急性骨髄性白血病とは?
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
急性骨髄性白血病(きゅうせいこつずいせいはっけつびょう)は、血液をつくる骨の中の組織(骨髄)で、正常な血液細胞がうまくつくられなくなる病気です。その代わりに、未熟な白血球(がん細胞)がふえてしまい、正常な赤血球や白血球、血小板が減ってしまいます。この病気は進行が速く、早めの治療が必要です。
重要な事実
- 急性骨髄性白血病は、血液のがんの一種です。
- 未熟な白血球(芽球)が骨髄の中で異常に増え、正常な血液細胞の働きを妨げます。
- 早期に治療を始めることが大切で、治療法は患者さんの状態によって選ばれます。
急性骨髄性白血病は、日本では年間に約5,000人から6,000人ほどが診断される、比較的まれながんです。
どの年齢でも起こる可能性がありますが、特に60歳以上の中高年に多く見られます。子どもにも起こることがあります。
症状
- 意識がもうろうとする
- 呼吸が苦しい
- 止まらない出血がある
- 激しい頭痛やけいれんが起こる
- ⚠39度以上の高熱が続く
- ⚠出血が止まりにくい
- ⚠強い息切れや動悸がある
- ⚠急に手足が動かしにくい、しびれる
一般的な症状
- 疲れやすさ、息切れ(貧血による)
- 顔色が青白い
- 発熱や感染症にかかりやすくなる(正常な白血球が減るため)
- あざができやすい、鼻血や歯ぐきの出血が止まりにくい
- 骨や関節の痛み
- 体重減少や食欲不振
子供の症状
- 原因不明の発熱が続く
- 顔色が悪く、元気がない
- あざや点状の出血が現れる
- 足や腕の骨の痛みを訴える
高齢者の症状
- だるさや疲労感が強まる
- 階段を上ると息切れする
- 感染症にかかりやすくなる
- 症状がゆっくり進むこともあり、気づきにくい場合がある
原因
主な原因
- 急性骨髄性白血病の正確な原因はまだ完全にはわかっていません。
- 骨髄の中の造血細胞(血液のもとになる細胞)に、遺伝子の傷ができることで発症すると考えられています。
- この傷は多くの場合、生まれつきではなく、後天的に起こります。
リスク要因
- 以前に抗がん剤治療や放射線治療を受けたことがある
- ベンゼンなどの特定の化学物質にさらされたことがある
- 骨髄異形成症候群など、血液の病気を長く患っている
- ダウン症などの特定の遺伝子疾患
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 原因不明の高熱や出血が続く場合
- 強い疲労感や息切れが急に悪化した場合
- 感染症を繰り返す場合
定期受診を予約すべき場合:
- 以前からある症状が長引く場合は、かかりつけ医に相談しましょう。
- 健康診断で血液検査の異常を指摘された場合は、血液内科の受診を検討しましょう。
診断
急性骨髄性白血病の診断は、主に血液検査と骨髄検査(骨の中央の軟らかい部分を針で採取する検査)によって行われます。これらは、血液内科という専門の科で行われます。
行われる可能性のある検査
- 血液検査(末梢血検査):赤血球、白血球、血小板の数や、異常な細胞の有無を調べます
- 骨髄検査:骨盤の骨に細い針を刺し、骨髄液を採取して顕微鏡で調べます
- 遺伝子検査:白血病細胞の遺伝子異常を調べ、治療方針を決めます
- 画像検査:CTや超音波などで、体内の他の場所への広がりを確認します
診察で予想されること
診断までの流れは、まず血液検査の結果から異常が疑われ、その後、骨髄検査などで確定診断が行われます。検査や結果説明には数日から数週間かかることがあります。気になることは主治医に遠慮なく質問しましょう。
治療
治療は、白血病細胞をなくし、正常な血液細胞の働きを取り戻すことを目的とします。治療法は、年齢、健康状態、遺伝子異常のタイプなどに基づいて、専門医が個別に判断します。治療の中心となるのは薬を使った抗がん剤治療ですが、近年はより体に優しい治療法も開発されています。
自宅でのセルフケア
- 治療中は感染症を防ぐために、手洗い・うがいを徹底する
- 十分な休息をとり、疲れをためない
- 医師の許可が出るまでは、生もの(刺身や加熱していない食品)を避ける
- こまめに水分を摂る
- 体調の変化を日記などに記録して、医療チームと共有する
医療治療
医療による治療には、抗がん剤を組み合わせて使う化学療法(全身に薬を届ける治療)、特定の異常に狙いを定めた分子標的治療(場合により選択される)、そして、強い化学療法の後に健康な血液細胞を戻す造血幹細胞移植(骨髄移植や末梢血幹細胞移植)などがあります。これらの治療法は、患者さんの状態によって単独または組み合わせて行われます。治療の内容や期間は、ある程度の時間がかかることがあり、医師とよく相談しながら進めます。
手術が検討される場合
急性骨髄性白血病に対して、がんを切除するような通常の外科手術は一般的には行われません。
この病気と共に生きる
治療中は通院や入院が続くことが多いですが、体調が落ち着いている時期には職場や学校に復帰できる場合もあります。無理をせず、自分の体調に合わせて生活のペースを整えることが大切です。
生活習慣のアドバイス
- 十分な睡眠と休息を確保する
- 感染症に注意し、人混みを避けたりマスクを着用する
- 喫煙は避ける
- 飲酒は医師に相談してからにする
- 気分が落ち込んだときは、無理をせず周囲に助けを求める
食事と運動
治療中は栄養バランスのよい食事を心がけましょう。ただし、血小板が減少しているときや感染症にかかりやすいときは、安全な食品の選び方について医師や管理栄養士のアドバイスを受けましょう。運動は、体力に合わせて軽いストレッチや散歩から始め、体調が悪いときは休むことが重要です。
精神的健康と心の健康
がんの診断や治療は、不安や恐れ、悲しみなどさまざまな感情を引き起こします。落ち込んだ気持ちが続く場合は、医療チームに相談しましょう。心理的なサポートや精神科・心療内科の受診も助けになります。
予防
急性骨髄性白血病の多くは、はっきりした原因が分かっておらず、予防する方法は確立されていません。しかし、喫煙や特定の化学物質への曝露など、一部の危険因子は避けることができます。
ワクチン
急性骨髄性白血病そのものを予防するワクチンはありません。ただし、治療中は免疫力が低下するため、インフルエンザや肺炎などの感染症を防ぐワクチン接種が勧められる場合があります。接種のタイミングは医師と相談してください。
検診プログラム
急性骨髄性白血病に対する一般的な検診(スクリーニング)はありません。健康診断での血液検査の異常が早期発見のきっかけとなることがあるため、定期的な健康診断を受けることは大切です。
合併症
治療しない場合
- 正常な血液細胞が減ることで、重症の貧血や感染症、出血が起こる
- 白血病細胞が全身に広がり、臓器の働きが障害される
- 治療を受ける前から進行すると、命にかかわる危険性が高まる
長期的な見通し
急性骨髄性白血病は、早く治療を始めることで治る可能性がある病気です。治療法の発達により、特に若い世代では治療成績が向上しています。高齢者や他の病気を持つ方でも、状態に合わせた治療が選べるようになってきています。医師と十分に話し合い、希望や不安を伝えることが大切です。
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情報源とガイダンス
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最終更新: 2026年8月2日
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