流産(自然流産)について
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
流産とは、妊娠初期(妊娠22週ごろまで)に、おなかの中の赤ちゃんが育ち続けなくなることをいいます。赤ちゃんが自然に失われることで、妊娠した人には出血や腹痛などの症状が現れることがあります。流産は多くの場合、赤ちゃん側の染色体の異常が原因で、だれのせいでもありません。
重要な事実
- 妊娠22週未満に妊娠が止まることを『流産』と呼びます。
- 流産のほとんどは、赤ちゃんの染色体の異常によるものです。
- 一度流産しても、次の妊娠で赤ちゃんが育つ可能性は高いです。
はい、とてもよくあります。妊娠した人の10〜15人に1人(10〜15%)が流産を経験し、特に妊娠初期(12週まで)に多く見られます。
妊娠する可能性があるすべての人が対象です。母体の年齢が高くなるほどリスクは上がりますが、若い人でも起こります。
症状
- 1時間に1枚以上の夜用ナプキンがすぐに濡れるような大量の出血
- がまんできない下腹部の強い痛み
- めまい、意識がもうろうとする、立ち上がれない
- 悪寒や高熱(38度以上)
- これらの症状がある場合は、すぐに119番へ電話してください(救急車)
- ⚠出血が続く(量が少なくても鮮やかな赤色が続く)
- ⚠痛みが強くなったり、おさまったりを繰り返す
- ⚠出血に加えて発熱がある
- ⚠妊娠が確認されている人で出血や痛みがある
一般的な症状
- 膣からの出血(茶色や赤色、血の塊を含むこともある)
- 下腹部の痛みやけいれん(生理痛に似た痛み)
- 妊娠初期に見られた胸の張りや吐きけがなくなる
- 腰の強い重だるさ
子供の症状
- 子どもに流産はありません。将来の妊娠に関する知識として、この症状は妊娠している人にのみ起こります。
高齢者の症状
- 閉経後の人には流産はありません。ただし、妊娠可能な年齢のうちは、年齢が高いほどリスクが高くなるため、注意が必要です。
原因
主な原因
- 赤ちゃん側の染色体の異常(最も多い原因)
- 母体の感染症やホルモンの異常
- 子宮の形や子宮筋腫などが関わることもある
- 原因が特定できないことも多い
リスク要因
- 母体の年齢が高い(35歳以上)
- 喫煙、飲酒
- 肥満または痩せすぎ
- 糖尿病や甲状腺疾患など持病がある
- 過去に流産を繰り返している
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 大量の出血があるとき
- 強い腹痛や発熱があるとき
- 意識がぼんやりするとき
定期受診を予約すべき場合:
- 妊娠が確認できて、少量の出血や軽い腹痛があるとき
- 出血が数日続くとき
- 次の妊娠を考える前に、からだの回復について相談したいとき
診断
産婦人科で、問診(症状や経過の聞き取り)、内診、超音波検査(エコー)などを使って診断します。
行われる可能性のある検査
- 超音波検査(エコー):赤ちゃんの大きさや心拍を確認します
- 血液検査:妊娠ホルモン(hCG)の量を調べます
- 尿検査:妊娠の確認や感染の有無を調べます
診察で予想されること
診察では、まず出血や痛みの様子を聞かれます。その後、エコーでおなかの赤ちゃんの状態を確認します。心拍が見られない場合でも、すぐに判断せず、数日後に再検査することもあります。診断の結果や選択肢は、医師があなたの状況に合わせて説明します。
治療
流産の治療には、自然に排出されるのを待つ方法、薬で子宮の中の組織を出す方法、手術で取り出す方法があります。どの方法が適しているかは、妊娠週数や症状、本人の希望によって医師と相談して決めます。
自宅でのセルフケア
- 出血が多いときは安静にし、無理をしない
- ナプキンを使用し、こまめに交換する(タンポンは感染のリスクがあるため使わない)
- からだが冷えないようにする
- 医師から指示があるまでは、入浴を避け、シャワーにし、性行為も控える
- 貧血予防のため、鉄分を含む食事をとる
医療治療
薬を使って子宮の中の内容物を排出する方法です。医師が処方する薬を服用または膣に入れることで、陣痛のような痛みとともに組織が出てきます。痛みをやわらげる処置も行われます。処方薬の種類や使い方は医師の指示に従ってください。
手術が検討される場合
出血が止まらない場合や、薬で排出しきれなかった場合は、子宮の中を軽く掃除する手術(掻爬術)が行われることがあります。短時間の手術で、体への負担は比較的少ないです。
この病気と共に生きる
流産後は、生理が戻るまでに数週間かかります。体の回復と同じくらい、心の回復にも時間がかかります。無理をせず、自分のペースで過ごしましょう。
生活習慣のアドバイス
- 十分な睡眠と休息をとる
- 湯船に浸かるのを控え、体を温める飲み物を飲む
- ゆったりした気持ちで過ごす
- 次の妊娠を考えるときは医師に相談する
食事と運動
回復期には、鉄分(レバー、ほうれん草など)、たんぱく質(卵、豆腐、魚)、ビタミンを意識してとりましょう。運動は、出血が落ち着いてから、軽いウォーキングから始め、体調が良ければ徐々に戻してよいですが、医師に確認してからにしましょう。
精神的健康と心の健康
流産は、赤ちゃんを失う悲しみと、からだの変化による影響が重なり、精神的につらい時期です。悲しみや怒り、無力感などの感情は自然なものです。気持ちを我慢せず、パートナーや家族、友人に話してみましょう。眠れない、食欲がないなどが続く場合は、産婦人科や専門のカウンセリングに相談することも大切です。
予防
流産の大部分は染色体の異常によるもので、予防はできません。しかし、禁煙・節酒を心がけ、バランスのよい食事や適度な運動で健康なからだを整えることは、妊娠全般のリスクを下げるために役立ちます。
検診プログラム
流産を防ぐ特別なスクリーニング検査はありませんが、妊娠中の定期健診をきちんと受けて、胎児の状態を確認することが大切です。
合併症
治療しない場合
- 大量出血による貧血
- 子宮内に組織が残ることで出血が長引く(不全流産)
- 子宮内の感染症
- 感染症を放置すると、将来の妊娠に影響する可能性がある
長期的な見通し
流産は悲しい出来事ですが、多くの場合、からだは自然に回復し、次の妊娠で健康な赤ちゃんを迎えられる可能性は十分にあります。つらい気持ちは時間とともに、周囲のサポートや医療者の助けで落ち着いてきます。どうぞ希望を持ってください。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年8月2日
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