高齢者の逆流性食道炎(胃酸の逆流)について
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
逆流性食道炎(ぎゃくりゅうせいしょくどうえん)は、胃の中の胃酸などが食道(しょくどう)に逆流して、食道の粘膜が傷つく病気です。胃と食道のつなぎ目の筋肉がゆるむと、胃酸が上がってきやすくなります。
重要な事実
- 加齢により食道の締まりが弱くなると、起こりやすくなります。
- 高齢者では、胸やけのほかにのどの違和感やせきなど、ほかの症状があらわれることもあります。
- 生活習慣の改善と適切な治療で、多くの場合症状が落ち着きます。
高齢者に多い病気のひとつです。加齢に伴って発症しやすくなることが知られています。
60歳以上の方に多くみられますが、若い方でも生活習慣などによって発症することがあります。
症状
- 激しい胸の痛みや圧迫感がある
- 息が苦しい、呼吸ができない
- 大量の血を吐く
- 真っ黒な便が出る(胃や食道からの出血の可能性)
- このような症状がある場合は、すぐに119番で救急車を呼んでください。
- ⚠食べ物がなかなか飲み込めない
- ⚠体重が急に減った
- ⚠何度も吐いてしまう
- ⚠のどに物がつまったような感じが続く
- ⚠このような症状がある場合は、当日中に医療機関へ相談してください。
一般的な症状
- 胸やけ(胸のあたりが熱く感じる)
- 酸っぱい液体や食べ物が口のほうに上がってくる
- 胸の痛み
- のどの違和感やヒリヒリした感じ
- 慢性的なせきやしわがれ声
子供の症状
- 小さい子どもの場合は、ミルクや食べ物を吐き戻すことが多い
- 食欲がなく、体重が増えにくい
- 夜間にせき込んだり、不機嫌になったりする
高齢者の症状
- 胸やけがはっきりしないことがあり、のどの違和感や声のかすれ、せき、のみ込みにくさなどが出ることがある
- 食後に胸や背中が痛む
- 喘息(ぜんそく)のような発作や気管支炎を繰り返すこともある
原因
主な原因
- 加齢によって食道の動きや食道と胃のつなぎ目の筋肉が弱くなる
- 胃の内容物が逆流しやすくなる体質
- 食べすぎや食後すぐに横になるなどの習慣
- 肥満や腹部への圧迫
リスク要因
- 脂っこい食事や辛いもの、アルコール、コーヒー、甘いもののとりすぎ
- 便秘や、前かがみの姿勢が続く仕事
- 一部の薬(服用中の薬について心配がある場合は医師や薬剤師に相談しましょう)
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 激しい胸の痛みがある
- 吐いたものに血が混じる
- 便が黒くなる
- のどに物がつまったように感じて、息苦しい
定期受診を予約すべき場合:
- 胸やけやのどの違和感が週に2回以上続く
- 症状が生活や睡眠に影響している
- 症状を自力で改善したいが方法が分からない
診断
医師が症状の経過や生活習慣を詳しく聞き、必要に応じて検査を行います。日ごろの症状をメモしておくと、診察がスムーズです。
行われる可能性のある検査
- 上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)…食道の粘膜の状態を直接確認します。
- 食道造影検査…バリウムを飲み、食道の動きや逆流の様子を調べます。
- 食道pHモニタリング検査…食道に細い管を入れ、酸性度を測定します。
診察で予想されること
検査には多少の負担がありますが、胃カメラでは苦痛をやわらげる方法もあります。検査前に医師によく相談しましょう。
治療
治療の基本は生活習慣の改善と、医師の指導による薬物療法です。症状が強い場合や長引く場合は、内視鏡や外科的な治療が検討されることもあります。
自宅でのセルフケア
- 一度に食べる量を控えめにし、よく噛んでゆっくり食べる
- 食後すぐに横にならず、2〜3時間ほど直立の姿勢を保つ
- 就寝時は頭側を少し高くして休む
- 脂っこい食事や辛いもの、アルコール、炭酸飲料を控える
- タバコを吸っている場合は、禁煙を検討する
医療治療
薬物療法としては、胃酸の分泌を抑える薬、胃のぜん動運動を助ける薬、胃酸の作用を中和する薬などがあります。薬の効果や副作用は人によって異なるため、医師の指示どおりに服用し、気になることがあれば相談してください。
手術が検討される場合
薬が効きにくい重症の逆流や、裂孔ヘルニア(胃の一部が胸のほうにずれ込むこと)などが原因の場合は、外科的な治療が検討されることがあります。
この病気と共に生きる
逆流性食道炎は長く付き合うこともありますが、適切なケアと治療で日々の症状をコントロールできます。無理をせず、自分のペースで通院を続けましょう。
生活習慣のアドバイス
- 食事は規則正しく、夜遅い時間の食事は避ける
- 食後は軽い散歩などで体を動かす
- ゆったりした服を選び、腹部を圧迫しないようにする
- ストレスをためない工夫をする(趣味や休息など)
食事と運動
脂っこいものや刺激の強いものを控え、野菜や魚を中心にしたバランスのよい食事を心がけましょう。適度な運動は胃の働きを助け、肥満の予防にもつながります。
精神的健康と心の健康
症状が続くと不安やイライラを感じることもあるかもしれません。そんなときはひとりで悩まず、医師や家族、信頼できる人に話しましょう。
予防
日頃の生活習慣を見直すことで、症状の予防や再発防止が期待できます。特に食事、姿勢、睡眠時の注意が大切です。
検診プログラム
定期的な健康診断や、気になる症状があるときの受診が早期発見・早期対応につながります。
合併症
治療しない場合
- 食道の粘膜がただれて、痛みや出血、潰瘍ができることがあります
- 炎症を繰り返すと食道が狭くなり、のみ込みにくくなることがあります
- まれに、食道の粘膜が変化してがんのリスクが高まることがあります(定期的な検査が大切です)
長期的な見通し
多くの場合、適切な治療と生活習慣の見直しによって症状は良くなります。不安なときは、いつでも医療機関に相談してください。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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