ、罪悪感、怒り、孤独感など、さまざまな感情が湧いてくるのは自然なことです。あなたのせいではありません。ひとりで抱え込まず、信頼できる人に話すことが大切です。もし強い悲しみや不安が続き、日常生活に支障がある場合は、医療機関や心の健康の専門家に相談してください。緊急に助けが必要な場合は、119番に電話をするか、近くの保健所などの相談窓口に連絡しましょう。
予防
多くの流産は防ぐことができません。赤ちゃんの染色体の異常が原因で、あなたの生活習慣や行動のせいではないからです。とはいえ、健康的な生活を心がけることは、次の妊娠に向けて大切です。
ワクチン
妊娠を考えている方は、事前に風疹などの予防接種を済ませておくことがすすめられています。妊娠中の予防接種には注意が必要なものもあるため、必ず医師に相談してください。
検診プログラム
定期的な妊婦健診を受けて、妊娠の経過を確認しましょう。自覚症状が出る前に、赤ちゃんの状態を確認できる場合もあります。
合併症
治療しない場合
- 子宮内に組織が残ると、感染症を起こすことがあります
- 大量出血が続き、貧血が進んだり、搬送が必要な状態になることがあります
- まれに、次の妊娠に影響が出ることがあります
長期的な見通し
流産はとてもつらい経験ですが、たいていの方は体も心も回復し、再び妊娠することができます。実際には、流産を経験した方の多くが、次は健康な赤ちゃんを出産しています。焦らずに、医師の指導のもとで体調を整えて、次の一歩を考えましょう。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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