急性リンパ性白血病(ALL)について
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
急性リンパ性白血病(ALL)は、血液のがんの一種です。骨髄(骨の中にある血液をつくる組織)で、リンパ球(体を細菌やウイルスから守る白血球の一種)のもとになる細胞ががん化して、異常に増えすぎる病気です。そのため、正常な赤血球、白血球、血小板が作られにくくなり、貧血、感染症、出血などの症状が現れます。
重要な事実
- 血液のがんの一種で、主に子どもに多く、大人でもかかることがあります。
- 早期に発見して治療を始めるほど、治療の成功率が高まります。
- 治療は数か月から数年という長期間にわたることがありますが、多くの患者さんが寛解(症状や異常細胞が消える状態)を目指せます。
比較的まれながんです。日本では、白血病全体の中で急性リンパ性白血病は約2割を占め、小児白血病の中では最も多いタイプです。
10歳未満の子どもに最も多く、特に5歳以下に多いです。大人では、高齢者にも見られます。小さなお子さんから高齢者まで、どの年齢でも発症する可能性があります。
症状
- 高熱が続く(38℃以上)
- 胸の痛みや呼吸が苦しい
- 意識がもうろうとする
- 大量の出血、止まらない出血
- ⚠発熱がある(感染症の可能性)
- ⚠急にひどくなるあざや出血
- ⚠骨や関節の強い痛み
- ⚠顔色がひどく悪い、ぐったりしている
一般的な症状
- 疲れやすい、だるい
- 動悸や息切れ、顔色が悪い(貧血の症状)
- 発熱が続く、感染症にかかりやすい
- あざができやすい、血が止まりにくい、鼻血
- 骨や関節の痛み
- 首やわきの下、足の付け根のリンパ節が腫れる
子供の症状
- 原因不明の発熱が続く
- 顔色が青白い、元気がない
- あざや点状の出血がみられる
- 足をひきずる、関節を痛がる
- おなかが張っている(脾臓や肝臓の腫れ)
- 食欲がなく体重が減る
高齢者の症状
- 強いだるさや息切れ
- 体重減少
- 原因不明の熱や感染症が治りにくい
- めまいや立ちくらみ
- 意識がもうろうとする(まれ)
原因
主な原因
- はっきりした原因はまだわかっていません。
- 遺伝子の変化によって、リンパ球のもとになる細胞ががん化することが関係しています。
リスク要因
- 特定の遺伝性の病気(ダウン症など)
- 高線量の放射線への被曝
- ベンゼンなどの化学物質への曝露
- 過去のがん治療(化学療法や放射線療法)を受けたことがある
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 高熱が続く
- 出血が止まらない
- 呼吸が苦しい
- 意識がもうろうとする
定期受診を予約すべき場合:
- 長く続くだるさや疲れ
- 原因不明のあざや発熱
- 体重減少
- リンパ節の腫れ
診断
急性リンパ性白血病の診断は、血液検査で異常を疑い、骨髄検査を行うことで確定します。
行われる可能性のある検査
- 血液検査(赤血球・白血球・血小板の数、異常な細胞の有無)
- 骨髄検査(腰の骨から細い針で骨髄液を採取して調べます)
- 画像検査(胸やおなかのエコー、CTなど)
- 遺伝子検査(細胞の遺伝子の変化を調べます)
診察で予想されること
血液検査は簡単ですが、骨髄検査は局所麻酔を行い、少し痛みや不安を伴います。検査の結果がそろうまでに数日から数週間かかることがあります。担当医が検査の目的や流れを説明しますので、わからないことは遠慮なく質問しましょう。
治療
治療の中心は抗がん剤を使った化学療法で、入院して行います。病気のタイプや年齢、体の状態によって治療計画が異なります。
自宅でのセルフケア
- 感染症を防ぐために、手洗い・うがいを徹底する
- 多くの人と集まる場所を避ける
- 十分な休息と睡眠をとる
- 口の中を清潔に保つ(口腔ケア)
- 医師や看護師の指示を守る
医療治療
化学療法(抗がん剤)を数回に分けて行い、寛解を目指します。寛解が得られた後も、再発を防ぐために追加の治療を行います。リスクが高い場合には、放射線療法や造血幹細胞移植(骨髄移植)が検討されることもあります。治療の選択肢は専門の医師とよく話し合って決めます。
手術が検討される場合
急性リンパ性白血病に対して、外科手術は一般的には行われません。
この病気と共に生きる
治療中は、通院や入院を繰り返しながら生活していくことが多いです。規則正しい生活を心がけ、体調に合わせて無理をしないようにしましょう。治療の副作用や不安な気持ちは、医療者にしっかり相談することが大切です。
生活習慣のアドバイス
- 感染症に注意する(手洗い・うがい、マスク)
- 十分な睡眠と休息
- 禁煙する
- ストレスをためない
- アルコールは医師に相談してから
食事と運動
バランスの良い食事をとり、栄養をしっかり補いましょう。治療中は食欲がないこともありますが、食べられるものを少しずつで構いません。運動は、医師と相談しながら、体力に合わせて行いましょう。
精神的健康と心の健康
がんという診断や長い治療は、不安や落ち込みを感じることがあります。つらい気持ちを一人で抱え込まず、家族や友人、医療者に話しましょう。必要に応じて、心理の専門家のサポートを受けることもできます。
予防
急性リンパ性白血病には、確立された予防法はありません。早期に発見し、適切な治療を受けることが最も重要です。
ワクチン
白血病そのものを予防するワクチンは、現時点ではありません。一般的な予防接種(インフルエンザなど)は、感染症を予防するために医師と相談して受けることができます。
検診プログラム
特定の健康診断や検診はありません。気になる症状がある場合は、早めに血液検査などを受けることをおすすめします。
合併症
治療しない場合
- 正常な血液細胞が減り、重症の貧血になる
- 感染症が重症化しやすくなる
- 出血が止まらなくなる
- 全身の臓器にがん細胞が広がる
- 命に関わることがあります
長期的な見通し
急性リンパ性白血病は、治療法の進歩により、特に小児では治癒が期待できる病気になりました。成人でも新しい治療法や移植医療の進歩により、治療成績は向上しています。診断されたときはつらい気持ちになるかもしれませんが、希望を持って治療に取り組んでください。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年8月14日
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