アルコールと脳の健康:アルコール関連脳障害(ARBI)とは
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
アルコール関連脳障害(ARBI)とは、長年にわたって大量のお酒を飲み続けたことが原因で、脳の働きに障害が出る状態です。記憶力や判断力、気分の安定などに影響します。
重要な事実
- 長年の多量飲酒が主な原因です。
- 早く気づいて飲酒をやめれば、症状が改善することがあります。
- 栄養不足(特にビタミンB1の不足)が関係していることがあります。
正確な人数はわかっていませんが、アルコール依存症や長年多量のお酒を飲んでいる人に起こることがあります。
主に、長年にわたって大量のお酒を飲み続けた成人にみられます。特に、食事が不十分だったり、高齢だったりする場合に影響を受けやすくなります。
症状
- 突然、意識がもうろうとする(すぐに119番を呼んでください)
- けいれん発作が起こる(すぐに119番を呼んでください)
- 自分や周りの人を傷つけるかもしれないと言う(すぐに119番を呼んでください)
- 転倒などで頭を強く打った(すぐに119番を呼んでください)
- ⚠数日から数週間の間に、物忘れや混乱が急に進んだ(今日中に医療機関へ連絡してください)
- ⚠歩き方が急にふらつくようになった(できるだけ早く医療機関へ)
- ⚠お酒を急にやめたときに、汗がひどい・不安が強い・幻覚が見える(できるだけ早く医療機関へ)
一般的な症状
- 新しいことを覚えられない、すぐ忘れる
- 物事の計画を立てるのが難しくなる
- 気分が不安定になる、イライラしやすい
- 判断力が低下する
- 歩くときバランスが悪い、手が震える
子供の症状
- 子どもでは直接起こることはほとんどありません。
- 身近な大人の飲酒問題によって、不安や混乱を感じることがあります。
高齢者の症状
- 老化による物忘れと見分けにくいことがあります。
- 少量のお酒でも影響を受けやすく、転倒や食事不足が加わると悪化することがあります。
原因
主な原因
- 長期間にわたる大量飲酒による脳への直接的な毒性
- ビタミンB1(チアミン)の不足。お酒をたくさん飲むと栄養が十分にとれないことがあります
- 飲酒による肝臓の障害や頭部外傷などの合併症
リスク要因
- 長年の多量飲酒
- 偏った食事や食欲の低下
- アルコール依存症
- 肝臓病などの持病
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 急に意識や記憶の問題が現れた場合
- 自分や周りの人を傷つける可能性があり、すぐに安全を確保したい場合
定期受診を予約すべき場合:
- 物忘れや集中力の低下が続く場合
- お酒をやめたいのにやめられない場合
- 気分の落ち込みや不安が強い場合
診断
医師が飲酒の習慣や症状についての話を聞き、体の状態を調べます。必要に応じて、血液検査や脳の画像検査を行います。
行われる可能性のある検査
- 血液検査(栄養状態や肝臓の働きのチェック)
- 脳のCTやMRI(画像で脳の状態を確認)
- 神経心理検査(記憶力や思考力のテスト)
診察で予想されること
飲酒について正直に話すことが大切です。診断には時間がかかる場合もありますが、あなたの状況に合わせて進められます。
治療
治療の中心は、飲酒をやめることと栄養の改善、そして生活の困りごとへの支援です。医師や専門スタッフと一緒に、あなたに合った計画をつくります。
自宅でのセルフケア
- お酒を完全にやめる、または医師の指導のもとで減らす
- 1日3食、バランスのよい食事を心がける
- よく眠り、生活のリズムを整える
- 信頼できる人に気持ちを話す
医療治療
医療の現場では、ビタミンB1の補充が行われることがあります。医師の指示なしにサプリメントを摂るのは避けてください。また、飲酒をやめるためのカウンセリングや支援プログラムが役立つことがあります。
この病気と共に生きる
日によって調子の変わりがあるかもしれません。できないことを責めず、いまできることを大切にしながら、ゆっくり進むことが大切です。
生活習慣のアドバイス
- お酒を飲まない日をつくる
- 読書や簡単な計算など、頭を使う活動を無理のない範囲で取り入れる
- 散歩や軽い運動を毎日の習慣にできる範囲で始める
食事と運動
ビタミンB1を多く含む豚肉や豆類、全粒穀物などを意識してとりましょう。ただし、食事だけでよくなるわけではありません。管理栄養士や医師に相談しながら進めてください。運動は脳の働きの維持に役立つ可能性がありますが、転倒のリスクに注意しましょう。
精神的健康と心の健康
記憶や判断の変化は、つらく不安な気持ちを生むことがあります。それはあなたの性格や努力の問題ではなく、脳の状態によるものです。医療者に気持ちも伝えましょう。
予防
飲酒量を控え、栄養のバランスをとり、健康診断を受けることで、リスクを下げることができます。特に高齢者や体調のすぐれない方は、休肝日を大切にしましょう。
検診プログラム
健康診断で肝臓の値や栄養状態をチェックし、お酒のことで気になることがあれば医師に相談しましょう。
合併症
治療しない場合
- 急に意識障害や歩行障害が起こるウエルニッケ脳症という状態になることがある
- 記憶障害が長く残るコルサコフ症候群に進むことがある
- 仕事や家事、人間関係に支障が出る
長期的な見通し
アルコールをやめて適切な支援を受けると、進行を止めたり、一部の症状が改善したりする可能性があります。あきらめずに、一歩ずつ取り組むことが希望につながります。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年8月2日
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